バレンタインデイ
あっは…遅くなりました
バレンタインデー
二月十四日にあるイベントである
内容は女性がお世話になったもの
または女性が好きなものにチョコレートをあげて気持ちを伝える日ではない
男性が女性にプレゼントを渡す日である
チョコレートを渡すのはアジア地方限定であり、飛影の屋敷にはアジア地方育ちで住んでいるのは優希と火月だけである
そして更に言えば神に因んだ日である
間違った意味で伝わるはずもないのだが
「さぁバレンタインデーですよ優希ちゃん!!」
一番張りきっているのは、アンジェレネであった
2月14日の朝一時
いや正確には深夜一時
2月14日になってから一時間も経っていない時間に飛影の屋敷面子とその他が集まっていた
「よし、点呼をとります!!リタちゃん!!」
「はい」
「シーレイちゃん」
「ん」
「優希ちゃん」
「はぁぁぁぁい」
「椿ちゃん」
「はいはい」
「あっきー」
「秋野です」
「火月ちゃん」
「おっす!!」
「静紅ちゃん」
「はいは~い」
「リーべさん」
「面倒ね…」
「杏ちゃんは欠席!!」
「アユリさん」
「はい」
総勢10名
ほぼ大集合である
キッチンに集合しているが、10人が入っても余裕こそはないが充分すぎる広さをもっていた
午前1時、飛影と黒鋼は熟睡している
飛影が起きないことは椿のお墨付きである
「え~と、とりあえず、料理ができる人はこっち、料理ができない人はこっち、わからない人は待機で」
点呼をしたのはアンジェレネだが、この場を実質的に仕切るのは優希である
優希であっても9人に教えるには辛いものがある
そのため、料理ができる人ができない人について2~3グループに分けて作成する作戦である
全体的に仲が良く実力がある優希が仕切るのは誰も文句はなかった
これが他の者であれば何かしら喧嘩があったことは予想できた
各々で移動が始まる
料理ができる人
優希
椿
「ダウトォ!!」
「えぇ!!?」
椿を見た瞬間に優希はダウトを宣言する
驚いている椿であるが逆に優希には不明である
椿の料理の腕は知っている優希
基本的な技術力はあるのだが、とんでもなく発想がおかしいのである
カップラーメンでさえ、彩り鮮やかな何かに変身させる椿をできる人にランク分けするのはおかしいのである
「椿さんは、あっちです」
優希が指したのはできない人のエリア
そしてようやくランク分けが終わり結果
できる人
優希
秋野
わからない人
なし
できない人
リタ
椿
静紅
リーべ
火月
アユリ
アンジェレネ
シーレイ
「…わぁお!!さすがの優希ちゃんでもビックリです!!」
この家事できない連合は伊達ではなかった
優希も優希で良く良く考えれば、この屋敷では飛影と優希以外で料理をするものはいないのである
結果は行う前から予想できた筈なのだ
「いや~もう秋野ちゃんが癒しだよ~」
唯一のできる人
「いやいや!!優希には勝てないからね…料理はするけどお菓子は作ったこと無いし!!」
全力で首を振る秋野
謙遜ではなくできる人といっても秋野は一般的にである
優希のような専門家と同一に見られるのは流石に厳しすぎるものがある
だがまぁ、できない連合と比べれば天と地ほどの差があることは事実である
「けど、リタさんができないのは意外ですね~」
完璧が信条であるリタが料理をできないとは予想できなかった優希
意外そうな眼をしている
「どうも私は神経質らしく、飛影に教えてもらったときに呆れられましたね」
0.1グラムのズレも許さなかったリタ
味噌汁を作るのにかけた時間は七時間
神経質どころではない
「ちなみに皆さんはありますかぁ!?」
『はい!!』
全員が一斉に手を上げる
できないのが多いため、自分が最下位ではないことを照明したいがためだ
「…じゃあアンジェレネさん」
優希は物凄く期待していない目である
「飛影さんにカップラーメンを作りました!!感想として気持ちは嬉しいぜ!!って言われちゃいました!!」
「それ料理じゃないですし!!」
余談であるが、アンジェレネが注いだのは水であり蓋も全部剥がした状態であった
飛影が魔法で温めなければ食べれたものではない
「…次は、シーレイさん」
「ん…プリン…醤油…うに…飛影…おいしい」
「…」
少し自慢気なシーレイ
余談であるが、飛影が食べた時の表情は一瞬だけなんとも言えない表情になっていた
「……次は、火月ちゃん」
「兄ちゃんに目玉焼きを作ったぜ!!ちょっと黒くなったけど兄ちゃんはおいしいって言ってたな!!」
「ようやくまともな料理の名前が出ました!!」
底辺の連続であったため、無性に喜びを感じる優希
余談であるが、黒くなったのは全部である
炭と変わらないそれを飛影は笑顔で完食した
「次は静紅さん!!」
「私は団子を作ったわ!!飛影君のお墨付きよ!!ちょっとでかいって言われたけど」
「おぉ~」
料理の連続に感動を覚える優希
余談であるが、静紅が作ったのは直径10センチの水っぽい団子であった
水団子ではない、水っぽい団子である
飛影はそれをひきつった表情で完食した
「じゃあ…アユリさん」
「ふっふっふ~私は冷凍食品っていうのを飛影様に作ったわ!!飛影様は頭を撫でてくれたわ!!」
「…あれ…家にレンジは…」
飛影の屋敷には電子レンジが無い
アユリが冷凍食品という単語を出したので人間界ではある
謎が残りすっきりしない優希
余談であるが、アユリは冷凍された食品であるグラタンを近くのスーパーで買ってきて溶けないようにと冷やして飛影に渡したのである
絶対強者級であるアユリに冷やされたグラタンはもはや氷である
そして飛影はそれを見て、ワクワクして食べるのを待っているアユリを見て、覚悟を決めて完食した
「…う~ん…じゃあリーべさん」
「ふふ…そうね…ユッケとか挽き肉とか叩きとか内臓とかを作れるわね」
「…」
豪華だが、
豪華ではあるが、
リーべは吸血鬼である
食材と調理後の姿を想像できてしまった優希
「完全に人肉ですよね!!?」
「あら…勘違いよ?スーパーでつまみに買ってきて開けて飛影と食べたわ」
「もはや調理してないじゃないですか!?…とりあえず底辺だということはわかりました!!もう全員私が教えますよ!!」
全てを諦めて、腹を括った優希
そして作成が始まる
「リタさん!!分量はてきとうでいいんですよ!!」
「しかし、完璧に」
優希の体力残り50
「シーレイさん!!チョコに醤油は駄目です!!」
「…?」
優希の体力残り45
「アンジェレネさん!!湯煎してください!!お湯を直接入れるなぁぁ!!」
「えぇ!!?この方が早いじゃないですか!?」
優希の体力残り30
「静紅さん!!それは石です!!チョコを塗らないでください!!」
「あら?あらあら…」
優希の体力残り25
「椿さん!!なんで唐辛子をそんな大量に入れるんですかぁ!?」
「彩りが綺麗になるよ!!」
優希の体力残り15
「アユリさん!!大量にチョコ溶かしてあなたはもう何がしたいんですか!!?」
「愛よ!!」
優希の体力残り5
「あっ…失敗した!!優希~焼き加減教えて~」
「あっき~!!それは強火で10秒だよぉ!!」
優希の体力残り15
秋野のおかげで少し回復した
「リーべさん!!ブランデーチョコにするならもっとブランデーは少なくですよ!!それ9対1(ブランデー対チョコ)ですよ!!!!?」
「お酒は万能薬よ!!」
優希の体力残り0
その場に崩れ落ちた優希であった
(私の作る時間がぁ…)
そして朝になった
優希のおかげで一応は食べられるものから食べ物に昇格した
飛影はいつも通りの早朝に目が覚め立て掛けている黒鋼を掴む
「おはよう飛影」
「おはよう黒鋼、この甘い匂いはなんだかわかるか?」
起きた瞬間に、甘ったるい匂いに屋敷が包まれていた
「僕は知らないよ~寝てたし」
「だよな~…まぁいっか…」
換気のために窓を開く
すると外からも甘い匂いの空気がなだれ込む
「…まぁいっか」
と気にしないことにしていつも通りの訓練を終えた飛影は朝御飯の手伝いと弁当を作りにキッチンに向かう
黒鋼も人型になり、味見をするために付いていく
一番甘い匂いが漂うキッチンについた飛影
中で見たのはチョコチョコしいキッチンであった
「なんじゃこりゃぁぁぁ!!」
「わぁお~!!」
叫ぶ飛影に驚く黒鋼
『ハッピーバレンタイン!!』
きゃっほー!!と徹夜明けの不思議なテンションでそれを迎えたメンバー
「いつもありがとうございます」
「ありがとうリタ」
「いえ」
「飛影さん!!本命ですよ!?」
「はいはい、アンジェレネもサンキュ」
「本気ですよ~」
「ん」
「…シーレイもありがとう…物凄く眠そうだな」
「うん」
「はい、飛影!!」
「…椿のか…ありがとう」
「なにその反応!?」
「はい兄ちゃん!!」
「お~火月ありがと~」
「えへへ!!」
「はい先輩!!」
「量が多くないか?」
「本命の失敗作です!!」
「はい飛影」
「リーべって料理できたのか!?」
「優希との合作よ」
「はい飛影君!」
「…団子か…静紅」
「チョコ団子よ~」
「どうぞ飛影様!!私の気持ちです!!」
「おぉアユリサンキュ!!…冷えてないな」
「?」
「はい飛影さん!!ちょっと時間が無くて凝ってないですけどね」
「いや、優希の作るもんなら何も不安は無い!!」
「…あ~やっぱりですか」
皆々自由に飛影と黒鋼にプレゼントを渡す
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オチ
飛影は優希に感謝しながら、全員からの贈り物を食べた
そして優希と秋野以外は飛影の本気のお返しを貰ってミジンコ程の腕だが世界規模のプライドがズタボロになった
更に言えば、秋野が彗にチョコを渡すことはできずに飛影が受け取ったのであった
こういうイベント系でちょくちょく更新するかもです
節分をやりたかった…




