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初案件

 緊急事態である。非常事態宣言を発出する。最大限の警戒を怠るな。


 涼音さんによると「ごめーん。つぼみん。急用ができちゃって、箱外の案件できなくなっちゃったの。代わりに出てくれない?。あっマネちゃんにはOKとったからさ」


 とのことである。返事は当然イエッサー、承知、了解である。


 涼音さんには家庭があるのでこういうことはよくある。


 しかし箱外に軽々しくいくなんてすごい。しかも案件。


 案件とは企業の商品の宣伝をすることだ。何回か見たことがある。私にとっては初めてだ。


 取りあえず字の書かれた本を用意してほしいといわれたので用意する。


 共演者は力学学。個人Vだ。ニューアクセルとしても無視できない実力者らしい。


 ライブが始まった。


「このアプリで本の中身をとってください」


「えっとこうですか」


 何かの画像が浮かび上がる。魔法陣?


「こうしてAR技術で本から魔法陣が浮かび上がります。この種類はなんと1兆種を超えます。世界で1つだけの魔法というわけですね」


 本から魔法陣を作り出すアプリということかな。自分の本が魔法書になるみたいな。


 こうして案件は終わった。


「少ししゃべりませんか」


 力学さんが話しかけてきた。


「あなたは新人のようですが、どんな夢がありますか?」


「えっといろんな人と関わりたいというか、推しと共演したいんです」


「私と似ていますね。私もいろんな人と関わりたい。ところでネットによって人々の何が変わったと思いますか」


「いろんな人とつながれるようになったと思います」


「本当にそうでしょうか」


「えっ」


「私は懐疑的でした。Vに出会うまでは」


「匿名の人々と本当に交流できているのでしょうか。相手の顔はわからないのです」


「かといって顔を出すのはハードルが高い。ネットと現実は相性が悪いのです」


「その点Vは革命的です。顔は出さなくてよいですし、それでいて表情がわかる」


「私はVの力を使って世界を変える。あなたも同じ思いがあるでしょう。また何かあれば協力してほしい。何か困ったことがあれば相談にも乗りますよ」


「その、ある人とコラボしたいのですができないのです。どうしたらいいですか」


「まずはその人をもっと分析することです。それと自分のことも。共演NGなら厳しいですが」


「わかりました」


 力学さん。熱い人だ。私はそこまで考えていなかった。これが実力派個人V……




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