マネージャーさんと面談
今日はマネージャーさんと面談だ。
多分、滝守さんとのコラボについてだろう。
うまくいかないことはわかっている。滝守さんは孤高の存在だ。そこにあこがれる人は多い。
だからこそ彼は動けなくなっている。動くには理由が必要なのだ。彼自身が、彼のリスナーが、納得する理由がほしい。
同期の存在しか今の彼にはなくなってしまっている。そこをどうすればいいか私にはわからない。
「どう?元気にやってるかい」
マネージャーの佐久間さんだ。ディープでダンディなおじさんである。中途採用らしい。
「はい。まだ慣れないですけど」
「そうか。今日来てもらったのはね……」
来た。この話だ。
「ライブの件なんだけど……」
「そっちかい」
Seasonal全員でライブをやろうという話である。まだ計画段階で何も決まっていない。
「……こんな感じなんだけど……さっそくいろいろやってもらうから」
「わあ大変だ」
「完全に他人事といった感じだね」
他人事というより現実逃避だ。ダンスなんてできないよ。
「で、やっぱり駄目だったよ。滝守さん」
「そうですよね。どうすればいいですか」
「考えたんだけど、ドッキリ企画とかどうかな。菜の花君がウミネコさん辺りと入れ替わるとか」
それ本気で怒りそう。ウミネコさんは滝守さんと同期の人だけど、うまくとりなしてくれるかな。それに……
「新人がドッキリを仕掛けるんですか?大先輩に?」
「ダメかなあ」
ダメそう。というか自分には厳しいか。後が怖い。
「正攻法がいいです」
「じゃあはっきり言うけど、大物になるか、気に入られるかしかないよね」
気に入られるか、大物になるか。答えは二つに一つ。なら。
「大物になって呼びつけます」
「それでは頑張るしかないね」
佐久間さんは微笑を浮かべ去っていった。




