夏がやってくる
午前0時真夜中に始まる恋物語
電車の窓から見える道の向こうに海
キラキラ眩しく輝いてる
もうすぐ電車はあなたの
最後になった場所に差し掛かる
なぜ雨の日に
この場所を走ったの
今となってはどうでもいけど
誰にも看取られず
逝ってしまったあなた
お互い
さようならっていうことも出来ず
あの日駆けつけた時には
砕け散ったバイクの破片だけが
ヘッドライトに照らされ
雨で光っていたの
もう運ばれてそこにいなかった
わたしがあなたに会えたのは
病院のある部屋
割れたヘルメットが横に置かれ
ふしぎとあなたの顔は安らかだった
顔にふれるとなぜか涙がとまった
痛かったの?苦しかったの?
それとも一瞬すらも感じなかったの
そんな事を思いだし
駅に停まった電車を降りて
あなたの場所まで歩いていく
2人で歩いた浜辺はまた
賑わう夏がやってくるわね
あの頃はあなたの後ろに乗って
よくこの海岸線を走っていた
まさかこの場所であなただけが
逝ってしまうなんて
その場所にしゃがみ込み
花を供えて目をとじて
そっとあなたを想いだす
この場所では涙が止まらない
あの頃の懐かしいにおいがする
潮の風が想い出を包む
今年もまた夏がやって来るの
夏の始めにいなくなってしまったあなた
約束したのに
またこの海に来ようねって
あなたは嘘をついたの
あなたは約束を守れない
夏が来るたびにわたしだけが
海に来てるのを知っていますか
お互い
さようならも言えずそのままだから
また夏がやってくる
帰りの電車は外を見ずに帰るね
前の窓にはキラキラひかる海が映る
あなたもどこかできっと見てるよね
また夏がやってくる
約束したのに
またこの海に来ようねって
あなたは嘘をついたの
あなたは約束を守れない
いつまでも
さよならも言えずにいるの
あなたはまだここにいるから
海岸線を電車はゆっくりはしる
また夏がやってくる
つむぐいと
では詩をメインに投稿してます
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