ダンジョン突入部隊出発!
翌朝
エルとアルは日が昇りだしたら起きた
「エル、アル、おはよう」
アトルが挨拶する
「ん〜、おはよー」
アルは朝に弱いようだ
「おはよー」
エルも眠たげに挨拶する
「さぁ!ちゃっちゃと朝食食べてダンジョン行くぞ!」
10時間程暇を持て余していたアトルはやたらと張り切っていた
アル達は火を起こし、昨日の残りを煮詰め直す
「アル、ダンジョンに持っていくものは準備できてるか?」
朝食を食べ終えたアルにアトルが質問する
「うん!、持っていくのはこの短剣だけだよ!だけど、ダンジョンに行く前にギルドに寄ってエルのギルドカードを作らないと、エルがダンジョンに入れないよ」
「そうか、わかった、
アルは短剣一つしか持っていかなくて大丈夫なのか?」
「うん!、ダンジョンの1〜3階層はスライム、ビックラット、吸血コウモリとか弱いやつしか出てこないからこれで大丈夫!」
「そっか、それじゃあアルは大丈夫そうだな、それならエルにこれをやるよ」
アトルはそう言ってアイテムボックスからフードを取り出す
「これな〜に?」
エルが不思議そうに拾い上げる
「それはエルを守るためのフードだな」
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マジックフード
スキル
魔法耐性 物理軽減 隠密
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「わぁ、ありがとう!」
エルが声を輝かせて、お礼を言った
「おう!アルも何か防具つけるか?」
「うーんと、3回層までなら大丈夫!3回層より奥に行く時はちょーだい」
「そっか、それじゃあその時にな、
もう行けるか?」
「「うん!」」
「んじゃ、まずはギルドに行くか!」
アル達はスラム街を出てしばらく歩き、ギルドの前についた
エルはギルドカードを作るので、少しテンションが高い
「エル、ギルドの中じゃ騒いだら駄目だぞ」
「うん!」
アルとエルは扉を開け、ギルドの中に入る
まだ、昨日のクエストが今日のクエストに更新される時間帯より早いので、ギルド内は閑散としており、受付も一人だけしかいない、あともう1時間程経てば更新されたクエストを求めて、ここは冒険者達で溢れ返るだろう
受付には誰もおらず、すんなりと受付をすることができた
「妹のギルド登録をお願いします!」
ギルドの登録に年齢制限は無いが、クエストの受注ができるのは12歳からと決まっている、ダンジョンに入るにはギルドカードの提示が入口で必要となる。12歳以下でギルドカードを作る子供は大体が荷物持ちの仕事や武家貴族などの子息などが鍛えるためにダンジョンに入るためだ、ギルドカードの発行は最初は無料だが2回目からは10000G(1万G)必要となる
「はい、それではこちらの水晶に触れてください」
エルは差し出された水晶に触れる
受付嬢はエルの触れた水晶の様子を見ては何やら用紙に書き込む
「はい、もう大丈夫ですよ」
エルは水晶から手を離した
「それでは、ギルドカードの発行をしますので、少々お待ちください」
そう言って、受付嬢は後ろにあった扉を開けて入っていった
2分くらい待つと
扉が開き、受付嬢が戻ってきた
「それでは、こちらがギルドカードになります」
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エル Lv1
ランク F
職業 なし
クエスト達成数 0
功績 なし
魔石回収量 0
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「わぁ!ありがとう!」
無事にギルドカードを貰えたことに安心し、エルは満面の笑みでお礼を言った
「どういたしまして!」
受付嬢も笑顔で返す
人によっては獣人を露骨に蔑んだりする人がいるが、日々様々な冒険者と接する受付嬢にとっては人種などは些細な問題であった
「このまま、職業に就くことも可能ですが、どうしますか?」
職業とは働く方の職業ではなく、冒険者の剣士や格闘家といったものだ、職業に就くと様々な補正を受けることができる。例えば、剣士であるならば剣の振りが素早くなったり、ブレが少なくなり剣の鋭さが増すといったものだ。しかし、職業に就くには100,000G(10万G)が必要であり、駆け出し冒険者の1つの壁となっている
「大丈夫です。ありがとうございました」
アルもペコリと頭を下げる
「それじゃ、エル、ファス!ダンジョンに行くぞ!」
「うん!」
「ウォフ!」
ダンジョン都市ガリヌスのダンジョンは中心地がらやや東にあり、ダンジョンを中心に半径50mを壁で覆っている、これはダンジョンからモンスターが溢れ出てきた時に対応するための処置だ
中に入るには1つだけある入口でギルドカードを提示して入る
アル達はは入口でギルドカードを提示し壁の中へと入り、ダンジョンへと向かっていく
「エル、ダンジョンに入る前にファスに乗っておくんだ」
「はーい、ファスよろしくね!、、、よいしょ、」
「ウォフ!」
ダンジョン第一階層
アル達はダンジョン内の通路を進んでいた
ダンジョンの中はゴツゴツとした洞窟で、内部は光が満ちており明るかった
今はまだ早朝の時間帯なのでダンジョンの中に人影は無かった
ファスの中からアトルがでてくる
「わ!」
いきなり出てきたアトルにエルが驚く
「驚かせちゃったか、ごめんな」
「も〜!!」
「アル、とりあえず3回層まで案内してくれ」
「わかった!」
前からアル、アトル、ファスとエルといった順番で進んでいく
「アトル!スライム!」
「お!どれどれ」
アトル達の10mほど先に、球体のようなものがいた
アトルはさっそく鑑定をかける
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スライム
Lv2
スキル
分裂Lv3 再生Lv2
特性
液体ボディ 魔力生命体
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「ほーほー」
「アトル!スライムは低階層だと攻撃してこないから無視するぞ!」
「そうなのか」
アトルはスライムに近づいて近くで観察する
「ちょっと実験」
アトルはスライムに向けて、生命エネルギーを注入する
生きた魔物を眷属に出来ないか試してみたのだ
アルとエルも興味深そうに覗き込む
生命エネルギーを注入し始めてすぐ、スライムが輝き始めた
感覚的にはまだまだ生命エネルギーを注入できそうだったので、注入してみる
「うおおおぉ!」
アトルはついつい夢中になって限界ぎりぎりまでエネルギーを注入してしまった
アトルがエネルギーの注入を止めた段階でスライムの体から眩い光が放たれた
「うわぁ!」
「眩しー」
アルとエルがあまりの光に悲鳴をあげる
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光が収まった後には
一匹のスライムがいた