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6章 ノエル
「ったく、なんなんだよあの婆さん。さて、どこから行くか。」
僕は、見透かされたような気がした。
僕は、臆病で弱くて血生臭くて、彼女のような人には会ってはいけない人間だ。
僕の記憶によれば、そんな楽しい高校生活を送れてはいない。
ケンには悪いが地獄だった。
「おい! 涼! 何ぼっーとしてんだよ。あいつを頼ろう。絵で連れてってくれるんだよ。」
絵?
「芸術家ですか?」
「まあ、そうかもな。エナジー一の変わり者。ノエル。あの女は、呼吸で絵を生み出すんだ。」
呼吸?
絵?
「まあ、会ってみれば分かる。面白いぜぇ。」
彼女と会うことになったのだった。
「よお、ノエル! 城に行くための道を作ってくれ、って、いないのか?」
薄汚い家の中には、人一人いない。こんな緑しかない場所に家なんてないだろうと思っていたのだが、あった。
ここは、あまり僕らが生きている地球と変わらないのかもしれない。
心配そうに家中を見ているケンは、走り出した。
「おい! ノエル! 大丈夫か!?」
気が付くと、闇の中に一人の華奢な女性が倒れているのが分かった。
「だ、だ、大丈夫なんですか?」
僕は、気が動転した。
どうも生きているようには見えなかったからだ。
「まずい! 息をしていない!」
「えぇ!?」
死人に出会った瞬間だった。




