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5章 老婆の悪夢
色んなことに失敗した。
僕の人生は散々だった。
だからここに来れたのではと思うのだ。
癒やしの場所エナジーに。
『おや、なんだい、青年。何か悩みかい。』
老婆に話しかけられた。
赤い服に赤いスカーフを身に纏ったおばあさんは、僕にとって驚異だった。
『あんたは、前世、元の姿は何だったんだい。』
「だから、それを彼女に聞きに行くんだよ。そこどいてよ。」
ケンが詰め寄るが、老婆がそれを制した。
『馬鹿言うんじゃないよ。あの方は、お前らになんて会わないさ。神聖なお方なんだ。』
神聖。
確かに出会った瞬間、神的なオーラがあった。
美しいことしか覚えていなかったが、老婆に言われて思い出したのだ。
『青年、あの方に会うんじゃないよ。ケンよりも根深い闇がお前にはある。人間の負の部分だ。醜い部分だ。絶対に近寄るんじゃない。』
老婆は、そう言い残し、僕達を城の向こう側へ遠ざけたのだった。




