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19章 ナターシャ
「ナターシャ様!」
兵士が彼女の元に詰め寄った。
彼女は、自然と戦っている。
いや、違うあれは。
「ノエル!」
悪に満ちた幻術化だった。
「何であんな姿に。」
しかし、妙だ。
狼男は、キュラ神がいると言っていたではないか。
やつは、一体どこにいったんだ。
「おい、キュラ神は、どこだ!」
僕の声に反応をしたのか、ノエルが口から血を吐いた。
それをナターシャが阻止しようとしている。
白い腕、白い肌。
美しい顔立ちに壊れそうな華奢な体。
彼女は、神聖なのだ。
『ダークネス!私だ! ナターシャだ! お前は顔を出せ!』
ナターシャは、男のように勇敢に刀を出した。
想像していた女性とは違う。
彼女は、一体。
「あれは、偽物だ! ナターシャじゃない!」
ケンが、赤い目になり一瞬にして黒猫へと変化した。
そして、彼女を引っ掻いたのである。
『何をやっているんだ! ケン!』
だが、遅かった。
彼は、ノエルをも引っ掻き死に追いやったのである。
「お前、キュラ神なのか! ダークネスなのか!」
狼男は、ヘナヘナと地面に倒れてしまった。
恐らくやつの気迫に負けたのだろう。
やはり、こいつがそうなのか。
こいつが。
『ダークネス。私の友。どうしたの?』
森の深くから、小さな少女が顔を出した。
その少女は、間違いなくナターシャだった。




