18章 空気神
表裏一体。
僕は、少し怖かった。
なんだ、この感じは。
人間は、一人じゃない。
色々な感情を持っている。
だから、魅力がある。
そう思っているけど、実際はとんでもない恐ろしさなのかもしれない。
「涼、そんなにかんがえても人の世界観は分からないぜ。」
ケンは、あくびをしていた。
この男は、さっきから謎な行動ばかり。
俺を利用しようとしていた。
だが、それを謝った。
でも、その気持ちが本心かどうかは本人にしかわからない。
「あの門の前にいる、婆さんを何とかしないとな。」
婆さん。
あれ、さっきまで確かいたはずなのに。
すると、赤目をした人々が倒れているではないか。
だが、その姿は人ではない。
狼?
何かに撃たれている。
銃?
どうしたんだ?
「おい! お前ら助けてくれ!!」
そこには、先程エナジーで出会った狼の青年が血を流しながら立っていた。
赤い目が充血している。
「ノエルが攫われた! やつは、ナターシャ様の元へ向かってる!」
やつ?
ケンは、眉をひそめた。
「やつが、目覚めたんだよ。キュラ神、ザークルが!」
キュラ神だと?
殺戮者の神?
そんな存在がどうして。
「エナジーは、遥か昔にその存在の侵入を許してたんだ! だけど、ナターシャ様は、見つける指示を我々に与えなかった! 潰して貰うつもりなんだ! エナジーもろとも!何でこんな。」
泣き崩れてしまっている。
「何故、キュラ神が。ナターシャ様に。」
ケン、心あたりがあるのか首を傾げている。
だが、止まっている場合ではない。
一刻を争う。
『急ごう! 一刻を争う一大事だ! 私は、神、サレスである!狼男、私を案内しろ!』
特別ではない。
だが、この力を使うべきだ。
狼男は、自分の名を名乗った。
「私は、シャルでございます! ナターシャ様の親友である空気神様、サレス様! 私達神官は、あなたの帰りを長らくお待ちしていました!」
すぐに、案内された。
エスカレーターに乗っている。
特別だから、乗っている。
でも、もうそれで構わない。
キュラ神になって、特別は、意味ではないことを知らせるために、力を使うのだ。
人としての力を。
ケンは、何やら考えているようだった。




