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15章 化け猫
エナジーを滅ぼす?
何を言っているんだ?
それなら、風の少女も、殺すことになる。
『私はね、涼。ナターシャが嫌いなわけではないのよ。これは、彼女の意志なの。彼女が自然はいらないと判断したのよ。』
『だから、俺らがこの世界にいるんだ。』
ケンは、唸った。
彼はずっと、ナターシャの研究者だった。
忘れることは出来ないだろう。
「ライク、君も好きだったんじゃないの?」
僕は、口が動いていた。
ずっと、気になっていたのだ。
風の少女を追って、世界を出た彼が何故また、地球にいるのか。
『俺は、あの方を本当の意味で守りたいんだ。』
本当の意味?
僕には、分かりそうもない。
『涼、あなたは、何者なのかしらね。私も知りたいわ。力を見せてよ。』
カイルが顔を近付けてきた。
力?
そんなものあるわけない。
「待てよ、カイル。何故、涼が、力を持っているなんて知っているんだ?」
ケンの目が赤く光っている。
あれは。
『ケン! やめろ! キュラになるな! 克服したんじゃなかったのか!』
「うるさい! 俺は、あの方の世界を手に入れるんだ! 邪魔するな! 涼の力は俺のものだ! ナターシャを呼ぶ餌なんだ!」
ケン?
彼は、一瞬にして大きな化け猫へと変化した。
そして、僕を端に追い込んだのだった。
喰われる。
そう思った時には、何かが発動していた。
僕の、昔の僕が現れた瞬間だった。




