10章 キュラじゃない
どうして。
何故僕が犯罪者呼ばわりされないといけないんだ。
すると、ケンが泣きそうな僕の前に立った。
いつものふにゃっとした顔ではない。
キリッとした好青年のような顔立ちをしていた。
「何故そうやって、キュラだと決めつける? 分かんねぇじゃねぇか。こいつが、キュラかどうかなんてよ。」
「いや、俺には分かる。確かにあの男は、キュラだ。あの方にはあわせられない。」
なんだよ、風の少女に会えないのかよ。
ショックだった。
少し期待してたのに、また会えるかもって。
また会えたなら。
『また会えたら、あなたは、何をするの?』
ノエルが僕を見た。
殺意的な目だ。
何故。
『あなたは、ケンの最初の目をしてる。失ってからまた来て。神聖なあのお方にとってキュラは、いてはいけない。迫害者よ。』
そこまで言うのか?
僕のことを。
「あぁ、やってらんねぇぜ。本当に俺が知ってるノエルかよ。もっと、昔は優しかった。俺がキュラじゃなくなったのは、あんたのおかげなのに。」
ケンは、ノエルを睨んだ。
彼女は、目を伏せる。
やはり、知り合いだったのか。
知らないふりをしていたんだ。
「違う、お前が言ってる女性は、カイルだ。ノエルの妹。死を予言出来る。」
「いや、彼女は、呼吸で絵を作っていた。彼女だ。間違いない。」
「なら、嘘をついたんだな。お前に自分の能力を。やつは、予言師だ。異端だった。ノエルは、優秀だったがあいつは、それに比べ規則は守らずエナジーの落ちこぼれだ。」
カイル?
新しい名前だ。
『カイルなら死んだわ。もう、この世にはいない。いえ、あなた、涼が生きていた本当の世界に転生しているかもね。何かに。』
僕は、息を呑んだのだった。




