9章 キュラの正体
「キュラ? それは、何ですか?」
僕は、必死に問うた。
だって、その男は、あの老婆と同じ目をしていたからだ。
『あなたは、キュラ。殺人者よ。まだ、やっていないけど、これからやろうとしてる。とんだ人間の体に転生したようね。』
グハッ。
ノエルは、血の絵を吐いた。
薄気味悪く今にも泣きたいくらいだった。
殺人者?
僕が?
どうして。
そもそも転生の意味が分からない。
僕は生まれた時から人間だ。
ずっと人間だ。
どうして。
確かに学生時代は、嫌な記憶しかないけど人を殺したいなんて気持ちは。
「これっぽっちもなかったと言えるのか?」
赤髪の男は、そう言った。
すると、ケンが何やらその男を興味津々で見始めた。
そして、雄叫びをあげたのである。
「あんた、魔防者だな。魔法が使える手品師。彼女。風の少女を守っている。ノエル、幻術家と一緒なわけだ。」
風の少女を守る?
まさか、この人も。
「あぁ、お前が言うようにその通りだ。俺は、ノエルみたいに特別ではないが、あの方を守っている。この赤目は、元の姿が狼だった証拠だ。しかし、お前のようにキュラじゃない。分かるな? 俺は、あの婆さんの孫だ。老婆がいただろ?城の前に。」
老婆。
あの人は赤い目をしていなかったけど。
「婆さんは、目の色を変えられる。目に意識がいかないように出来る。俺らは手品師だからだ。魔防者。それは、彼女がつけてくれた名前だ。神聖なあのお方にお前のような今から殺人を犯すであろうキュラには、あわせられない。帰ってくれ。」
僕は、死のどん底に近い気分だった。




