お前はそういう奴だ。
「これ...が..カラミティ・アイリスか、」
街へ入る際兵士に止められ10分くらい経つ頃
ギルドマスターが走って来た
倒された厄災竜を見て唖然となるギルマス
口開いてます
「どうやって倒したのだ?」
「いやぁこいつの雷魔法でバーンですよハハッ」
あんなにチキンな倒し方なんて説明出来る訳がない
あれじゃ某サトシじゃないか。
まあ、伝説級のポケ〇モンがいるのにわざわざ死にに行く理由も無いライトニングが負けてもこちらに被害は無いのだから
「ともかく、報酬が欲しいです。」
「あっさり言うのじゃな、」
勝利の余韻に浸る訳でも無くさっさと金を寄越せと言う俺の態度が不思議なようだ。
「まあ、負けると思う依頼を受ける訳無いじゃないですか」
「俺としてはちゃん闘いたかったがなあれは俺の力では無い」
格好の付かない勝利だったので不満そうな黎弥
気持ちは解る。でも、命あっての物種
無理はよく無い
「因みにこれからもポケ〇モン戦法だからな」
「了解した」
やっぱり不満そう
「それでこれは何処で捌いてもらえますか?」
「国が抱える解体士に依頼しよう、カラミティ・アイリスの素材は売るのか?金になるぞ?」
「いや、これで装備を作るつもりだ」
「だそうです。」
「分かった、それも依頼しておこう」
「ありがとうございます。」
θ
なんやかんやあって今宿に戻っている
「お腹空いたな」
「そうだな」
いまの所持金は金貨約3000枚だ、竜の素材も売って慎ましく暮らせば一生生きていけるかもしれない
そして宿に着いた瞬間だ。
「ナリミヤ殿はおるかー!!!」
「はいはいおりますよ。」
馬車で来た時点でもうめんどくさいことが待っている、ということが確定する
「おお、貴方が!厄災竜を倒された..」
「まあ、黎弥だけどな」
「貴方が【紫電】殿か!城を半壊させたと聞く!」
「如何にも」
なんで自慢げだよ。
「二人共来てくれないか?王様がお呼びだ」
「まだ一日しか経って無いんだけどなあ、」
「そう言うな、」
θ
「おお!待っておったぞ!勇者たちよ!いきなり厄災竜を倒しよるか!流石じゃ!私の目に狂いは無かった!!」
玉座に入ると王様が大きな声で労ってくれた。
うるせぇ
「実はな着いたばかりで知らないだろうが、この国には武功を上げたものに対して、我が国の姫へ花を贈ると言う伝統があるのだ。」
「そこらの花屋で買ったもので良いですか?」
「伝統じゃ別に何でも良いわ」
「来月の頭にその式をやるそれまでに用意しておけ」
正直面倒だけど拒否権は無さそうだ
「承りました」
「俺もだ」
「お主ら飯は食ったか?」
この質問、まさか!
「まだです!!」
「うちで用意しておる食っていけ、」
キタァァァァアアアアアア!!!!!!!
ロイヤル晩ご飯キタッ!キタッ!
そして豪華な鎧の兵士にあんないされた部屋に入ると待っていたのは
豪華な食事そしてアイナ様だ、
「お久しぶりですね、」
「はい、ご無沙汰しております」
ああ、駄目だもう俺の頭には飯の事しか無い。挨拶とかいいから早く食わせろ、冷めてしまうだろ
「おすわり下さい」
ずっと立っている俺をみかねて言った言葉だろう
俺はその言葉を待っていた
「では、あの、いただいてもよろしいですか?」
「どうぞおふたりともお食べ下さい」
「「いただきます」」
「あの、食べながらでも、聞いて頂きたいのですが、」
少しアイナ姫の口調が重くなったのを感じ食べる手を止める
黎弥は止めない
「何でしょう?」
「実は私の妹が不治の病を患っています。」
黎弥と同じやつか?そりゃ大変だ
「もう、長く無いとお医者様に言われてしまいました」
真剣な内容の話に黎弥も食べるのをやめる
「しかし!ここから北へ半月ほど進んだ所にある山脈にどんな病でも治す薬を持つ賢狼がいると聞きます。それを取ってきて貰えないでしょうか。」
「それは国の依頼ですか?個人の依頼ですか?」
「これは私の個人的な依頼です。お父様も知りませんですから、報酬は何が用意出来るかわかりませんが、もし依頼が果たされた時、私は貴方の希望を全て聞き入れましょう。お願いします。」
そして少し間が空きアイナ姫の頬から涙が落ちる
「妹を...助けて...」
声が震えていた
「分かった....充分だ、」
そう言って黎弥の方を見る
そして黎弥は全て理解したように頷いた
そして「任しとけ」という言葉を残して
走り出し王城から飛び出した。
「うかうかしてられねえ!」
「お前は、行くと思った」
「そうか?」
「お前は格好付けるの好きだからな、」
「お前に言われたくねぇ!中二病!」
これは単純な話だ女の子に頼られた
これで断る奴は男じゃねぇ
θ
そして旅の用意を買いに行く
テントやら寝袋やら毛の赤い馬も買った一匹だ
赤いのを買ったのはちゃんと意味がある
黎弥は乗れないが俺は身体が憶えているらしい。
「用意もできたしそろそろ行くか!」
「我が愛馬、スレイプニルも昂っているからな」
「後ろに乗るやつが愛馬とか言うんじゃねぇよ」
「スレイ!前進だ!」
パカッパカッと凄いスピードで走り出す
乗用車並のスピードだ
「これが通常の三倍!!」
「おい、やめっ!?いだっ!!」
馬の上で喋っては駄目だ、舌を噛んでしまった。
「やはり我が愛馬見掛け倒しでは無かったようだ!」
暫く走っていると荒野に開き
小川を見つけたので一旦休憩する。
馬を休ませ、うとうとしていると朝日が登って来た
キラキラ輝く朝日に
今日初めて違う世界に来たんだと実感した
成宮 弥生 18歳であった。
「まあ、アメリカもこんな感じか。」