正攻法って何?
θ
「これは....」
「これで中堅.....」
厳かな風体の大きな建物
これが冒険者ギルドだ。かなりでかい
最上級の、ギルドはどれくらいでかいのだろうか、
「い、行くぞ」
「ああ」
ギィイイと扉を開けると中は活気のある酒場のようになっている。
一番奥の受け付けまで向かうと綺麗なおばさんの受け付けと
綺麗なお姉さんの受け付けと
綺麗?なちびっこの受け付け?があった
もちろんお姉さんの方へ行ったが下心は無い
「あのー冒険者ギルドに登録したいんですが受け付けはこちらでよろしいですか?」
「すいません、登録は右のカウンターになっております。」
ゲッちびっ子かよ仕事出来んのか?
「あ、ありがとうございます」
そう言うと右のカウンターにトボトボ歩く
「登録はこちらと聞きまして、」
「はい!2人分でよろしいですか?」
年相応の無邪気な営業スマイルだ可愛いと思うが年齢が低そうなのでストライクゾーンをかすりもしない
所詮幼女だ。
「失礼なことを考えていますね?そんな顔をしていますよ?」
「人の心が読めるのか!?そんな魔法ずるいぞ!?」
ピキリと音を立て青筋を浮かべる。
「いえいえ経験ですよ。冒険者登録の方は皆奥のカウンターに向かうんです。こっちの方が近いのに、何故なんでしょうか、」
これは答えのわかっている顔だ
だって頬が痙攣しているじゃあ無いか、
「なあ、お嬢ちゃん俺は登録出来ればいいから、早くしてくれ」
会話に割って入ったのは黎弥、
こいつはあんまり何も考えて無いからな、
うん、馬鹿だ馬鹿
美人の方がいいに決まってる。
「わかりました、でもそちらの方は不服そうですね。やはり大人の綺麗な女性で無いと受け付けはダメなんでしょうか?」
俺の露骨な態度に不満がある受け付け
ここは、ビシっと言ってやろう
「ああ駄目だね!!!俺は冒険者には美人さんの受け付けしかいないと思っていたからな!!俺の期待を返せ!!俺の夢が希望がこんなちびっ子に.....」
「ち、ちびっ!?ああ、もうダメ私の琴線に触れた言っては行けないことを言いやがった!」
「おい、早くしろ。受け付け出来るなら別いいだろ見た目よりしっかりしてそうだからな」
そう言ってほっぺたをつねり合う2人制止する黎弥
お前には男子高校生としての矜持がないのか?
中二病の癖に真面目なこと言うんじゃねぇ
「むぅ、わかりました。こちらとしても不服ですがそちらの紳士な魔術師様に免じて登録してあげます。金貨2枚ですね。」
そう言うと出した金貨2枚を持って一旦カウンターの奥の部屋に入り登録用紙の様なものを持ってきた
「こちらに名前を描いて血版を押すだけです。」
「真名が必要か?」
そう言ったのは、もちろん黎弥だ
「実名でなくても構いません。嘘か調べる方法がありませんので」
分かったと言い名前を書く黎弥
おいおい誰だよ【紫電】ってお前は黎弥だろ
「我が真名を知ることはなんびとにも許されん」
だそうだ伊玖磨くん
俺はナリミヤと書いた
「こちらの印に血版をお願いします。」
針で指を刺す訳だめっちゃ怖い
現代日本で血版なんて笑われるぜ、
まあ、チクッと刺すだけだ
刺してみる
チクッ
「あれっ?」
少し血が出るがすぐに塞がる
「あ、」
そうだった俺には超回復があったんだ忘れてた
結構深めに
「エイッ」
グサァアアアア
「ホォアアアアアアア!!!!」
恐らく親指の半分くらい刺さっただろう死ぬ、
ケラケラ笑うクソちび
「笑うんじゃねえ、、クソちびィ!」
吹き出る血を押さえずそのまま紙に押し込む
「ウオラァ!」
ハアハア終わったぜ!
気付くと傷は塞さがっていた。
あと、黎弥も若干引いていた。
「お、俺あんなん無理」
まあ、そうだろう俺もやりたくてやった訳では無い
「ほら、もう治ってるよ、俺の場合すぐに治るから深く刺さないと血版出来ねえしな」
「う、嘘っ!?凄い!」
なんかちびが騒がしいが華麗にスルーだ。
高校生の余裕と言うやつよ
まあ、黎弥も終わった見たいなので帰るとするか、
「掲示板でも見て帰ったら?行けそうなのあったら行けば?」
もうタメ口だ、ふざけやがって
俺にだけ
「受けられないクエストとかあるか?」
「適正ランクっていうのがあるけどそれに合わないクエスト受けて死んでも自己責任らしいから。ランク高い受ければ?」
「それは遠まわしに死ねってことだろ?」
「ランクって、何から何まであるのだ?」
良し黎弥お前がいると会話になるぜ!
「えっと、ランクはですね、G~Sの八段階になります。Gは基本、期間内に一つもクエストを受けなかった場合の再登録が必要になる際にGランク冒険者と言う方が相手の面子が保たれますので」
わ、わかりやすい
「つまり俺らはFからか?」
「そういう事になります。質問は以上ですか?」
「ああ、もういい、」
話は終わった見たいだ。
「掲示板見てから帰るわ、バイバイ」
「早く帰えれ」
うわぁ上司に言いつけんぞ接客がなって無いってな
そのカウンターのすぐ横にある掲示板を見る。
色々な依頼があった。
「やっぱり報酬は低い物ばっかりだな、高くて銀貨70枚ってところか、サイクロプスとかやっぱりいるんだな」
サイクロプス討伐依頼の貼り紙に目をやる
「お、おい、ナル!」
黎弥が俺に手に取った貼り紙を見せてくる
「さ、さんぜ、3000枚?金貨3000枚だって?そんなん暫く食っていけるぞ、な、内容は、」
討伐依頼 厄災竜 カラミティ・アイリス
うん、これあかん奴
「カラミティ・アイリス....」
「おい、受けねぇぞ?解るだろ、じょうし....」
常識的に考えてと言おうとしたが愚問だったな。
「受けよう。これは人生最大の決断だ」
前にも聞いたよ?その言葉
「カラミティ・アイリス、あまりに美しい鱗や牙からそう名付けられた、奴が生まれてから4000年以上経つと言われておる、つまり4000年倒され無かった竜だ、数え切れない人が死んだだろう、それを受けるのはそういう事だ」
後ろから、しゃがれた声の老人が出てきて俺達に注意を促す
「受けるなって事か?老人、」
「老人、フォフォフォ一応ここのマスターなんじゃがなぁ、」
「だが、その忠告は聞けない、俺が大義名分無しに冒険者になったと思うか?違うなこれで散るなら本望だ」
θ
ほんで今、岩陰から500mくらい先のカラミティ・アイリスの、動向を伺っている訳だ
まあ、いつも結構折れちゃうからな
付き合うことになった
「そろそろ行くか、」
そして目を瞑った【紫電】
この前の感覚を思い出す
黄色に光る両手
黎弥がカッと見開き魔力を地面へ打ち込む
「顕現せよ!!!!雷の王ライトニング!!」
そして俺達は、ライトニングが顕現すると同時に走り出す!!
逆方向に!!
「頼んだぞ!ライトニング!!」
俺らはライトニングが見えなくなるくらい先まで走った
でも轟音は耳を劈く
竜の咆哮が聞こえた殺し合いが始まったのだろう
暫くして音が聞こえなくなりライトニングが帰ってきた、
そして一応ライトニングと一緒に見に行く
戦った場所はカラミティ・アイリスが住処とする広大なお花畑だ
そして今日4000年の生涯に幕を閉じた。
ライトニングが御冥福を祈るポーズをしている
カラミティ・アイリスは恐らく感電死したのだろう。
状態がとてもいい、でもこれどやって持って帰るのだろう
「ライトニング!!担げ!」
黎弥がそう言うとライトニングは渋々担ぐ
「なるほどー。」
よし、街へ帰るぞ。