018『対戦 防人VSアリス』
「んんっ……着いたかな?」
意識がハッキリと戻るのを感じつつ、防人はゆっくりと目を開けるとまずは自分の姿を確認する。
場所は試験の時と同じ鉄の格納庫のような場所で服も同様に機体の動作補助を行うラインド・スーツを身に付けていることも試験の時と変わらないようだ。
当然と言えば当然だが。
『それではGWを展開します』
確認している間に時間が来たようで彼の体は光に包まれていき、フリーダム・フラッグが試験で選んだ武装を身に付けた状態で展開される。
「うん、やっぱり近接型はいいなぁ~」
防人は腰の刀に触れつつ念のために、と自らの感覚を確認するものの特に試験の時と差異はないようで動きに違和感などは感じられない。
とはいえ今回は試験の時とは違い一対一の勝負。
試験の時のように多数の敵相手に混乱することなく一体に集中できる。
『それでは両者、カタパルトへ』
「よっしゃ、いくぞ!」
防人はこれから始まるというその雰囲気に心の底からワクワクしながらカタパルトに搭乗すると視界には対戦のルールが表示される。
≪対戦 タイマン戦≫
《勝利条件》
相手プレイヤーのHPをゼロにする。
《敗北条件》
自分のHPがゼロになる。
内容を確認し、防人はモニターの『OK』に静かに触れると再び放送が流れ始める。
『両プレイヤーのカタパルトの搭乗を確認しました』
放送後、目の前に存在する出撃のためのハッチが音を立てて開いていき、対戦開始までのカウントダウンがスタートする。
『時間です。出撃どうぞ!』
「防人 慧……行きます!!」
カウントダウンが終わり、防人の声に反応しカタパルトが稼働する。
「うぅっ!」
――試験の時とは全然違う。……五感を再現してるとか言っていたけど、言われてみれば確かにさっきよりも体に来るGがきつい気がするなぁ。……でもまだまだ大丈夫だ。
防人は顔をしかめながらも試験と同じ様に加速リングをくぐり、高い速度を保ちつつ個室から外へと飛び出す。
空中に浮かんでいた出撃地点は光となって消え、防人は視界に表示されたミニマップへ注意を向ける。
――さて、アリスさんはどこにいるのかな?
「――っ!?」
速度が低下し、体勢を整えるよりも早く身に付けているGW『フリーダム・フラッグ』が警告音を鳴らし、攻撃の知らせがバイザーに表示される。
そして間もなく、防人の左脚部へと弾丸が直撃する。
「――なっ!」
――攻撃!? 一体どこから?
防人は慌てて回避行動を取りつつ近場の森の中へと着地すると腰の小太刀から手を離してマップを大きく表示し、敵機の正確な位置を確認する。
――他のゲームとかと違って位置が分かるのはいいけど……結構、距離が……あぁそっかアリスさんは狙撃タイプのやつを選んでるんだっけ。
「ん~どうしたらいいのかな?」
――ただ突っ込むだけじゃ多分狙い撃ちされるだけだし、ここはステルスゲームっぽくこそこそと……ゆっくりこっそり近づいて後ろからスパッ、て感じで
「……でもそれはさすがに真剣勝負を汚すみたいなことで怒られるかな?」
――いや、でも流石に飛び出したりしたらすぐに気づかれるだろうし、そもそも無理か?
「……ここはやっぱり銃弾を避けながら飛んできた方へ飛んでいって……戦うって感じにしよう」
ブツブツと呟きながら大きく深呼吸を行うと腰の鞘から小太刀を引抜くと空へ飛び出した。




