161『胸と水着と油』
手渡された水着、ビーチサンダルを履いて、海岸へ。
とはいえやっぱり恥ずかしさには勝てず、パーカーを羽織り、出来るだけ肌の露出を減らそうとする。
しかし、パーカーはめだか達が用意したもの。人工乳房の存在も相まって、むしろ体のライン──特に胸元が強調されてしまっていることに防人本人は気付いていない。
「慧く〜ん! こっちだよ〜」
時間をかけてしまった事もあってか既に皆も着替えが終わっているようで、風紀委員メンバーは既に海の家に集まっていた。
因みに生徒会の2人は昨日の海の家の建設時と同様、パラソルの下で寛いでいた。
「それじゃまた後で」
「えぇ、先にリリスちゃんと準備してますわ」
風紀委員の会議の最中、めだか達はビーチでの準備のために一旦別れ、防人は海の家へと入っていく。
1テーブルにつき6〜8人ほどが座れるよう作られたベンチ。
一方の席には日高 竜華、千夏 千冬、本間 白石の3人が並んで腰掛けており、もう一方のベンチには彩芽 紅葉が腰掛けている。
「おまたせしました」
防人は謝罪しつつ、ベンチに腰掛けようとする。
各テーブルの感覚を広く取るためか、ベンチとの距離が少しばかり狭く、跨ごうとも思ったが、今の格好を思い出し断念。
席の端から横移動をして腰掛ける。
その際、反動で人工乳房が大きく揺れた。
「ん、何?」
「いや、なんというか……本当、同じ男とは思えないっすね」
ふと、視線を感じ顔を上げると向かいに座る白石と目が合う。
もの言いたげの表情をした彼に防人は問うと、白石はハッと我に返ったような反応をしたかと思えば、苦笑混じりにそう言った。
「え、なにそれ。もしかしてバカにしてる?」
「そんなつもりは無いっすよ。ただこうやって女子にしか見えないっていうのは、なんていうかすごく変な感じなんすよ」
「ふぅん、なるほどね」
それはわからなくはない。
衣装に化粧にウイッグ。緻密さと繊細さが施されたそれらによってめだか達に作り出された『防ちゃん』という女性像は防人にとって自分ではない自分。とでも言うべき存在である。
記憶を共有し、感覚を共有し、見ている景色さえも同じでありながら、自分とは異なる感想を抱くもう一人の自分という存在。
これは異質であり、異常であると言えるかもしれない。
しかし同時に当たり前であると受け入れている。
二重人格に近い、かもしれない。
例えばこの人工乳房。
こうして目線を下げればそこには谷間があり、胸があるという事実。これは防人にとって強い違和感を覚える存在である。
しかし、女性である防とってそれは正しいものであり、そこにあって当然のものなのである。
もちろんその人工乳房の大きさはめだかのその時の気分によって左右されることになるが。
防人と防ではそれに対する感想が異なるのだ。
現にこうして肌を晒して皆の視線が刺さる事に気恥ずかしさを覚えているのに対し、白石がこうしてチラチラと胸元を見ている事にはむしろ谷間を強調し、さり気なく見せつけてやろうという悪戯心が湧いているのだから。
「ところで、竜華さん。これからどうするんですか?」
少しわざとらしかっただろうか?
前屈みになり、目の前の谷間を強調しつつ揺らしてみる。
気恥ずかしさが無くなったということはないし、今なお恥ずかしいが、白石の反応はそれ以上に面白かった。
なによりまず目線が凄く分かりやすい。本当に分かりやすい。
女の子が胸を見られるのを気にしたりっていう話はなんとなく眉唾だと思っていたが、こうまで目線が下を向くものなのか。
何なら顔も傾いてしまっている。
「そうだね。さっき先生も言っていたけど、とりあえず午前中は自由行動だね。それで午後からだけど……」
説明の途中、配られたプリント。
それに目を通すと要望があったという、様々な遊びが一覧になって示されていた。
ビーチバレー、ビーチフラッグ、スイカ割り……他にも海での遊びといえばコレだと思い付きそうなレクリエーションが『自由に遊べるもの』『道具を必要とするもの』『設備等を必要とするもの』と項目別に分かれており、更に『昼間』であるか『夜間』であるかと細かく分かれていた。
「『設備が必要なもの』に割り振られている遊びの中でも意見が多かったダイビングやパラセーリングなどを行っていこうと思ってるんだけど、これらは流石に私達だけだと難しいので先生達に頼ることになります。先生も、それで大丈夫ですか?」
「あぁ……既に治直とも話は済ませてある。必要があれば呼んでくれ」
「ありがとうございます。じゃ、そういうわけだけど……何か質問とかあるかな?」
「じゃあ……」
「慧くん、何かな?」
防人は小さく手を上げ、当てられた際に改めてプリントに視線を移す。
水上スキー、ヨット、カヤック、フライボード……トレジャーハンター、肝試し、サバゲー……。
様々なレクリエーションの名前がビッシリと一覧表になっており、どう考えても残りの日数でこれらを終わらせるのはどう考えても不可能としか思えない。
「あの、これだけの量をやるってなると午前中もやったほうが良いんじゃないかな? って思いまして」
「あぁもちろん全部はやるつもりはないよ『設備が必要なもの』で一覧表の名前の下に線が引いてあるやつがあると思うんだけど……これを私達は体験しようって考えてるんだ」
「なるほど……ありがとうございます」
「ん、他には誰かあるかな?」
「体験するやつの、この決め手は何?」
「まず、生徒たちからの要望が多かったもの。その中でも実際にここで行えるものを彩芽が厳選したんだよ」
千冬からの質問に答える竜華。
「ん、了解……」
「ん、他には……なさそうかな? それじゃあ最後に、先生たち2人のどちらかに付いて、色んなレクリエーションを体験してもらう事になるんだけど、この下見の最終日までに経験したそれぞれの感想をレポートとして提出して欲しいからお願いね。プリントの裏が記入欄になってるから。それじゃ早速、海へ行こうか」
みんなは各々に返事をし、浮き輪などを持って海へと向かう。
「ん、とっ……」
海の家から一歩、外に出ると照りつける夏の日差し。
防人は強過ぎる日の光に眩しさを感じ、目を細める。
海からの風もあり、程よく涼しさを感じていたはずなのに、既に肌からは汗が滲み出始め、出るのを躊躇ってしまいそうになるが、待ち構えていためだか達がそれを許してくれなさそうだ。
「防ちゃん、こっちですわよ」
「お姉ちゃん早く早く」
「分かった。分かったから、引っ張らないで」
普段履き慣れないビーチサンダル。足場も砂浜で決して良いとは言えないなか、両腕を引かれてしまえば体勢を立て直すのは困難。
防人は何度かバランスを崩しながらも彼女達についていくとパラソルにレジャーシート、クーラーボックスにキンッキンのドリンクと、完全装備で準備万端な状態であった。
「それじゃあ防ちゃん。お願い」
早速と、めだかはカバンから取り出したサンオイルのボトルを手渡すとシートの上でうつ伏せに寝転んでしまった。
「はっ? あ、いや……何を?」
「何って、サンオイルを塗って欲しいのですけれど、構わないかしら?」
構うか構わないかと問われたならば当然構うのだが、女の子の身体に触れるなんて真似は、流石に……。
というか、わざわざサンオイル塗る意味があるのだろうか?
愛洲めだかの身に付けている水着はモノニキと呼ばれる種類で肌の露出はかなり抑えられているし、露出しているウエスト部分なども薄い布地が使われ透けているという表現が正しく、正確には露出していない。
「いや、その……僕がオイルを塗る必要ってあるんですか?」
完全に露出していると言えるのは腕や脚くらいのもの。
それなら別に防人がわざわざ塗らなくても自分で塗ることが出来るはずである。
「当たり前ですわ。お肌の大敵である紫外線は布地を貫通してくるんですの。だから、このUVカットのサンオイルでしっかりとカバーしなくちゃいけないんですわ」
「そうなんですか?」
「そうなんですの。誰だって肌を焼きたくても日で焼けたくはないんですのよ。ほら早く」
「いや、そうじゃなくて、僕がわざわざ塗らなくても自分で出来ると思うんですけど」
「それは防ちゃんに塗って欲しいからに決まってますわ……ほ〜ら、早く♡」
「いや、そういうのは2人に任せ──」
「ん〜ちょぉと私、熱中症気味かもぉ?」
「うん。日に当たり過ぎちゃったんだろうね〜、ちょっと目眩もするかな」
「私も、頭が痛い気がする〜」
わざとらしい。
防人が2人へ視線を向けるとビーチベッドに腰掛けながら、明らかに演技であると分かる口調で突然、喋り始める。
そして水分補給と言いながら徐に2人の間に置かれたテーブルのドリンクを手に取るとストローを咥えた。
うん、吸ってすらいないね。
せめて飲むふりくらいはしろよ。
グラスに注がれたドリンクの色が透明なストローを伝っていないことに、大きくため息をついた。
「はぁ〜……分かりました」
諦め、視線を戻すとめだかの隣にリリスも横になっており、『私も』というキラキラとした眼差しを向けてくる。
二重で防人は諦めつつ覚悟を決める。
受け取ったボトルからオイルを少し多めに手に取り出し、軽く擦り合わせると両手で揉むようにして温める。
(こんなもの……いや、もう少しかな?)
冷たいものを擦り付ける性癖でもあるの? と、海へと連れて行かれた際、湊に散々になるまで言われた時のことを思い出しながら出来るだけ人肌に揉み込んでいく。
智得先生はともかく、湊にサンオイルを塗るなんて経験は一度たりともなかったが……。
「防ちゃん? まだですの?」
「あぁすみません」
防人は手に付けたオイルをゆっくりと垂らし、めだかの肌に馴染ませるように、かといって薄く広げ過ぎないよう気を付けながら手を動かしていく。
「あ、防ちゃん水着の上から塗ったって意味無いですわ。ちゃんと直接塗ってくれないと」
「直接って」
「もちろん水着の下から手をいれて肩の方まで……」
「えぇっと……マジで言ってます?」
「マジですわ」
「いや、でも……水着が伸びちゃうんじゃ」
「大丈夫。伸縮性バツグンの素材ですから」
「そう、ですか」
「さ、それよりも早くお願いしますわ」
「クッ……ぅぅ……」
──なっさけねぇな。ガシッとやってパッパッと済ませちゃえよ。
「(簡単に言わないでくれ、結構キッツイんだぞ。色々)」
頭の中に聞こえてくる言葉に防人は胸中で返事をする。
──んなこときにするなって。さっさとやってのんびりしようぜ。
「(いや、でもなぁ……)」
──リリスを持たせるつもりなのか?
「ぅ…………」
それを言われると、弱い。
防人は改めてオイルを手に馴染ませると覚悟を決めてめだかの背に直に触れる。
「んんっ!」
「えっ、あ、何?」
「いえ、少しキツくて」
「あぁすみません」
防人は体勢を低くしていき、出来るだけめだかの背に自分の腕が水平になるように気を付けながら塗り進めていく。
なんかこれって上から覆い被さっているようにも……いかん考えるな!! 感じろ!!
いや、何をだよ!? 何を感じればいいんだ??
駄目だ。ダメだダメだ! 落ち着け、そう。ゆっくりと無心で、ただ手を動かして塗るだけでいいんだ。
「あぁ、良いですわ……んぅっ……あぅ……」
ちょっ! へ、変な声出さないで下さいよ!
水着の隙間から手を入れて、苦しくないように……。
となると流石に下からというわけにはいかないので、どうしてもおかしな体勢になってしまう。
よって防人の顔は必然的にめだかの顔に近づくことになる。
オイルで肘のあたりまで濡らしながらも彼女から伝わってくる温かい肌の感触は妙に心地よく、めだかが気持ち良さそうにしている事は分からないではない。
だが、耳元で吐息が漏れているのを聞くのは男の子として非常に良くないのも事実である。
「お、おしまいです!」
防人は早々に切り上げるとリリスの方へと移る。
めだかはまだ物足りなさそうにしていたが、防人はそれに気付かないふりをしながらボトルからオイルを少し足すと手で揉み込む。
めだかの水着と比べるとリリスの水着の布面積は少なく、オイルも塗りやすい。
「あはは……くすぐったい!」
来ている水着もそうだが、反応も落ち着く。
むしろこう、擽ってやりたくなる。
「こちょこちょこちょこちょ!」
「あはははは!! お兄ちゃん、やめっ止めて〜!! あはは!」
「楽しそうですわね……」
2人のやり取りを見て、ムスッとした表情を見せるめだか。
「防ちゃ〜ん、前側もおねが〜い」
「いや、流石にそちらは手が届くでしょう?」
防人は流石にそっちを触るわけにはいかないと冷たく引き離し、背中の露出した部分にオイルを塗り終えるとリリスを起き上がらせる。
彼女の腕に手に残ったオイルを塗り付けるとリリスへ両手をお皿のようにするように指示し、オイルをその手に出してやる。
「わ、冷た~い」
「ほら、手でこうやって少し温めて馴染ませたら、脚に塗っていくんだ」
「ヌルヌルで変な感じ」
そう言いつつもリリスは楽しそうにオイルを広げ、伸ばしていく。
納得がいっていない様子のめだかであったが、「いけず……」と小さく呟くと諦めたようでオイルが足りていない場所を塗り始める。
「あ、あの……」
声を掛けられ、振り返るとそこには可愛らしいデザインの水着を着た星那の姿があった。
「やぁ、星那。おはよう」
「あぁおはようございま──えっとアンタ誰?」
「え? あぁ……どうも防ちゃんです。よろしく〜」
はじめまして。と女の子らしく、をイメージしながら手を振る防人。
それに対して星那は見たことのない初対面の相手が気軽そうに接してくる事に緊張した様子を見せながらも自分で『ちゃん』付けをしている目の前の相手に嫌悪感のある表情を見せる。
「あ? あぁ! ケイか!?」
防ちゃんが誰であるのか分かったらしい。
星那は驚愕の表情を見せながらもどこか感心した様子で防人の女装姿──防ちゃんの出来栄えをマジマジと観察し始める。
てっきり『気持ち悪い』とか何かしらの罵倒が飛んでくるものだと思っていた防人は違う意味で驚かされる。
「へぇ〜凄いもんだな。マジで別人みたいじゃん」
その声に嘘は感じられない。
完全に本心からの言葉であり、心からの感嘆であることが感じ取れた防人はバレた時の星那からの反応を恐れ、女性らしく振る舞って誤魔化そうとしていた自分自身を強く恥じ入る。
「この髪はカツラか。化粧はよく分かんねぇけど、全然別人みたいになれんだな」
正直なところ、女装は恥ずかしさもあるが、少し怖かった。
風紀委員の皆、めだか達……植崎などはともかく、他の人──生徒たちが一体どんな反応をするのか分からない以上、男であるというのがバレるのは出来るだけ避けたかったのだ。
心無い言葉、蔑みの視線。
そういった負の感情というものは否が応でも伝わってきてしまうというもの。
気の強い星那にバレた時、真っ先に否定されると思っていたが、どうやら早とちりであったようで、防人は安堵するとともに彼女を一瞬でも疑った、信じることが出来なかった事に恥じ入るばかりである。
彼女は防人慧の機体『光牙』を整備してくれる仲間であるというのに。
(……ごめんね)と防人は胸中で強く謝罪する。
因みに防人は『めだか&喜古の防ちゃん生写真』が主に男性の間でかなりの評判を博しているのを知らなかった。
「なぁ胸は? 胸はどうやってるんだ?」
「あぁこれは……」
ここまで来ると女装していることに恥じらっているのがバカらしくなってくる。
防人はパーカーのチャックを下までおろすと、胸元を露出させ、水着姿を露わにする。
「おぉ、スゴ……本物みたい……」
反動で大きく揺れる人工乳房。
星那は胸の出来栄えに改めて感心した様子で観察を再開。
どうやって引っ付いているのか。と防人に説明を求める。そして、触っても大丈夫か。と防人に問いかけ、彼からの許可を貰うとそれじゃ……と彼のおっぱいを揉みしだく。
ふにゅふにゅ、と真剣に揉んでいるその様子は防人からするとなんとも奇妙な光景であり、おかしな感覚であったが、ジッと星那が満足するまで待っていると、それほど経たずに彼女は胸から手を離した。
「ん、もういいの?」
「あぁ……やっぱり作り物は作り物だな」
人工乳房はより本物に近付けるための技術が織り込まれており、本物と同じように何層にも渡る硬さの異なる疑似皮膚構造と接合部分のクッション機構によってその揺れや形は見事の一言である。
しかし、あくまでも似せているだけであり、実際に触ってしまえば、所詮はただのシリコンの作り物である。
そしてその構造を見抜いているらしい星那の説明は真剣そのものであり、そこは職人気質である父親『治直先生』の血は争えないといったところだろうか。
「あぁそういえば、何の用だったんだ?」
女装の出来栄えやらおっぱいやらで話が脱線していた事を思い出し、防人は確認のため星那に問いかける。
「あぁ……いや、別に何かあったわけじゃないんだけどな」
チラチラと、何かを見るような目線の動き。
防人はその先にあるものがサンオイルのボトルであることを突き止めると塗ってみるか確認すると星那は嬉しそうに頷いた。
ボトルを使ってもよいか、めだかに確認とると化粧の出来栄えを褒めていた事に気を良くしたのか、少し誇らしそうに、承諾してくれた。
リリスの水着。
いわゆるビキニタイプの水着だが、先日ショッピングモールにて購入しようとしていたものとは異なり、彼女の見た目に合ったデザインのものを着用している。
決して色気など大人びた雰囲気や背伸びをした感じはなく、シンプルながらも可愛らしいデザインの水着は共に購入した透明なワンピースによって際立たされており、めだかによるコーディネートの素晴らしさが伺える。
対して星那の水着は地味だ。
可愛らしい装飾などはなく、シンプルイズベストを地で行っている。
もちろんそれが似合っていないとか、ダサいというわけではなく、泳ぐための機能美を追求した結果。といえるだろう。
ある意味、職人である星那らしいともいえる。
「よし、終わったよ」
「ん、ありがと」
背にオイルを塗り終わり、リリスと同様に星那の手にもオイルを垂らす。
どうするのか困っていた様子であったが、防人が説明するよりも早くリリスが教え始めたので問題はないと判断。防人は汗を掻いても良いように、と首にかけていたタオルでオイルを拭い去る。
そして、何故なのか。
4人目。
もう既に横になっている時点で塗って貰う気満々なのは察せられる。
「済まない。私も背中まではなかなか手が回らなくてな……」
日焼け止めを手渡され、防人は半ば諦めの極地の中で手に出したクリームを塗り拡げていく。
弩智得こと、智得先生。
胸元からヘソ近くまで大きくV字の切り込みが入った水着はビキニなどと比べると露出が少ないように見えて胸元など、かなり際どいデザインとなっており、長身で鍛えられたボディラインを強調し、大人の魅力を出している。
大きく開いた背中にクリームを塗り終わると、次はオリジアと逢坂の2人がスタンバっていた。
……もうここまで来るともはや女性の肌に触れる事に対する抵抗などは薄れ、背中にオイルを塗るという作業をしている気分になってくる。
油なのに、手がふやけそうだった。




