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【 WEAPONS・GEAR(ウェポンズ・ギア)】――高校生編  作者: 満天之新月
第5章 学園之行事(ヘイムダルズ・イベント)
148/253

番外 02

第一戦――とんがりコーンタワー早積み勝負。

ルールは簡単。

30秒間、土台となるとんがりコーンに次々と重ねていき、どちらがコーンタワーを高くできるかを競う。

また、途中でタワーが倒れた場合、倒した方は一からやり直しとなる。

「よーい、スタート」

これが簡単なようでこれがなかなか難しい。

底の穴がちゃんと空いているものやピンとまっすぐに伸びているもの。

それを素早く手に入れてつんでいかないと手詰まりとなる。

かといって急ぎすぎるとコーンが割れてしまうこともあるので慎重にいかないといけない。

結果、なかなか思うようにいかない防人は一勝二敗で負けてしまった。


「ふふふっ(わたくし)の勝利ですわ」

「くっ、負けた」

「さぁて罰ゲームですけど……」

「え? 聞いてないんですけど」

「だって言ってないもの」

「じゃあ、無効ですね」

「そんな~~」

「事前に言っておかないのが悪いんですよ。あらかじめ何をするのか決めておいてそれならお互いの承諾を受けた上で勝負をする」

防人はお菓子で渇いた喉をコップに入ったお茶で潤して続ける。

「少なくとも僕ら三人がゲームで勝負するために決めておいたルールぐらいは守ってくれませんと」

「ぐぬぬ……」

「それじゃあ次は僕の番ですね……ん~とは言うもののお菓子でゲームなんてなかなかしないしなぁ……あぁそうだ」

防人はとんがりコーンの中から形が悪く倒れやすそうなものを10個、選び取るとそれを広げたポッキーの空箱の端の方に三角形の形になるように並べるともう反対側を少しだけ持ち上げて少し急な坂を作り出す。

「防ちゃん……これは?」

「ボーリングです」


第二回戦――チョコボーリング


箱に入ったチョコボールの中から1つを選び取り、坂の頂上からそれを転がしてどちらが多くコーンを倒せるのかを競う。


「一人2投まで、計三回勝負です」

「ふーん面白そうね。それじゃあまずは罰ゲームを決めましょうか」

「ちぃ」

このことを忘れさせることは出来なんだか……。

防人は残念に思いつつ、めだかへの罰ゲームを何にするか考える。

「ん~そうねぇ。何にしましょう?」

「ん~なんかあるかな?」

防人は袋を覗き、小さな包装を取り出す。

「おぉいいものあるじゃないですか」

「ん、あぁそれ」

防人が取り出したのは食べたら舌の色が真っ青に変化するガム。

「あぁそうだ。めだかさん。もしこれで負けたらこれを食べてください」

「食べるだけですの?」

「いえ、それからしっかりと青くなったところで舌を出して変顔をお願いします」

「いいですわね。罰ゲームぽくて……それじゃあ私は……これの返品をお願いするわ」

「返品……え? これって」

防人は袋からめだかが取り出したものを見て顔を引きつらせる。

めだかの取り出したものは女性の生理用品。羽根つきタイプ。

「……マジで言ってます?」

「えぇ、マジで言ってますわ」

「いやでもこういうのは多いにこしたことはないですから、いいんじゃないかな?」

「これは余分に買いすぎてしまった分ですから十分にストックはありますわ」

「いや、でもさすがにこれを返品しに行くのは……男ですし」

「じゃあその格好で行くことは許しますわ」

「え、つまり最初は男の格好で行かせるつもりだったんですか?」

「だって罰ゲームですもの。そういうのは最大限まで高めないと……」

「ん~でもなぁ」

「分かりましたわ。それじゃあ私が負けたとき変顔を写真に納めてもらって構いませんわ。なんなら一発芸もしますわよ」

「…………。」

まさかわざわざ自分のハードルを高めていくとは……。

そこまで言われてしまっては男として引き下がるなんて出来るわけがない。

いや、別に引き下がってもいいけど、何か負けた気がする。


「分かりました。それじゃあその条件でいきましょう」

「ふふん、それじゃあ――」


勝負開始。

チョコボールを箱の中から選び、転がす位置を決めて手をはなす。

ボールが綺麗な球体でないために大きくカーブしたりするものもあってなかなかコーンを倒せない。

端から見たら地味だが、防人もめだかも真剣に取り組んでいる。

ボールの形からカーブの角度、どう転がっていくのかを考える。

そして結果――







防人は敗退した。

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