表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹が異世界で覇者になるらしい  作者: 翠架
始まりの地:聖都アルヴェトラ/魔国ヴェドマニアの辺境の森
10/17

第10話 兄

流石に何十分も話していたせいか、すっかりスープが冷めてしまっていたので温めることにした。


そこらにあった石を組み、落ち葉や木の枝を集めて赤い妖精…つまるところの火の妖精に頼んで火をつけてもらう。エメラドが驚いていたが、緑華としては火の妖精に頼めばコンロ要らずなのでは、と言う考えに捕らえられてあまり気にしなかった。

キャンプ鍋でないから、あまり加熱しすぎると破損の心配があるのだがこの際仕方ない…と思っていたが火の妖精に頼んだら中火程度で火の大きさを保ってくれた。


半透明なスープにふつふつと気泡が浮き出てきた頃に、なにかかき混ぜる大き目のスプーンなど無いかと聞いたら、エメラドが長さ三十センチほどの木製のスプーンと器を何処からともなく取り出した。

周りにいた妖精たち(三十匹ほど集まってきた)も、いつの間にやら最初の三匹のように小さなスプーンを用意している。



「なあ、気になってたんだがそのスプーンとかはどこから出しているんだ?」

「ああこれ?これは妖精魔法…人間の言う精霊魔法よ」

「いやまずその精霊魔法とやらからしてわからないんだが…」

「あ、そうよね。精霊魔法って言うのは各種の妖精が使うことのできる固有の魔法よ。ここにいる殆どが木の妖精だから、小さい者でも草木で何かを作ったり、植物の成長を促進させたりすることが出来るわ」

「ああ、さっき火の妖精に頼んだのも同じ様なその…精霊魔法?ってやつか。じゃあそこにいる青い妖精は水の妖精で水を扱えるって事か?」

「貴方、水の妖精も見えるの!?」

『みえるのー?』

『みえるのー!?』

「……見えてるけど?」

『みえてるのー!!』



各種一、二匹程度しか居なかった緑以外の妖精がヒシッと緑華の頭に抱きついてきた。赤青黄色茶色水色…多種多様な色である。


エメラドがあんぐりと口を開けて驚いていたがどうかしたのだろうか、と思っているうちにスープが沸騰した。


ふわりと香るコンソメの匂いに、緑華のお腹はもう一度なったのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ