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始まり
私はその男に返す言葉も出ないまま、固まってしまった。余りにも非現実過ぎる言葉に戸惑いと漠然とした不安が襲ってきた。
ただ、息子達が帰って来てない事は事実なのである。
「私は一体どうしたら‥」
タケイは戸惑いを見せる私をよそに話を続けた。
「非現実的だと思ってらっしゃるでしょう。でも、案外マダムの真実だと思っている事が嘘だとゆう事もあるのですよ。話が少しそれてしまいましたが、今からマダムをお子さんの所へ連れてってあげますよ。真実はその目でお確かめ下さい。」
そうゆうとタケイはポケットから小さな銀色の球体を出した。
「お子さんと会えた際には報酬の件についてお話しさせて頂きますので、宜しいですね。」
「お金なら一生働いても払いますから、どうか息子達の所へ連れてって下さい!!」
自然と私の手はタケイの腕を強くつかんでいた。それを聞いたタケイはニヤリと頷き、
球体を私の目の前に差し出した。
「少しの吐き気は我慢して下さいね、マダム。」
その言葉を聞いた瞬間私はその球体に吸い込まれたのだった‥‥。