私のせいで……大切な勇者……大好きな彼が……大怪我を……
私の大切な勇者……大好きな彼……女神である私が彼を転生させ……彼は沢山の魔王を倒してきた。
でも今回の相手は大魔王……
私の精一杯のエナジーを与えても、相打ちが限界だったみたい……
あなたは死なせない……私が守るんだから……
私はいま……大怪我をした彼を回復していた。
暫くして、ベッドで寝ている彼が目を覚ました。
良かった……本当に良かった……
私は彼が無事だったことに安堵した。
「気がついたのね……」
私の声を聴いた彼は、状況が分からず戸惑った様子だった。
「どういう状況でしょうか?」
不思議に思っているのでしょうね……
「魔王は倒したけど、あんたも大怪我したの。迎えに行ってあげたの、感謝しなさいよ」
強がって見せたけど、無理をさせた私がいけないの……あなたは頑張ったのよ……
彼は私を見つめたまま。
そんな目で私を……ダメ……もう泣きそう……
「私に能力使わせるなんて、ホント疲れたわ」
うそ…うそ……あなたの為だったら……私は何でもするんだから……
「始末書モノなんだからね、気をつけなさいよ」
これは本当の話……こっちも何とかしないと……
彼は私に向かって頭を下げ、謝罪する。
「申し訳ありませんでした」
あなたが生きててくれたら……私のもとに帰って来てくれたら……それで十分よ……
「生きてたから許すわ。同じ失敗はしないでよ。これからも私のために働きなさい」
ずっと一緒にいようね……
「あんたは私のものなんだから。勝手に死んだりしたら許さないわよ。必ず帰ってきなさい」
お願いだから無事に帰って来て……