第4章第15話〜崩落〜
「クソがっ!!」
俺はすぐさま妖怪を斬り伏せ、急ぎ大将達のいる二条城へ走っていく。あともう少しで二条城が見える位置…そう思っていると城があるであろう位置から火の手が上がっていた。
「えっ…嘘だろ…?」
俺の見えてしまった現実に己の目を疑う、だが何度も何度も目を凝らしても見えるのは大将や美香がいる二条城だ。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
俺は居ても立っても居られない感情に支配された。いやまだ間に合うかもしれない、そんな一抹の希望すら抱いていないと足が止まってしまう程に。 そして辿り着いた二条城は既に火の手が周り切っておりとても消化できたものではなかった。だがこの中には大将や美香がいるはず、俺は迷わず中に入っていった。
(いるとしたら…玉座の間!)
1番奥の玉座の間まで突っ走っていく、そして辿り着いた玉座の間には既に血塗れになってしまっている大将がいた。
「大将ぉぉぉぉぉ!!」
俺は即座に大将を抱き抱えた、少し離れた位置には奥方様がおられたが奥方様は既に息をしていなかった。
「大将っ!すぐ治すから辛抱してくれ!」
治癒魔法をかけるも傷はかなり深い、特に背中の2つの銃痕が厄介だ。
「ま…と…くん…」
「大将!喋らなくて良い!今治すから!」
「もり…もと…うら…ぎ…た」
大将が呟いた言葉に俺は愕然としてしまった、すると背後から不敵な笑い声が聞こえてきた。
「フハハハっ見事なもんだ源光一、まさか自爆をするとは思わなんだ!」
「お前…よくも大将を!」
俺は刀を抜き構える、だが奴は戦う素振りは見せずにその場にいるのみ。
「貴様ごときに私はやれないぞ?それに私の目的は既に達成したのだ、お暇させてもらうよ。」
「そうは問屋が許さねえぞ!」
「師匠!」
奴の背後から師匠が一刀斬り込んだ。その一閃は奴の背中を大きく裂いた、しかし瞬きをする間もなくその傷は治っていた。師匠は俺の側で横たわっている大将を横目で見ると僅かに目を見開き怒りの表情を露わにした。
「テメェ…よくも光一をやってくれたなぁぁぁ!」
「フフフッ…最期は私や己の妻を巻き込んでの自爆だったぞ、実に無駄な抵抗だったがな。」
奴は嘲笑うかのように大将の最期を語りだす、その言葉を聞いた途端師匠は既に奴の懐に入っていた。
「それが最期の言葉でいいんだな?」
師匠は左の刀で奴を横一文字に斬り裂いた、その一閃は俺ですらギリギリ左でやったことが分かる程度の速さだった。
「ぐおっ…2本を持っているのになんて良い太刀筋なんだ坂田充!だがここで殺すのは惜しい男よ!」
そう言うと奴は黒い煙幕を周りに焚き始め俺達の視界を奪うと、不気味な笑い声が徐々に消えていき共に奴の気配も無くなってしまった。 奴がいなくなったのを確認した師匠は燃え上がる城内で大将の遺体を背負うと。
「勝斗…光一と奥方様の遺体を持って出るぞ…合流はお前の居城でいいな?」
俺は頷き、指示に従い奥方様を背負い城内を出る。
城を出ると俺はインカムを使い全員に宇佐山城に集まることを指示した。
(美香…助けれなくてごめん…)
俺は心の底からまだ場所や安否が分からない美香に心の中で謝罪をした。




