第4章第13話〜獅子身中〜
「…随分と城内は静かですね…」
私の名前は源光一、ハンター達を纏めているネオ・プリズムの現当主。側に控えている女の子は私の妻、静子と娘の美香と文乃だ。現在私たちは長い間調査をし続けていたDr.バイケルを目の当たりにし、そのバイケルがこの京都を魔人を筆頭にし制圧すると良いその野望を阻止するべく各地にハンター達を派遣した。私のやるべき事はこの城の中で政務と各自の指示…だったのだが戦闘の指示は渡辺勝斗くんの部隊の今村遥さんが務めてくださっており、政務に集中させていただいております。
「…美香、そんなに不安そうな顔をしてどうしたのです?」
私はふと、横に座っている美香を見る、今朝は楽しそうな表情をしていましたが今は険しく何かに怯えているような表情をなさっているのです。
「お父様…いえ、ちょっと…前線が気になってしまいまして…」
「勝斗くんですか?」
「は、はぁ!?」
おやおや図星ですかな、娘の恋愛事情に首を突っ込むのはよろしくないかと思いましたが面白い表情をなさるので思わずふふっと笑ってしまいました。
「彼なら大丈夫ですよ、何せ充の一番弟子なのですから。」
「お父様、随分と充様を信頼してらっしゃるのですね」
「えぇ…私もこう見えて現役時代は充の同期で同じくレジェンドハンターでしたからね。」
美香と文乃は信じられないと言った表情をしました。失礼ですね…これでも本当に充とタメを張れるくらいに強かったんですよ?父上が亡くなられてからは私も前線に出る事は無くなってしまいましたが…。
「むっ…」
ふと私の脳内には存在しない記憶が流れ込む、どこかの城が炎に包まれて炎上している。そして剥き出しになった部屋は何処となく何処かと似ている…そして浮いている物体…。まさか…?
「誰か」
「はっ」
普段は私の事務や皆のサポートをしてくださっている忍び衆のうち10人が現れリーダー格が返事をした。
「美香と文乃を今すぐ…ここから近い勝斗くんの居城、宇佐山城へ」
「お父様!?」
「父上…?」
「はっ…?」
「急いで下さい」
私の圧により忍び衆は有無を言わずに美香と文乃を連れ出し始めた、姿と気配が完全に城内から消えた事を察知すると私はすぐに静子に向かい合った。
「…静子、ここにバイケルが攻めてくる。」
「…そうですか」
静子も腹を決めたようです、ふと疑問に思ったのですが守衛についているはずの今村さんや野村さんが出てこないのは何故です?私がそう思った途端、耳を劈くような音が響き渡り爆音が発生したのです。
「っ!?これは!?」
「きゃっ…!!」
私は得物の短刀と拳銃を抜く。すると目の前の襖から現れたのは両手にSMG…H&K UMP を持った青年…森本雄二だった。
「親方様!それに奥方様!ご無事でしたか!!」
「森本くん…貴方でしたか」
「えぇ!兎に角脱出を「貴方が爆弾を仕掛けたのですよね?」…」
私の問いに森本は黙りました、無言を貫きますか…でしたら。
「貴方は私の指示だと言い野村さんや今村さんなど他の守衛の人物を増援に行かせ、私を暗殺しようとした、又は生捕りにしようとした、違いますか?」
「…それが私と何の関係があります?」
「貴方がバイケルに付く理由が正直言って分かりません、貴方は順調ではなかったではありませんか」
私の問いを聞いた途端森本は脳面のように無表情になりこちらを向いて答える。
「理由なんてない…と言いたいですがはっきり言えば手柄を取らせてくれないお前らより、手柄を立てさせてくれるバイケルの方がいいと思っただけです」
そう言うと森本はSMGを構え、照準を私に合わせました。それに応じるように私も短刀と拳銃を構える。
「…数年ぶりの戦闘ですが鈍ってないことを祈ります。」
森本が発砲する前に私は先に仕掛けました。
「なっ…はやっ…」
短刀を振り下ろし袈裟に仕留めようとしましたが彼は2本の銃で短刀を受け止めました、ですが防がれた瞬間に拳銃を森本の腹に発砲する。
「ぐぅ…!」
(速い…!)
確実に腹部に命中、そして再び私は斬り込もうとしたその時だった。
「ふふふっ…取り込み中だったかな?」
声の主は森本の背後からした、その方向を私と森本は見るとそこには敵の大将、Dr.バイケルがいた。
2章の話覚えてる人いるかな?裏切り者の伏線、ここで回収したよん。因みに獅子身中の意味は内部のものでありながら害をなすことって意味だよ。




