第1章第5話〜vs赤鬼〜
一回消えてしまって萎えかけた…
(((不味い!)))
3人は後退りをし信じられない光景に絶望する。
なにせ目の前にSランク級の妖怪…もとい鬼が2体いるのだから、3人が唖然としている合間に繋ぎ目の鬼が口を開く。
『…ほぉ….忌まわしき渡辺の血筋の者か…未だこの世に残っていたとはな…まぁ関係あるまい…その者どもと共に葬ってやるのだからな…この茨木童子が!』
茨木童子…昔師匠に教えてもらった村を襲った鬼炎団のリーダー…まさか本当に実在していたのかなどと考えていると赤鬼が金棒を振り上げ降ろそうとしていたのだ、『避けろ!』咄嗟に3人は後ろに飛び林と小林は臨戦体制に入る。
林が槍で赤鬼に攻撃を仕掛けようと突貫するも赤鬼の左拳を喰らい後方に吹き飛ばされてしまった。
『てめぇぇ!』と小林はナイフを構えるも金棒の先で突かれて倒れてしまった。
『勝斗…逃げろ…お前だけでも…』
『でも…それじゃあ2人は…』
『俺たちの事は良いから…このことを本部に…当主様に…』
林が口から血を流す。
ーーまさ…る…ーー
『…っ!?』
途端脳に流れるあの幼き頃の記憶
ーまた1人のこのこと生き残るのか、また助け出されて終わりか、また何もできずに終わるのかー
(いや…そうはさせないって決めたじゃないか…戦うって分かってたじゃないか…守り抜くって誓ったじゃないか…!)
赤鬼の金棒が渡辺を目掛けて振り下ろされる。
(…これで渡辺の血も絶えたな)
『……!』
カァァァンと鉄と鉄がぶつかる音が聞こえた。
林と小林は圧巻した…渡辺が刀で金棒を止めているからだ。
『…ッラァ!』
刀を前に押し出し赤鬼は体勢を崩す。
(体勢を崩した、間合いを詰めて斬る!)
『フッ!』
残像が見える程の速さの唐竹割り、赤鬼を両断すると思われたが赤鬼も伊達にSランク級の鬼ではない翻り回避をする….が間に合わず左腕の関節から下が身体から離れる。
『ぐぉ…おぉぉぉぉ!』
『五月蝿えな近所迷惑なんだよ騒音問題で訴えられて金払えよお前』
立ち上がり咆哮を上げる赤鬼に怯まず横一文字斬りを繰り出す、赤鬼はギリギリで金棒を間に挟み防ぐ。
しかし…
『甘いんだよ』
なんと渡辺は左手でピストルを構えていたのだ。
『バーニング・ショット!』
放った5発の銃弾が命中し破裂をする。
流石に至近距離の銃弾しかも破裂+左腕切断のダメージは耐えきれなかったのであろう。赤鬼が倒れ伏せる
『これで終わりにしよう』
『破岩斬!』
その一撃は赤鬼を今度こそ真っ二つにしたと思った。
『…赤鬼をここまで追い詰めるなんてさすが渡辺の血のものだ…おまけにこの俺の防いだ腕さえ簡単に切り落とすなんてね…まぁここで赤鬼を失うわけには行かないから今日は撤退しようかな…次は殺すから…』
そう言い茨木童子は赤鬼を抱えてどこかへと消え去っていった。
『はぁ…はぁ….はぁ…ふぅ…』
渡辺は刀を鞘にしまい2人に近寄る
『2人とも…だいじょ…ばないよねこれは…』
『いやそれよりお前凄いな…あの鬼に勝つなんて』
『これが…Sランクレジェンドハンターの、戦闘力…』
(それより2人とも出血がひどい…見様見真似でできるかな)
渡辺は2人に手をかざしマナを送る。
『うぉぉ…なんだこれ…』
『傷が….治っていく…』
『へへ…師匠の見様見真似でやってみた回復なんだけど…どうかな?上手くできてる?』
『おうこの通りだ!』
と2人は渡辺に身体を見せつけるすると渡辺は思い出したように林に向き合い。
『これ、返すよ勝手に使ってごめんね』
と言いピストルを手渡したのだ。
(え?いつ取ったん?もしかして刀で防ぐあの前に?気づかんかったわ)
『うん、全然良いよ』
と言ったのであった。
今回の任務は終了したため3人は下宿先の宿に帰り一晩探し大阪から帰るのであった。
ーー???ーー
『茨木よ…』
『はっ…』
とある場所にて鬼炎団のトップ茨木童子がとある人物に頭を下げていた。
『お前から見て久しぶりの地球はどうであった?攻めるに値するのか?』
『はっ依然邪魔者はいますがそれを排除さえすれば攻めるに値のするものでございます。』
『そうか…ではあの計画の準備を進めろ』
『はっ….承知いたしました。』
そう言い茨木童子は下がる。
『哀れな人間ども…もうじきこの私が研究し尽くしてあげるから…それまで待ちなさいな?』
1人の人物…少女が顔を上げる。
『そのためにも成功させないといけません…この作戦『妖精戦争』を』
黒幕登場☆ちょいと早すぎる気がするけどまぁ良いよね☆(深夜テンションなんで許してクレメンス)