第4章第9話〜ハンターとしての意地〜
「なっ…!?」
最終奥義である豪炎白虎が防がれ唖然とするしかないがそんなことは構いなしに奴は攻撃を仕掛けてくる。咄嗟に流そうとするも徐々に肉が削られてしまい、離れて銃を撃つも全て避けられてしまう。
「無駄な足掻きは辞めてさっさと殺されなさいよ」
「悪いがお前を殺すまでそういうわけにもいかないんだな」
「あら、後ろでまだ二つのお荷物も抱えてまで勝てると思っているのかしら?」
こいつ…咲と五十嵐くんを荷物呼ばわりしやがって…
「集中できないよね、じゃあ集中できるようにしてあげる」
そういうと奴は俺から離れ狙いを俺から2人に変えた。
『究極奥義・グングニル』
奴は槍から高出力エネルギーを2人に目掛けて放った、2人はまだ交わせるほどに回復をしておらず咲が盾で防ごうとするも握る手に力が籠っていない。
「クソッ!」
やるしかない。
『ダークホールド』
俺以外、全ての時が止まった。今の停止時間は僅か15秒程度であり急いで2人の元へ戻り咲を右に五十嵐を左に突き飛ばしグングニルの射程圏外へ飛ばし俺も残り2秒で前方に転がり込んだ。時が動き出し2人が元々いた位置には大穴が空いている。
「渡辺さん!すみません!」
咲が謝罪の言葉を叫び、大丈夫だと言う意味で左腕をあげた。だが恐らく今インフェルノの標的は俺から2人に変えられている、当然ながら2人はインフェルノの攻撃スピードに耐えられるわけがなく俺が2人を守りながらの戦い方になってしまう。
「五十嵐くん援護射撃を頼む!咲はとにかく盾で防げ!俺が奴を攻撃する!」
合図と同時に五十嵐くんが奴に銃で撃ち俺と咲が前に出る。
「成る程、二手に分かれて攻撃か…悪くはないけど私には通用しないわ」
『火龍不死』
奴は槍を地面に突き刺しその周囲に火柱が立ち上り俺と咲は分断された。それと同時だ咲の目の前に赤い火の影が迫る。
「これでまずは1人」
「なっ…!?きゃあぁぁぁぁ!」
「咲!?」
なんと奴は咲の鳩尾に蹴りを喰らわせ咲はかなり遠くへ飛ばされた、致命傷ではないが回復すらできない程に弱らせられてしまっているため戦闘不能だ。
「次、これで2人目」
「え…?がぁぁぁぁぁぁ!」
咲を仕留めた奴は瞬時に五十嵐くんの背後に周り蹴り飛ばした、五十嵐くんも咲と同じように致命傷ではないがほぼ戦闘不能に近い…。残るは俺だけだ。
「さぁ、残りは貴方だけだわ」
「ちっ…」
奴は瞬きする間もなく距離を詰める、俺も刀で応戦するがやはり読まれているためか一方的に斬られていくだけだった。その時だった。
『ギガントウォール』
途端奴の足元から岩が飛び出し奴は体制を崩した。
声のした方向に振り向くとそこには大将の守衛を務めているはずの野村圭一とオペレーターをしているはずの遥がいた。
「遥!野村さん!お前達守衛のはずじゃ…」
「親方様直々の命令で増援に行った、それにまだ城には森本くんが残っている。」
「それに見た感じ向こうから攻めてくる気配は無さそうだしね」
「…雑魚2人が増えたところで何ができるかしら?」
体制を立て直したインフェルノは槍を構え直し、余裕の表情で俺達を見据える。
「あんたこそまだ気づいてないんか?」
「はぁ?…これは…」
遥を中心に奴と俺たちの周りを囲うように光の壁が展開されている。
「僕の結界術、覚えるのに2年は掛かったけどね、でもその分練度は高いから鬼クラスの妖怪でも破るのには時間が掛かるはずさ」
それに…と遥は続ける。
「この結界が破られない限り僕に攻撃することは不可能、その上この結界には自動回復がある」
「成る程…だがそれは結界を壊せば問題ない話だわ」
『究極奥義…「そうはぁさせませんよ」…!?』
インフェルノがグングニルを放とうと槍にエネルギーを溜め込もうとした時に野村さんが斬り込み奴は中断して防御に入った。この今の隙を狙うしかない。
『雷牙突』
しかしこの刺突は簡単に止められてしまった。
「甘いわ、貴方の剣技は全て見切ったと言ったわ」
そう言うと奴は俺を吹き飛ばした。
(どうする、刀は全部避けられる…だがそれは銃も同じ他に打つ手が俺には…!)
俺は辺りを見回すと一つの武器が目に入り、師匠である坂田充に言われた言葉を思い出す。
『お前はスピードに頼りすぎだ、もっと力を使う戦い方をしてみろ』
(あれならスピードを維持しながら力を入れることに意識がいく!)
途轍もないほどに差があるが俺だってレジェンドハンターだその意地がある。俺は武器を手に取り向かっていった。
「そろそろ限界なのではないかしら?」
「そんなこと…ないですが…ねっ!」
野村さんがインフェルノに攻撃を仕掛けている、遥は結界術の維持のため動けずにいる。
「当たらないと分かってても怖いよね」
そう言うとインフェルノは野村さんの顔に目掛けて炎を見せる、しかしそれは顔ギリギリで当たらなかったが野村さんは体制を崩してしまった。
「これで1人!」
奴が野村さんに槍を突き出そうとしたその時、俺は盾でその槍を防ぎ、ハルバードで奴を薙いだ。突然の防御と反撃に流石の奴ですら反応ができず腹を裂くことができた。
「…まさかハルバードも使えるとわね」
「これでもそこそこ使えるようにって言われているからな」
そう言うと俺は奴に斬りかかる、奴も対抗しようとするが適応することができず奴は一方的に斬られていき勢いが弱まった瞬間だった。
「ほらよぉ!」
「がぁ!?」
俺は盾で奴の鳩尾を殴るように突き飛ばした。
「…少しばかりはやるようですね…ふふっ面白い…」
奴は余裕の表情であるのを確認した俺は盾を構え防御の構えを取る、しかし奴は攻撃をしなかった。
「でも…まだ決着をつける時じゃない…というより時間切れね」
そう言うと奴は背中から炎の羽を生やして広げ、結界の天井を炎で突き破った。
「渡辺勝斗、名前だけは覚えててあげる、またやりましょう」
「おい!待て!」
追うとするも奴は背中の羽で炎を生み出して壁を作りそのまま上へ飛んで何処かへと飛んでいってしまった。




