第3章第5話〜野村圭一〜
俺たちは大分県のハンター代表と話し合いをするために大分に赴き中津城に入り中津城内の応接間に通されて正座していた。周り…というより城内にいたのは4、5人程度しかいなく物静かな雰囲気となっていた。
事前にヒナさんからはハンターそのものの数は数年前の戦争でハンター全体の7割近くが戦死したらしく、ただでさえ全国的に少ないのがさらに減ったのでどこもこんなもんだというのは耳にしていた。応接間に入って1分ほど待つと部屋の襖が開き右腰に日本刀を下げて歩く男性が入ってきて高座に上がり腰の刀を右に置き腰を掛けた。
「初めまして、私がこの大分県ハンターの代表者、特別Aランクハンターの野村圭一と申します。」
それに釣られるようにヒナさん、榛名、俺の順で挨拶をする。
「初めまして、私がSランクハンター、石川ヒナ。」
「私がCランクハンターの松本榛名です。」
「僕がCランクハンターの五十嵐冬也です。」
因みにランクというのはハンターの強さの指標みたいなものだ、ランクは順にE、D、C、B、A、S、の順でさらにそのSランクの上から8名がなれるレジェンドと分かられているらしい、何故俺がCランクなのかは俺が1番聞きたい。
「この度はこのような場をお借りさせて頂き大変嬉しく存じます。御当主様はお元気で?」
野村さんがヒナさんに問う、ヒナさんは東京のハンターだから親方様に会う機会も非常に多いらしい。
「えぇ、今も切磋琢磨しているらしいわ。」
「…さようで」
野村さんはほんの少し気を緩めたかのような雰囲気になる。
「して、此度の話し合いは親方様の話ではなく、こちらの要望を聞き入れてくれると聞いているのだけれども、どうして急にこちらに従う姿勢を見せたの?」
「これは失礼しました…実は熊本と鹿児島が例の組織…プラットフラバラードと接触し、手を組むという話を間者から聞きまして、これは流石に九州に取っても我々ネオ・プリズムに取っても一大事であり、今同士で争っている暇はないと考えこの様な場をご用意させていただいた次第です。」
野村さんは、勿論私自身人と人が争うこと自体が嫌いなのもありますがね。と付け加え今回の話し合いをしようとした理由を教えた。
「…なるほど、理由は分かったわ、こちらとしては後ろ盾が増えることは悪手では無いわ。」
ヒナさんは一瞬顔を険しくしたがすぐに戻し野村さんの話を呑むことにした。すると廊下からこちら側に走ってくる足音が響いた。
「野村様!間者からの伝令!熊本の武人、青山大智が2日後こちらにやってきて蹂躙するとのこと!」
「何だと!?雑兵ならまだしも青山が来るか…!」
「あの…青山?って奴がどうかしたのですか?」
俺は疑問に思ったことを聞くと榛名が答えてくれた。
「青山大智、九州一の戦闘狂で大鉈の使い手のSランクハンター。鉈一振りで地割れを起こすことができる程の力強さよ。」
「青山が来ると私でも負けてしまう…どうしたものか…!」
「俺が青山をどうにかします。」
この場に不似合いではあるが俺が一番最初に声を上げた、榛名、野村さんは驚いた表情で、ヒナさんは一瞬俺をチラリと一瞥した。
「ちょっと冬也!?私の話を聞いてた!?あんたじゃ青山には勝てないよ!?」
「初対面でこの様なことは申し訳ないけど、君はまだ経験が浅いと見た、とてもじゃないけど青山を倒すことなんて…」
2人から否定の言葉をもらってしまうも引くわけにはいかない、でも言い返す術がないと思っていると
「良いじゃない、やるだけやってみなさい」
ヒナさんがそう指示を出した。
「「ヒナさん!?」」
榛名と野村さんがヒナさんに驚愕の表情を向ける、榛名に至っては顔色が青くなっていた。しかしヒナさんは気にとどめもせず俺に命令した。
「五十嵐冬也、松本榛名、貴方達に青山大智の侵攻を止阻止することを命令する」
「え、私も?」
榛名も任命された、多分1人じゃ荷が重いと思ってつけてくれたんだろうなヒナさん、ありがてえこれでなんとかすることができる。兎にも角にも俺の初任務、気合を入れてやらないとな。
なんか文章力落ちてね?気のせい?




