第2章第2話〜紹介と説明、そして〜
大分遅い投稿…許してください…筆が思ったより進まないんです…
咲と結衣は少年の後をついて歩くと住宅街に入る、住宅街の少し先に塀に囲まれている一軒の大きな家屋が見え、少年はその家屋の門の前で止まり、咲と結衣の方を向く。
「長く歩かせてしまってごめん、ここが今使っている俺の拠点だ、入ってくれ。」
少年は門の鍵を開けて中に入る、咲と結衣も中に入ると少年は門を閉じた。咲と結衣は家屋の周りを見まわした。
「凄い広い…」
結衣がそう呟くのが聞こえたのか少年はこちらを見て少し苦笑いをする。
「確かに広いけど、1人で住むには広すぎるんだよね。」
咲達は玄関に入り靴を脱いで少年についていくと、少年が一室に入ったので2人も入ると、そこは応接室のような部屋であった。少年は2人を手前のソファーに座るように言うと自身は反対側の椅子に腰掛けた。
「さて、まずは自己紹介からだね、俺は林颯太、年齢は14、東京から来たんだ、以後お見知りおきを。」
そう言うと少年…林颯太は2人に頭を下げたので2人も頭を下げると、結衣が声を出す。
「えっと、先程はありがとうございます、私は樋口結衣で、こっちは守山咲と言います、私たちの歳は13です。」
「…助けていただきありがとうございます、守山咲と言います。あの、先程の蜘蛛人間と貴方は一体何の関係があるのですか、先程見せた武器についてもお願いします。」
咲が先程の事について言及する、確かに咲や結衣から見たら確実に危ない人のソレであったからだ。
林は少しばかり躊躇うような仕草をするもすぐに口を開いた。
「まず、あれの存在から言おうか、あれはこの世に存在してはいるが人には認知されていない生き物、俺たちは妖怪と呼んでいる、あれはその一種に過ぎない、そして俺は…俺たちはその悪事を働く妖怪を倒すハンターと呼ばれている。そしてその妖怪に対抗する為にそれぞれが武器を持っている。」
俺の場合はこの槍だね、と林はそばに置いている槍の柄を優しく撫でる。それはそうと、と林が再び喋りだす。
「俺が此処に来たのは単純、近年北海道による妖怪の出没が多発していること、そして今海外で動いている俺の仲間の調査の一環で来た。」
間髪入れず林は続ける。
「この事を他人に言うことは厳禁、言ったとしても警察は動かないし、色んな人も信じないと思う。」
「じゃあ…どうしたら良いんです?」
結衣は何かに縋るかのように林に聞く。
「正直なことを言うと君達もハンターになって妖怪を倒していくのが妥当な道だと思う、ただこれは最悪の場合死ぬことすらあるから、無理に入る必要性は無い。」
咲と結衣の顔が強張る。
(まぁ、無理もない…12だか13で命をかけるなんて事は普通は今の世の中だと無いもんな、俺らが異常なだけであるし。)
林は口には出さず心の中で思いとどめる、今この場にいない仲間や自分が信じている上の事を考えて。
咲の手が震えに震えている、林もそれを見逃すわけでは無いが指摘をするわけでも無い、これは流石に入らないかな…と思っていると咲が震える声を絞り上げるかのように出す。
「…私、やります。」
咲の発言により、結衣は勿論、林の目が大きく開かれる、咲の目を林はじっと見つめる。
「…君に戦う勇気はあるのかい?」
「あの時助けてもらえなかったらなかった命…どうせ死ぬならこの事を知ってのうのうと生きて死ぬより、誰かのために戦って守って死にたいんです。」
咲の覚悟を聞いた林は目を閉じる、一方で結衣は咲の方をまじまじと見つめる、こんな咲見たことがないと言わんばかりの目線を咲に向ける。
「…あいつに似てるなぁ…」
林が静かに呟き、少しばかり口角を上げ、咲を見つめる。林の目にはかつて共に戦い、英雄となった刀を扱う赤い友と重なって見えていた。すると結衣も決意めいた表情で林の目を見る。
「…私も、戦います、咲だけにやらせるわけにはいかないもん。」
「結衣…思ってたより人情深いんだ…」
「え?今それ言う?」
今いい雰囲気だったやん…と林が内心ツッコミを入れ、仕切り直す。
「まぁ気を取り直して…そこまでの覚悟があるのならわかった、俺が本部に連絡を入れて証明書を貰って来る。そしてその後は2人が使う武器を選んでもらう。分かったな?」
2人は強く頷くと林は席を立つ。
「それじゃ、2日後また此処に来てくれ、そしたら証明書を渡した後、武器を選んで鍛える。良いね?」
2人は、はい、と返事をして部屋を後にし、帰っていった。2人が帰っていったのを確認すると林は受話器を取り、連絡を取る。
「親方様、ご無沙汰しております、こちらはなんとか元気にやっております、本題に入らせて頂くと、本日より2名の女児がハンター志望をしてまいりましたので証明書を発行していただければと…わかりました、ありがとうございます。ではまた…」
林が受話器を置こうとした時、電話を掛けている主が林に一言言った、その言葉に林は目を丸くする。
「え、あいつが帰ってきたのですか?随分早いですね…あぁ…確かにあいつなら一年もあればどうにかなりますね…」
林は少しばかり口角を上げていた。
「はい…では…お願いします。」
そして電話を切ると、腕を上に伸ばし、気を少しばかり抜いた。
遅い割に内容が薄い…そらぁ呼んでくれる人あんまいないわなぁ…




