第1章第10話〜vs茨木童子〜
結構スパン空いちゃった
渡辺を本丸に行かせるために小林、田村、山本のAランクの3人が茨木童子と相対し、互いに様子を伺う膠着状態となっている。
(膠着状態でも良い…勝斗が一刻でも敵の大将を倒してくれればこの戦いは俺らの勝ちなんだから。)
小林はそう願うものの現実はそうはいってくれない、
茨木が先制を仕掛けてきたのだ。
「…では…早速のご退場と…させて頂く…」
『死の手!』
その空間にいる生き物や物体を生命と言う観点から削る技 デスハンドが小林達に襲いかかるも全員それを躱し、攻勢に出た。
『鬼砕き!』
『黒い嵐』
鬼をも簡単に砕くと言われる技 鬼砕きと 黒い旋風に包みこむ ブラックハリケーンが茨木を襲うも茨木は簡単にハリケーンをもみ消し、山本の拳を掴み手を下そうとした。
「山本から手を離せ!」
『ホーミング・スナイプ!』
半径2kmの距離までなら相手を自動追尾する技 ホーミングスナイプが山本を掴んでいる手に命中しその手が離れたと同時だった。
『マッハパンチ』
山本がマッハパンチで茨木の顔面を捉えたのだ、当然のクリティカル、茨木も顔を少しばかり歪めるも。
「…甘い…」
『グラインド・ブレイク』
山本を掴み、地面に叩きつける。
「…所詮はこの程度…人間は脆い…ん?…」
なんと山本は茨木の足を掴み、固定したのだ。
「田村ぁ!雄也ぁ!今だぁ!」
『紅月斬り!』
『スリーショットシェル』
田村の鎌が茨木の首を刈り取り、首が離れた胴体を小林が3連発撃ったのだ。
「これで…やったのか?」
山本がそういうと田村が
「馬鹿っお前、それフラグや!」
と言った途端、茨木の首と胴体が再び接合したのだ。
(!?再生能力か?不死なのか?なんだ!?兎に角やばい気がする!)
「田村!山本!下がれ!」
「「!!?」」
小林が叫ぶと2人はなんとかバックステップで回避しようとするも茨木の振るった腕が当たってしまい少し飛ばされる。
「まさか…この程度で…私が死ぬとでも思ったのですか…?」
(不味い奴のマナが凄く禍々しい…!山本は大丈夫そうだが田村はかなりの深手…致命傷では無いけど放っておくと不味い!)
万事休すとはまさにこの事であろう、普通であればSランクハンターならば5人でようやくギリ倒せるといったレベルなのだ、それを3人でなんとか止め、尚且つ1人深手を負ってしまったこの状況下はまさに絶望しかないだろう。
「貴様らは…よく粘ったしかし…あの渡辺綱と比べると…大した者ではない…奴は私のこの腕を一度斬り落とし私はそれを命懸けで取り返した…そして寿命が尽きて死んだ…そして今より10年ほど前私はNo.7様に…再び生を受け持った…」
茨木は称賛したかと思えば急に己の過去を語り始めた。
「そしてこの前の大阪でだ…あの忌まわしき綱と同じ血を持つ小僧がいた…とても吐き気と恐ろしさが私を襲うのだ…」
(小僧…勝斗の事か?あいつがそうなのか?)
「私は憎いのだ…愛すべき主君…酒呑童子様を討ち取った渡辺が…源が…だから殺すのだ…この世の人間を全て…」
「言っていることが分からなさすぎる…滅茶苦茶だよあんた。」
小林は茨木に正論をぶつけると茨木は不服な顔をし
「分かるまい….貴様のような人間にはな…」
「分かりたくねえなそんなもん俺には一切関係ねえし勝手にしてろ。」
「では何故…他の者の為に貴様は戦っているのだ…関係がないのであるならば…戦う理由なんてなかろう…」
「そうかもな…でも他人事じゃねえんだわ人間滅ぼすなんて言われたらよそりゃ死ぬ気で戦うわ」
「…やはり貴様らとは…相入れぬ…ここで死ね…!」
茨木が小林に迫り腕を振り上げ、降ろす…しかしその腕は宙を舞ったのであった。
「よく言った、若造」
小林は目を開けると目の前に、2本の刀を持っている30代前半であろう男が前にいたのだ。
「いやぁ嬉しいねぇ、こうやって若いのが育っていってくれるのを見たらよぉ、勝斗の時もそうだったなぁ」
(勝斗の名前!ってことはこの人が勝斗の師匠なのか!?)
「兄いちゃん悪いなぁ、俺も家系的には頼光四天王の1人、坂田金時の子孫でな、あんたの頭領の首取ったんだわ」
「…貴様も…あの忌まわしき坂田の血のものか…!」
茨木は怒り顔を初めて見せる。
「…必ず殺す…!」
そう怒り狂うも
「あー無理無理、あんた俺と同等かそれ以下だろ?」
そう言い引き続き男は声を上げる
「俺の名前は坂田充、頼光四天王の1人坂田金時の子孫でレジェンドSランクハンターの1人だ」
そう言い充は小林と山本を立たせ、田村に治癒魔法をかける。
「若造どもまだやれるよなぁ?」
充の問いに小林と山本は勝手に首が頷いた、すると茨木は頭を掻きながら。
「…何故何故何故何故…何故貴様らは私の邪魔を…何度もするのだ…!…もう良い…来い…青鬼…黒鬼…」
すると茨木の両隣に青い鬼…青鬼と黒い鬼…黒鬼が現れる。
「…いくら貴様でも…3体3はキツイであろう…それにそこの2人はSランクにすら…到達できていないのだから…」
「あんまり若いの舐めん方がいいぞ?下手すりゃ俺なんて余裕で超えられてしまうんだからな。」
充がそう言い返すと茨木は顔を歪め、怒り心頭と言った形相となった。
「…青鬼は…あの餓鬼どもを…黒鬼は私とともにこいつを…殺せ…」
茨木は指示を出し、自らも戦闘態勢に入る。
「はぁ…めんどくせぇ奴に会っちまったもんだな」
そう言いながら充は2本の刀を構える。
「若造共その鬼はお前ら2人でも倒せる、やってみな。」
なんて無茶な事を…と小林と山本は思うも拒否するわけにもいかないため戦闘態勢に入る。
「反撃の時間よぉ!」
坂田・小林・山本対茨木童子・青黒鬼の第2ラウンドが始まろうとしていた。
ー最強の剣士坂田充、その実力は如何にー
スパン空いた割にあんま良い出来じゃないのが悔しい




