第1章第7話〜護衛〜
ちょっとほんわか回
ーーネオ・プリズム本部最上階評定の間ーー
「それでは渡辺君、美香と文乃の事をよろしくお願いしますね。」
「はい、お任せください必ず無事に送り届けます。」
入隊試験から1週間後渡辺は光一に呼ばれ娘2人の護衛を受けおった、何故2人を護衛するのかと言うと。
「茨木童子が実在している今、これから鬼炎団は活発的に活動をすると見られます、そうなるとここも安全ではありませんならば、2人を君達の部隊アジトに置いておいて欲しいのです。ここよりかは幾分か安全だと思われますので。そして渡辺くんにはその間、2人の護衛をお願いしますランク的にも君が一番適任ですので、私はここで指揮や事務をしなければならないのでどうかお願いします。」
と言われたからである、実際部隊アジトは立地の関係上本部より目立たずバレにくいのである。
(ってか大将、俺の事信用しすぎじゃね?まだ入って一ヶ月ぐらいしか立ってないのに、姫君達の護衛なんてさ…名誉なことだから良いけど。)
既に林達部隊のみんなには話してあるのであとは姫君2人を安全に連れて行くことだけだったしかし…
(気まずい…)
そうこの道中ずっと無言なのである、ただでさえ思春期最中なのに加えて同年代の女性2人は会話は愚か目すら合わせれていないのである。
「…あ、姫様私達のアジトは大分狭く不自由させてしまうかもしれませんのでご容赦を…」
「気にしないわ、ね?文乃。」
「はい、気にしません仕方のない事なので。」
「…左様でございましたか失礼しました。」
気まずぅー…と渡辺が1人で勝手に頭の中で悶えている中美香が口を開く。
「渡辺、私達には敬語は使わないでいいのよ?同い年なのに敬語なんて疲れるわ。」
「ですが…」
「父が敬語で話せと言っているなら無理に辞めさせないわよ、でも父は貴方を信用しているし別に敬語で話さなくても怒りはしないわよ、少なくとも私には敬語は使わないでこれは私の命令って事で良いからさ」
「…あんまり気が乗らないけど分かりました…」
思ってるより良い人だなっと思うチョロい渡辺であった、すると文乃が口を開く。
「あ、あそこのケーキ屋最近開いたらしいです、渡辺と姉様も一緒に行きませんか?」
「分かりました、では少しばかり寄り道しましょうか。」(文乃様なりに気遣ってくれたのかな)
渡辺はそう言い2人と共にケーキ屋に入る、せっかくだ今回は皆んなで食べる分も買って行ってやろうと思いながらショーケースを見ていると文乃が顔を輝かせて見ているのが視界に入る。
「文乃様、そちらのケーキが気になるのですか?」
「え?あぁ…はい…」
文乃は少々照れくさそうに薄く笑みを浮かべて肯定する。
「俺も部隊のみんなで食べる分探してましたし買っちゃいましょうか、美香様は良いのあった?」
「んー私はアレが良いかな。」
そして渡辺は会計に向い財布を取り出し、2人のケーキと自分達のケーキを注文した。
「え?悪いわよ奢りなんて自分で払うよ」
「いえ、俺がたまたまそうしたかったし、税金以外で使い所のないお金を消費するのに丁度良かったので気にしないでよ」
渡辺はカード一括払いで支払いを終え、2人が店内で待ち、渡辺は一旦外に出ると途端に喋り始めた。
「…さっきっから着けて来ているけどマナでバレてんだよ出てこいよ。」
すると群衆から1人の老人が渡辺の前に現れ、若い男の姿に変わる。
「よく気づいたな、いつからだ?それともハッタリかい?」
「お前俺らがこの商店街に入る前あたりから着けて来てただろ…擬態する能力なんだろうがマナでバレてるから向いてないよ。」
(こいつ…雰囲気からして妖怪ではなく人間だな…)
「よく分かったな、では…ここで散れ」
そう言い男は忍者刀を渡辺に振り下ろすも腕に付けてある盾で防がれる。
「街中で武器抜くなよ危ねえな、せめて他の人逃がせよ馬鹿が。」
そう言い渡辺は周囲の人が避難したのを確認し、日本刀を抜く
「何が目的だ?明らかに俺だけの狙いじゃ無さそうだけど。」
「…お前を始末するのは勿論の事そして本当の狙いは貴様らのアジトを見つけ、潰すことだ。」
(本当は後ろの姫様等を狙ってんだろーな…つーことは下手に倒れる訳にはいかんな)
「悪いが俺を始末したらアジトなんて見つけられねーぜ?本当は姫様等狙ってんだろ?嘘バレバレだぜ?」
渡辺は男を挑発すると男はクナイを3本投げてくる。
「やかましい…とりあえずお前は死ね」
(3本投げてきた…恐らく後ろに回って斬るつまりだな)
渡辺は3本のクナイを弾く、すると後ろから男が現れ渡辺に刀を振り下ろす。
『沈黙の防御』
自身の周りに簡易バリアを展開する防御技 沈黙の防御によりその一刀は防がれたと同時だった。
『アイス・ショット』
氷の氷柱を弾にして撃つ技 アイス・ショットが男の両足に命中し男の足が凍る。
(こいつ防いだ瞬間に銃を…!しかも足を狙いやがった…!)
「あんまり今は悠長にやってられないんだわ、悪いけど殺すね。」
『火炎斬』
刀に炎を纏わせ横一文字に斬る技 火炎斬により男の首がまるで糸を切るかのように刎ねた。
「ふぅ…擬態以外の能力は無かったから長引かなくて良かったけど…擬態使われたらめんどくさかったな」
(とりあえずまたつけられる可能性も0ではない…急ぐか…)
渡辺は店の中に入ろうとすると美香と文乃がケーキが入った袋を持って出てきた。
「渡辺、見てたから状況は分かるよ急ごうか」
「あんまりゆっくりできなかったですね〜」
そして渡辺は山本に増援に来て欲しいと連絡を入れ美香と文乃を連れ急いでアジトに向かうのであった。
ーー???ーー
「あらあら…見つけられなかったかまぁ流石にEランクじゃあ相手にもならんか…まぁ良いある程度の場所は把握した…茨木、準備は良いな?」
「は…いつでもいけます」
「では始めようか『妖精戦争』を…」
渡辺達はまだ知らない…この戦いががまだ『始まり』に過ぎないと…
次からは一気に進みます、第1章はそろそろ終わらせます。




