1章3話 マナ
「へぇー村ってこんな感じになってるんですねー」
まぁこの言葉で分かる通り僕は生まれてこの5年目にして今日が初めての村である!
「まぁ今日は祭りだから人も多いし屋台も多いしところどころ装飾はあるがまぁ基本はこんな感じだなー」
へぇー小さい村だけど以外と綺麗だし普通に家は僕と師匠の住んでる家より立派だなぁ…
「師匠は今日何か用事はあるんですか?」
「いや!今日はアキトを休ませるために来ただけだからこれと言った予定はないぞ?」
「じゃあ!屋台まわりましょー」
「さっきまで嫌がってた割には乗り気なんだな!やっぱりお前くらいの年齢だと屋台には目がないか!」
正直屋台には興味ないがこの現状!どう見ても!誰が見ても!お祭りデートだよな!
(歳の差のせいでそうは見えないだろと思ったやつ出てこいこらぁ!!)
師匠とデート〜師匠とデート〜
すると、前から女の子(自分と同じくらいの年齢)がこっちを見て…いや…師匠の方を見て突っ込んでくる。
これって…もしかして師匠の命を狙ってる暗殺者なのでは!
おれは危険を察知して師匠の前に飛び出ると女の子は急に間に入ってきた僕に驚きつつも勢いそのままおれに衝突してくる。
「いったぁーーーい!あんたなんなの!?いきなり目の前に現れて!ぶつかっちゃったじゃない!ほんと痛いわ!」
「はぁ!?もとあといえばお前が走ってきてるのが悪いんだろ!?」
「何言ってんの?あんたがいなければ私は優しい優しいヒナさんに受け止められてたんですー!」
ヒナさん…ってもしかして…この女の子師匠のこと知ってるのか?
「はぁ…マナ…いつも言ってるだろ?このローブを着ている通り一応私はこの村ではあまり歓迎されてないのだからあまり目立つ行動はしないでくれって…」
師匠が困った顔してる…そーだそーだ!このガキ!師匠を困らせやがって!僕が一発入れたろか!
「えー!だってヒナさんのこと見たら私体が勝手に動くんだもん!」
何がだもんだ!かわい子ぶりやがって!
「でもなぁ…もし私がローブを来た別人だったらどうするんだ?私以外で村でローブを着ているやつなんてよっぽど怪しい人物だろうから危険だぞ!」
こんなガキ不審者に捕まっちゃえばいいんですよ!師匠!
「大丈夫ですよ!ローブ来てる人なんてそんなにいないですし私がヒナさんを見間違えるわけないですから!まぁ…確かにそこの男は不審者でしょうけど!」
「お前なぁ…師匠の知り合いかもしれないからって黙って聞いてれば!師匠!こいつは誰なんですか!」
「あぁ悪いな…2人で話進めて…こいつはマナ・ファルンこのファルン村の村長のロイド・ファルンの娘だ!アキトも仲良くしろよ!」
理由は詳しく知らないが師匠は村の人にあまりよく思われていない…
そして村での買い物や魔物の素材を売り買いなどお金のやり取りは基本村長とやっている…
そしてこのガキはその村長の娘…
「すいません師匠…仲良くしたいのですが…僕はこのガキが嫌いです…」
「はぁ!?あんたに言われなくても私だってあんたが嫌いよ!」
これがおれと幼馴染のマナの初めての出会いである。