1章17話 村の嫌われもの
ヒナさんとお祭りを歩きたいとお願いしたのだが、ヒナさんは首を縦には振らなかった。
「悪いがマナ…お前も知っての通り私達はこの村にいいように思われてなくてな…私たちとマナが一緒に歩いてたらみんないいようには思わないんだ。」
ヒナさんの言うことはその通りでそこにはヒナさんたちが嫌われてるのもあるが私が村長の娘なこともある…ほんとに自分の立場が嫌になり、ヒナさんの隣をヒナさんと同じ立場でのうのうと歩いている隣のガキがすごく羨ましかった。
「なんでよ!私が村長の娘だから!?私は好きな人と一緒にお祭りを楽しむことすらできないの!?」
「いや!これに関しては私たちが悪いんだ、お前じゃなくても村人で私達と仲良くしてる者がいればいいようには思われないだろう。」
「そんなの関係ない!私はヒナさんともっと沢山話したいの!」
私は感情的になりついヒナさんに怒鳴ってしまった。
「ギャーギャーうるさいぞ!ガキ!師匠を困らせるな!」
すると隣のガキが文句言ってくる。
「はぁ?あんたは黙ってなさいよ!何も知らないくせに…」
「っちぃ!一つ聞くがお前は師匠と祭りを歩きたいのか?それとももっと一緒にいたいのか?どっちだ?」
「はぁ?そんなのヒナさんともっといたいから言ってるに決まってるじゃない!」
「ならさぁ…簡単だろ…師匠は村人からお前が変な目で見られるのが嫌でお前は師匠ともっと話したいんだろ?ならさぁ〜お前がお忍びで俺らの家に来ればいいだろ?いつも来てもらうことばっかり考えてるなんてほんとガキだな!。」
その瞬間そのガキに私は不覚にもときめいてしまった…一言多いが!でもガキの言うことは正論であり、ガキが出した条件は名案であった…一言多いが!
「そうね!ガキの割にはいいこと言うじゃない!わかったわ!パパに言って今度ヒナさんの家に遊びに行くわ!」
「パパって!ほんとお前ガキだなw」
「何よ!呼び方なんていいでしょ!そんな小さいこと考えてるあんたがガキなのよ!」
「お前らガキガキ言い合ってるようだが同い年だからな?」
そう言うヒナさんの瞳はとても暖かいものだった。
その日の夜疲れた顔で帰ってきたパパにヒナさんに会ったことと今度ヒナさんの家にお忍びで行きたいって伝えるととても驚いた顔をしたがどこか嬉しそうに了承してくれた。