第6話 火災と友情
その後も2人は居酒屋で忙しく働いていた。居酒屋が混雑する中、注文の取り違えやトレイのひっくり返りなどの小さなトラブルはあったものの、二人は協力しながら業務に取り組んでいた。
しかし、その時突然、緊急事態が起こった。居酒屋の台所から出火し、火災が発生したのだ。パニックになる客たちを安全な場所へ誘導しながら、秀と杏奈は消火器を手に取り、火の制御に奮闘した。煙と熱が充満する中、二人は危険な状況に立ち向かいながらも、互いを励まし支え合っていた。消火活動が終わる頃、火はほとんど鎮火され、安全が確保された。
杏奈は息を切らせながら、秀に向き直った。
「秀くん、本当に助かったよ。一緒に対応できて本当に良かった。」
秀は疲労困憊しながらも、微笑んで言った。
「無事鎮火できてよかった。助かったよ。」
大きなアクシデントが2人の間に特別な絆を生み出し、彼らの関係を一層強固にした。彼らは危機に立ち向かう中で互いの存在を確かめ、信頼と絆を深めていった。
しかし、まだ秘密に抱える事件の影が秀の心を重くしていた。彼は火事の後、杏奈との絆を大切にする一方で、真相に迫るためにも闘い続ける覚悟を持っていた。