決着
小早川は翔に最後の修行として真っ暗な部屋で刀を持ってバトル。
勝ち目のない翔は、どうやって小早川を倒すのか。
『はぁ…はぁ…。やめて下さい!』
『悪魔に殺されるなら俺が殺してやる!』
ピュッ
『うわっ!!』
左腕を斬りつけられた。
血がポタポタ落ちる。
小早川さんは本気だ!
『闇雲』
もくもくもく。
俺の周りに柔らかい何かが広がった。
『はぁぁ!』
俺は、しゃがんだが髪を斬られた。
『翔!能力を使わなきゃ勝てんぞ!』
『ち、ちくしょぉぉ!』
俺の右手が明るくなった。
『明拳』
俺の右ストレートが刀を持った小早川さんに当たった。
ザザザザ。
小早川さんは堪えた。
『奥義闇打』
俺を包んでいたのは雲の形をした闇だった。
そこから無数の拳が俺を襲う。
ズドドドドド!!!
『ぐ…ぐ…ぐ…!!』
ガードしても別の場所に攻撃が当たる。このままでは持たないが、どうしようも出来ない。
ズドドドドド!!!
『ぐはっ!!』
強力な一発が、みぞおちに決まった。呼吸が出来ない。
ズドドドドド!!!
『…。』
倒れる事も許されない、この技は奥義すぎる。
意識が飛びそうだ。みぞおちに決まってからガードが下がって来た。
ズドドドドド!!!
もうダメだ。
結局、太陽の力を出せずに死ぬんだ。
もう一発だけでも反撃してやる!
俺が全身に力を入れると全身が光って雲が弾けた。
『うおおおお!』
フラフラになりながら小早川さんに走って行った。
次第に体の痛みが引いていく。
『こーばーやーかーわー!!!』
『来い!!』
『熱拳!』
熱をまとった俺の右ストレートが小早川さんの胸にヒットした。
『ぐあああああ!!』
シュゥゥゥ。
ドスンンン
小早川さんは気を失って倒れた。俺も疲れから倒れてしまった。
『はぁ、はぁ、はぁ…。』
小早川さんは、うつ伏せのまま起きない。
殺してしまったのか不安になった。
『こ、小早川さん?』
体を揺すりながら名前を呼び続けた。
『小早川さん!』
『小早川さん!』
『小早川さん!』
涙が止まらない。小早川さんは起きない。
『うわぁぁぁ!!』
俺は上を見上げながら声を出して泣いてしまった、
ガチャン!
一人の女性が入ってきた。
『あらら〜。』
『えっ?あなたは?』
『私は桐野江 七海。よろしくね!』
『はい…。』
『これは貴方がやったの?』
『はい…。』
『あなたは強いのね。』
桐野江さんは少し笑いながら小早川さんの胸に手を置いた。
『光合成。』
すると桐野江さんと小早川さんが緑色に光った。
少しすると小早川さんは起き上がった。
『桐野江、助かった。』
『いえいえ。』
『翔、お前は最高に強い!今の感じを忘れるなよ!』
『はい!』
『翔!お前の勝ちだ!修行は終わりだ!』
『はい!』
俺は嬉しくて泣いてしまった。
見事、小早川を倒した翔。
そこに現れたのは一人の女性。
この女性は何者なのか。