能力と最後の修行
小早川を太陽の能力で倒せた翔。
その後、能力について聞いた翔は1年間、修行に耐えれるのか?
『起きろー!』
『うわっ!』
『何を驚いている?』
『そんな大声で起こされるとビックリするんですよ。』
『元気があって良いな。』
笑いながら小早川さんは部屋から出て行った。
体はボロボロ。全身、筋肉痛だ。
布団を畳むだけで精一杯だ。
『翔、トレーニングに行くぞ!』
『はい!』
正直、地獄だ。
今日もランニング、筋トレ、滝行、崖登り、スパーリングをした。
もう辺りは真っ暗だった。
晩ご飯を食べながら小早川さんと話をした。
『翔、太陽の能力の事を教えてやる。』
『はい。』
『俺たち戦士には虹の能力がある。』
『虹?』
『ああ。赤は炎、黄色は光、青は水、緑は植物、紫は毒、橙色は太陽、紺色は闇だ。』
『・・・。』
『翔は橙色の太陽の力を持っている。しかし…。』
『しかし?』
『太陽の能力を扱えた者はいない。』
『・・・。』
『俺は翔に強くなってほしい。だから、こんなに厳しいトレーニングをしている。』
『必ず強くなります!』
『そうだな。最初のスパーリングで、その力を出せたからな。』
『すいません。』
『謝る事ではない。俺は嬉しかったぞ!』
『ありがとうございます!』
『よし!ご飯も食べたし最後の修行だ!』
『はい!』
俺は小早川さんに真っ暗な部屋に入らされた。
部屋の真ん中には磁石が吊るされていた。
『その磁石を2時間見ていろ。』
『はい!』
『周りに何か見えてきたら教えてくれ!』
『はい!』
取り敢えず、真っ暗な部屋で磁石を眺めていた。どのくらいが経ったのか、磁石の周りに白い物が見えてきた。
2時間後。
『翔、どうだ?』
『白い物が周りに光ってるのが、ハッキリ見えました!』
『合格だ!』
時間は夜10時。
俺たちは寝る事にした。
それから1年後。
『よし、今日でトレーニング最後だ!』
『はい!』
『地下に行くぞ!』
『はい!』
鉄の扉の前に着いた。
『翔、中に入れ。』
『はい!』
ガチャン。
『ここで何をするんですか?』
バタン。
パチン。
扉が閉まり電気が消された。
後ろから小早川さんの声が聞こえた。
『翔、俺は今、日本刀を持っている。』
『???』
『ここで、お前を殺す!殺されたくなければ俺を倒せ!』
『えっ?』
『これが最後の修行だ!』
背後から気配が消えた。
『どこだ!』
『ここだぁ!』
ガキャン!!!
突然、前から声が聞こえた瞬間、後ろに下がると股下から刀が床を斬りながら上がってきた。
間一髪で交わせた。
『はぁ…はぁ…。』
恐怖から息が荒くなる。
『何も出来ないなら死ぬだけだぁ!!』
小早川さんの怒鳴り声が聞こえた。
俺は殺されてしまうのか恐怖しかない。
1年間、修行を耐えた翔に待っていた最後の修行は真っ暗な部屋で刀を持った小早川を倒す事だった。
しかし、翔は恐怖から戦えない。
翔は小早川を倒せるのか。