はじまり。
仕事と探してる途中で寝てしまった主人公の木野瀬 翔。
そこで夢を見てから、不思議な人生が始まった。
ドドドドド…。
ばーん
『おっきろー』
『毎朝、毎朝、うるさいなぁ。ゆっくり寝かしてくれよ。』
『仕事が見つかるまでダメに決まってるでしょ!』
『でも仕事が決まったら寝てられないじゃん。』
『はぁ?何か文句でもあるの??』
『ないです。』
俺の名前は木野瀬 翔。22歳の無職。さっき起こしにきた、うるさいのは姉の木野瀬 沙希。24歳で近所のスーパーで働いている。
姉ちゃんは空手3段の達人で強くて優しいから大好きだけど、毎日、毎日、仕事探せって、うるさいんだよね。
両親は俺たちが小さい時に、事故で亡くなってしまったんだよね。だから仕事を探さなきゃいけないのは分かってんだけどね。
『今日、仕事の後に彼氏とデートだから遅くなるし、先に寝てて。』
『うん。わかった。行ってらっしゃい。』
『行ってきまーす。』
姉ちゃんには付き合って4年になる彼氏がいる。
この彼氏は毒舌キャラだから俺は嫌い。でも姉ちゃんが好きなら、それでも良いと思ってる。
『面倒くさいけど仕事でも探すかなぁ。』
何時間が過ぎただろう。
俺は寝てしまった。
『うぅ〜ん』
『ん?』
目を覚ましたが、そこは森の中。
『なんだ、ここ?』
俺は森の中を歩き始めた。
『あっ!火事!』
建物が燃えているのを見つけた。
『えっとスマホ、スマホ』
いくら探してもスマホは見つからない。
『誰かー!!助けてー!!』
俺は建物の前で泣いている女性を見つけて慌てて走って近付いた。
『大丈夫ですか?動けます?』
『私の赤ちゃんが家の中に…。』
女性は泣きながら答えた。
今、スマホは無い。近くには池がある。
でも、池の水を掬っても鎮火出来ない。ましてや赤ちゃんが助からない。
『ん?』
急に雪が降り始めた。
でも、迷ってる暇はない!!
『冷たっ!』
俺は池の中に入って体を濡らし燃えてる建物の中に入って行った。
暑くて息が苦しい。
どこを探しても赤ちゃんが見つからない。
意識が遠くなりそうな時に、ようやく赤ちゃんを見つけた。
『もう大丈夫だよ。一緒に逃げよう!』
赤ちゃんを抱えて建物から出た瞬間、意識を失い倒れてしまった。
『うぅ〜ん』
『はっ!!』
俺は飛び起きたら、まわりは見た事がないくらい明るい場所。
キョロキョロするが、どこか分からない。
でも、動かない訳にはいかないので、俺は立ち上がり歩き始めた。白い道があって、まわりは見た事ないくらいの金色の花が咲いている。気持ち感じの風が吹いている。
『ここは、ドコなんだろう?』
『ん?』
Y字に分かれた道があった。
右と左、どっちに行けば良いのか分からないが取り敢えず右の道に進んだ。
『あっ!』
あの時の女性が立っていた。
俺が女性に近付くと女性は涙を流しながら、赤ちゃんを抱きしめていた。
『無事で良かったです!』
『ありがとうございました。』
女性と赤ちゃんは消えてしまった。
もう、しばらく歩くと、1人の老人がいた。
『あの〜』
『ん?』
帰り方が知りたいので俺は話しかけたが、老人は紺色の何かに包まれていたのに気付いた。
正直、違和感しかない。
パチン!
俺はいきなりビンタされた。
全く意味が分からない。
『???』
混乱していると
『お前、油断したな?』
やはり、全く意味が分からない。
『何すんだよ!』
『神を助けた、お前を試した。』
『神を助けた?何の話だ!』
『燃え盛る炎から神を助けただろう!』
『何の事か分からない!』
『あの子どもは神様だ!お前は悪魔が起こした火災から神様を助けただろ!』
『あっ!』
ここで初めて、俺は助けた赤ちゃんが神様だと気付いた。
『助けたから何だ!』
『お前みたいな弱い奴が、あの火災から神を助けられた理由を教えろ!』
『助けるのに理由なんてあるか!』
『なに?!』
『強いも、弱いも関係ないんだよ!困ってる人がいたから助けただけだ!』
『!!!』
紺色の何かに包まれていた老人だと思っていた人は、老人ではなく普通の男性だったのだ。
『ここまで来れる人間が、まだ数人いたとはな。』
『何、言ってんだ?』
いろいろ話を聞いていくと、急に意識が飛んでしまった。
目を開けて目覚めると3時間ほど寝ていた事に気付いた。
『あっ!夢か。』
取り敢えず俺は、夢で見た事に興味を持って夢で聞いた事をノートに書いた。
・俺以外に5人の仲間がいる。
・虹の力を持っている。
・人のまわりに見えるのはオーラ。
・仲間だとオーラが見える。
・オーラの色が、その人の能力。
・敵は悪魔。
・悪魔は黒いオーラをしている。
・悪魔は、いろんな能力を使う。
・悪魔はオーラの大きさで強さが分かる。
『聞いて覚えていたのは、これだけか。結局、あの人は誰だったんだろうなぁ。』
ピンポーン
『宅配便でーす!』
『あっ!はーい!』
ドタバタ
走って階段を降りた。
ガラガラガラ
玄関を開けると、視界が真っ暗になってしまった。
『なんだ?なんだ?』
パニックになって顔を隠していると、目の前に立っている何かが
『我こそはサタン』
『サタ…』
『!!』
腹部に激痛を感じた。
『うっ…。』
何が起こったのか分からないまま、うずくまってしまった。
『神の居場所は?』
うずくまって答えられないでいると、強烈な衝撃が来た瞬間、意識を失ってしまった。