カタオモイ、終わらせます。
この気持ちをどこへぶつけたらいいのだろう?
「今は付き合えない。…ごめん。」
困ったように眉をへの字に曲げて、申し訳なさそうに言う君。
「そ…うなんだ。うん、わかった。…なんかごめんね!気にしないで!」
笑って誤魔化したつもりだけど、きっといつも通りになんて笑えてない。今の私、可愛くない…たぶん。
付き合えないならなんで優しくしたの?
ていうか「今は」って何?いつなら付き合えるの?
私が君のこと好きだってわかってたよね?
…なんであんなに優しくキスしたの?
すごく嬉しくてその日は眠れなかったのに。
きっとすぐには忘れられない。
君の温かい感触。優しい声。あの時間。
でも、ずっと想っていても報われないなら終わらせなくちゃね。
…わかってる。
終わらせなきゃってわかってるよ。
だけど、困ったなぁ。
私、自分で思ってたより随分と君のこと好きだったみたい。
片思いってどうやって終わらせるんだっけ?
いっそ君が最低のクソ野郎で大嫌いになれたらスッキリするのに。
お願い。最後まで優しい目で見ないで。
「一緒にいると落ち着くのはあるんだけどね。」なんて。
…そんなズルい一言は要りません。
今までありがとう。楽しかったよ。
君を好きになれて本当に良かった。
だって君を好きな私を少し好きになれたから。
「…じゃあね。ありがと。バイバイ!」
頑張って振り絞った笑顔で手を振り、君に背を向けて歩き出した。堪えきれなくなった涙を見られたくなくて、上を向いて振り返らないよう必死にまっすぐ歩く。
最後に貴方の背中を見られなかった。
まだ…まだ好きだから目に焼き付けたかったな。
まぁでも、こんなに可愛い私の事を振るなんて後悔しても知らないんだから!…な〜んて強がらないとやってられないかも。
でも…いつかまたもし君に会えたら、あの時付き合っときゃ良かったって悔しがるぐらいイイ女になるから。