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その2
混雑が解消するのに手間取ったらしく、中隊の車列が動き出したのは1時間後だった。
「昨日、3区で大規模戦闘があったというのに、みんな、お気楽なものですね」
麻衣は周りのバカ騒ぎに些かうんざりしてきたようだった。
「あれくらいの戦闘規模になる事は珍しい事だけど、妖人絡みの事案はもう既に慣れっこなのでしょうね」
和香は外を見ながらそれがいい事なのか悪い事なのか、何とも判断できないような感じでそう言った。
すると、同時に目的地に着き、車が止まった。
「さて、そんな事より、これから任務開始ね」
和香はそう言うと、美緖達4人の方を振り向いて、
「それじゃあ、頼むわね」
と任務開始を告げた。
「了解しました」
美緖がそう言うと、後部ドアが開き、4人が外に出た。
と同時に、ワアッと言う歓声が上がった。
それに4人はびっくりして思わず立ち止まってしまった。
歓声は四方八方から響き渡り、収まる気配がなかった。
「と、とにかく地下に降りましょう」
美緖はどもりながら先頭を切って歩き出した。
それにすごすごと他の3人が続いた。