その3
4日後、美緖達は再び地下探索の任務に就いていた。
その間、美希は自分の任務が終わると、他の隊が集めた地下探索の情報を加えながら分析を続けていた。
今回の探索コースも美希が導き出したものだった。
「117Hより117Aへ。
現時点を持って、探索を終了。
近くのマンホールから帰投せよ」
地下空間で探索を続けていた美緖達に千香から入電があった。
美希が設定したコースだったが、朝からの探索にも関わらず、妖人との接触は全くなかった。
「117A、了解」
美緖は千香の呼び掛けにそう答えた。
「データがまだ足りないのです。
いや、分析の仕方が間違っているのです」
美希は何やらブツブツ言っていながら悩んでいた。
そんな美希を見ながら美緖は不安になった。
妖人と遭遇したらちゃんと戦えるのかという不安だった。
「美希ちゃん、大丈夫ですかねぇ」
美緖の不安を察したかのように美佳が言葉に出した。
小隊は既に帰投の為に動き出していた。
「何が『大丈夫?』なのだ?」
反対に美紅は何も感じてはいないようだった。
「美希ちゃんがブツブツ言っている事ですよぉ」
美佳は心配しているのだが、いつものホワホワした口調だったので心配が伝わってこなかった。
「いつもあんな感じなのだ、美希ちゃんは」
美紅は美紅はあっさりと言ってのけた。
確かに美希がああなるのは珍しい事ではないと美緖は思った。
作戦中も特に危険な行動をする訳でもなく、指示にはちゃんと従い、動きもいつもと変わらなかった。
あ、いや、たまにあっちだ、こっちだと言う事はあった。
だが、それはこれまでにもよくあった事で、今回はそれが頻発しているに過ぎなかった。
今だって、美緖の前でマンホールから地上に出る為に梯子をちゃんと登っている。
別に気にする事はないのかもしれないと美緖は訝しがりながらもそう思った。




