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その3

「どうでしたか?」

 藤田先生は休憩室に一緒に戻った洋子とゆりかに聞いてきた。


「はい、堪能しました」

 洋子は目を輝かせながらそう答えた。


「そうじゃないだろ!」

 ゆりかは洋子にそう突っ込んだ。


 そして、洋子を見ながらお前の将来がすごく心配だよと思っていた。


 ただ藤田先生はそんな洋子を叱ったりしなかった。

 特戦隊員付きの医者になる人間が極端に少ないせいもあるのだろうか?


 まあ、診察中はだらしない顔をしていたが、特に変な事をしなかった事も考慮しているのだろう。


「佐藤先生はどうでしたか?」

 藤田先生は改めてゆりかに聞いてきた。


「そうですね、やっぱり、普通の人間と余り変わらないのだと思いました。

 少なくとも外見は」

 ゆりかは率直にそう答えた。


「そうですね、外見は特に変わりがないと思います。

 普通の15歳の少女ですね」

 藤田先生はいつも通りにこやかにそう言った。


「ただ、力を出す時にリミッターが外れやすいので、筋肉系にトラブルが多い事には注意が必要ですね。

 今は訓練だけで、来年からは実戦に投入されるんだけど、訓練後と戦闘後は免疫機能が著しく低下する場合があるから気を付けてあげて下さいね」

 藤田先生は真面目な表情でそう言った。


「彼女達の回復能力は高いと聞いていますが?」

 ゆりかはそう聞いた。


「そうですね。

 確かに骨折や筋肉系のダメージ、傷の完治などに関しては回復能力が高いと言えます。

 ただ、先程述べたとおり、免疫機能が低下する時があって、私達がちょっと風邪引いたなと言う場合でも、彼女達の場合、発熱まで至る場合がほとんどです。

 場合によって、重篤になる可能性も」

 藤田先生は引き続き真面目な表情でそう説明してくれた。


「成る程、私達も体調管理が大事ですね。

 気を付けます!」

 横で聞いていた洋子が力強くそう言った。


 ゆりかはその力強さにちょっとびっくりした。

 いつもの事なのだが、いつも突然の事なので慣れなかった。


「そうですね。

 お二人とも、風邪なんかを移さないようにご自身の体調管理も怠りなくして下さいね」

 藤田先生は再びにこやかにそう言った。


「了解しました」

 洋子は張り切りながらそう言った。


「分かりました」

 ゆりかの方は極めて抑制的な口調でそう答えていた。

 そして、あんた、風邪ひいた事ないだろうと突っ込みたくなるのを我慢した。

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