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「海上コンテナで帳票を」
中途半端な重量のために沈むこともなく
ただただ海に浮かんでいるコンテナの上で
ひたすら帳票を刷っていたい
雨も風も雷も、それに伴う荒波も
ただじっくりと感じていたい
搬出状況を問い合わせたら
大海原へ旅に出よう
そうでなくても、海を見られる場所ならどこでもいい
配車表からも指図書からも名を消され
成す術なく海に浮かんでいるコンテナの上で
ひたすら帳票を刷っていたい
留まることを知らない空の彩りを
ただじっくりと見つめていたい
請求支払を済ませたら
どこかへ旅に出よう
決めちゃいないけど、ここじゃなければどこでもいい
そのエラーリストは僕のものじゃない
いつか、存在したことすらも忘れ去られ
悠然と海に浮かんでいるコンテナの上で
ひたすら帳票を刷っていよう
航海を進める船たちには手を振って
空を翔る海鳥と心を交わそう