「フクロウの報告 ～森の主が綴ったポエム～」
フクロウがホゥホゥと鳴く
時刻はまもなく午前零時
こいつぁ間違いないっ報告の時間だ！
フクロウが報告を行う時間だ！
フクロウは森の隅々の状況を報告した
東の湖で小鹿が群れと逸れていることを連絡した
親鹿たちといかに再会させるかを相談した
うぅむ、報連相カンペキでやんすよ
報連相をしっかり出来たから
ほうれん草を与えよう
え、フクロウって肉食？いや知らんがな
「報連相の子にはほうれん草」
それがこの森の決まりなのだ
フクロウの報告がしっかりしていたら
ほうれん草をたっぷりあげるのだ
果たしてそれがやる気の源となっているかは
私にもわからない
それでもほうれん草をあげたい
この森でむちゃくちゃ生えまくってるから
フクロウがまたホゥホゥと鳴く
時刻は既に午前三時
そうか！二度目の報告の時間だ！
フクロウがまた報告を行う時間だ！
フクロウは小鹿のその後を報告した
やがて小鹿は親と無事に会えたことを連絡した
次に以前から問題視しているリスたちの住処について相談した
いぇーい、報連相は欠かせない
報連相をしっかり出来たから
また、ほうれん草を与えよう
調べたけどフクロウって肉食なんだね！でも知らんがな
「報連相の子にはほうれん草」
それがこの森の決まりなのだ
フクロウの報告がしっかりしていたら
ほうれん草をたっぷりあげるのだ
果たしてそれでやる気を保てているかどうかは
私にもわからない
それでもほうれん草をあげたい
この森でむちゃくちゃ生えまくってるから
フクロウ feat.報連相
この森では必要不可欠さ
フクロウ feat.ほうれん草
決まりである以上、こうなっている
フクロウがホィホィと鳴く
時刻はなんと午前六時
おや？もう最後の報告の時間か！
フクロウが最後の報告を行う時間だ！
フクロウは今日を以って辞めることを報告した
他のフクロウたちも一斉に離職することを連絡した
何度も報酬がほうれん草だけなのは割に合わないと相談した、
しかし話を聞いてくれないから辞めると報告した
いずれ他の動物たちも職を離れるだろうと連絡した
私は焦りのあまりどうすれば辞めないでくれるかを相談した
「報連相がしっかりしてるなら
ほうれん草以外も与えるべきだ」
それは肉食動物の事情だろ？知らんがな
「報連相の子にはほうれん草」
それがこの森の決まりなのだ
フクロウは西に向かって飛び去った
与えるつもりだったほうれん草が、朝陽に照らされている
その眩しさで目を刺激されたからだ
潤んでいたのは、そのせいだ
次の日から、森のことを報告する者はいなくなり
次第に動物たちは、私から遠ざかるようになった
ほうれん草は、今もなお生えている
何なら、以前よりもっと生えている
報告がしっかりしていたら
ほうれん草をたっぷりあげるのだ
生きて再びこの夢を取り戻せるかどうかは
私にもわからない
それでもほうれん草をあげたい
この森でむちゃくちゃ生えまくってるから
