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組合


 串を食いながら塔周辺に戻る。

 串は甘ダレの効いた懐かしい味だ。美味い。また買おう。


 串と紙袋を道端のゴミ箱に捨て、言われていた神殿のような組合に入る。

 組合内の右手にはでかい掲示板に所狭しと紙が貼られ、それぞれクエストが書かれていた。

『求む! スラカトル蝶の触覚! 1本300ポイント!』

『15階ボス掃討! パーティメンバー募集!』

 等である。


 マジマジと眺めていると1つ気になるクエストを見つけた。

『スライムオイルを譲って! 1本500ポイントで』


 結構レアアイテムなのか?

 しばらくこれで稼げたらいいな。

 そう思いながら、奥のカウンターへ進んだ。


 カウンターには女性の受付がいた。

「ようこそ組合へ。あら、新人さんかしら?」

 見ただけでわかるのはなんでだろう?

 そういう能力があるのか、見たことの無い顔だからか。

「ああ、昨日来たばっかりなんだ。ここについて聞きたい」

「わかりました、簡単に説明いたしますね。あちらのテーブル席でお待ちください」

 俺は掲示板の反対側に沢山あるテーブル席の1つへと向かう。

 周りには沢山の人がわいわいと何かを飲んでいる。

 酒か何かかな?


 しばらくするとさっきの受付の女性がやってくる。

 普通に美人だが、違和感。

 耳が大きい。エルフか。

「珍しいですよね。そちらの世界から来た方は皆様そう言われます」

 マジマジと見過ぎだ。

「済まない」

「慣れてますから」

 ニッコリと笑顔でそう言った。


「さて、では御説明をさせていただきます。私はエミリ、組合のスタッフをさせていただいております」

「俺はシロウだ、よろしく。早速だけどクエストについて聞きたい」

「わかりました。クエストは基本、自由に発注、受注することが出来ます。発注の時はこちらに直接来てください。受注の時は紙を剥がしてこちらに持ってきてくださいね?」

「わかった」

「クエストは冒険者に不足するアイテムやパーティメンバーの募集、人探しなどにも使われますね。ただし、アイテムの売却相手を募集することは出来ません」

「何故だ?」

「それを発注した人が亡くなった場合、組合にアイテムがあると何かともめる原因になるためです。組合はポイントのみ預からせていただきます」

 確かにそうだ。レアアイテムとかなら尚更だな。


「発注には10ポイントと依頼達成のポイント、受注には100ポイントがかかります。ただし、クエストが成功すれば、受注のポイントは返還されます。つまりは保険金みたいなものですね。無理なクエストは受けないようにお願いしますね?」

「なるほど、ありがとう。他にここで出来る事はあるのか?」

「こちらでは、不要なアイテムを回収しています。基本的にどのようなアイテムでも何かしらの役に立つ物ですが、やはり余って売れないものもあります。それらをこちらで回収し、微量ですがポイントへと還元いたします」

「やはり取引した方が得、って事か?」

「そうですね。もしくは自分で使うのがいいかと」


 そう言われて、ふと水晶を思い出す。

 必ず落としたコレは何かに役に立つのではないか?

 俺は『収納』から水晶を取り出し、エミリに見せる。

「水の水晶ですね。こちらはアイテム合成や簡易的な武器への属性付与が出来ますね。合成については私は詳しくありません。錬金術師や調理師の職業の方が詳しいでしょう」

「なるほど、職業のスキル上げに必要そうだな」

「そうですね。属性付与の方はそのままの意味です。水の水晶なら剣に水属性を付与することが出来ます。ただし約10分程で効果は切れるので注意が必要です」

「わかった、ありがとう。他には何かあるか?」

「こちらは以上ですね。これからもよろしくお願いしますね」

「よろしくたのむ」

 俺は立ち上がり、受付に頭を下げる。


 そういえば、スライムオイルの依頼があったな。

 一本からでも平気だろうか?

 俺は掲示板に戻り、もう一度依頼を確認する。

 特に条件は無いな。受けてみよう。

 紙を剥がし、先程の受付が待つカウンターへ並ぶ。

「あら? 他にも何かありましたか?」

「ああ、いや、この依頼を受けたい」

「早速ですね、わかりました。少々お待ちください」

 受付は何やら呟いて、誰もいない方へ向き、会話を始める。

 何をしているんだ?


「おまたせしました。それでは少々あちらのテーブルでお待ちください、依頼主が来ましたらご連絡いたしますね? 次の方ー」

 受付は忙しそうに次を呼んだ。

 とりあえず後で聞こう。

 言われたテーブルに着き、飲み物を注文しようとウェイターを呼んだ。

 ここにもコーヒーがあるようだ。

 あの時はブラックだったけど、砂糖やミルクも欲しいな。


 ウェイターが持ってきたコーヒーには、今回は希望していた砂糖もミルクもある。軽くテンションが上がる。

 俺は両方とも入れ、スプーンでかき混ぜ、口を付けた。

 美味い。

 コーヒーはブラックも良いが、少し甘いぐらいが俺は好きだ。


 そんな一人コーヒー通を気取っていると、

「や。また会ったね!」

 と、長い尻尾をユラユラとさせながら、ミラが同じテーブルに着いた。

ありがとうございました。

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