二人の幽意義な時間

色褪せたレンガ調の壁。深紅の店舗テント。店名を記した看板はなく、緑色の扉には『営業中』の札が掛かっている。
それは、町の片隅にひっそりと佇む小さな喫茶店。
とある類稀な才能を持つ志貴が営むその店には、度々不思議な客が訪れる。
しがない小説家・祈理もその中の一人。彼女もまた、特異体質の持ち主で――。

少し変わっているけれど、それでも普通に暮らしている。
そんな二人の幽意義な時間の物語。