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しあわせは、雨の降る日にやってくる。  作者: 恵比寿 ヒナタ
3/11

孤独の意味

どうぞ拝見ください

時は来りて、雨は降る。

雨雲の下で流されて あなたは何を思う?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ひどい雨だな・・・」と初老の教師は宿舎の窓外を見る。

「あの子は、今日も外にいるのかな。」

雨が好きだ。と、いつも声高に叫んでいた不思議ちゃんは元気だろうか。


「やりたいことは何か」

昔、道徳の授業で上がった議題だった。

授業で挙手を募っても、誰一人として意見を言わなかったから

翌日に紙に書いてもらおう、と思い宿題にした。

ゆとりだなんだか知らないが、ほとんどが2,3文でまとめていた。

出席番号25、26,27・・・・・と読んでいくうち、30番のもので手が止まった。


     自分のみている、大好きな世界を他の人間にも教えてやりたい。


彼女の字だと思われるそれは、非常に力を込めて濃く書かれていた。

教師ーケルトはこれを書いたラインという子に興味を持った。


早朝のとある朝、ケルトは、ラインに質問してみた。

「君の好きなものって、何かあるかな。」

ラインは少しだけ考えて、

「なにもないけど」

「え。」

「なにもありません。」

ケルトは少し困った。

「本はよくよんでいるよね」

「ただの暇つぶしですよ」

その後もそこから話は進まなかった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ライン・ガードナー。成績はクラスで中の上、あまり意思疎通が得意ではない少女。

ラインは当初、9歳ぐらいの頃まで極度の対人恐怖症で「誰か」に対して声を発することさえ

困難な状態であった。

 それがましになっていったのは、いや、「まし」になったという表現が正しいかわからないか。

彼女は、10歳のときから読書をするようになっていった。

はじめに語ったように、ラインは一種の中二病をこじらせている。

もともと思い込みが強いほうだったからだろうか、ラインは本に出てくる登場人物にひどいほどの

憧れを抱き、だんだんと自分が「ほめられる」人間だと考えるようになった。

ラインはふと案が浮かんだ。

  「理想のわたしでいさえすれば、これまでみたいに惨めにはならないんじゃ・・?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

16歳のライン・ガードナーは、雨を見ながら考える。

 ほんとなら、私には何もなかったのに。

 それでも、見栄を張っていたかったから、たいして愛着もない「読書」を続けていた。だって

 私から本をとれば、何も残りはしなかったから。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


とある底にて、

魂たちが雨水の中を泳いでいる。

浮かんで楽しむものがいた。

おぼれて辛いものがいた。

 降り続く雨の中、誰もしらない時間に、どんな価値があるというのだろうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『せおうひと』



思ひの重さに耐えかねて


背負うのは無理だといいました


すると周りの人々は、私が嫌だと言うのです。


てめー勝手に預けておいて、私が悪いといったのです


そしたら私も怒ります


それでも遠慮はしているじゃないですか


雨の下に立ってみな


暗くても大丈夫だから


ざあざあ雨音きいてみて。








 






つらいことが多いのが人生。ですよね。

感想くれると嬉しい!

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