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異世界鳥獣人物戯画  作者: エンペツ
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Cー27「そういうセンス」

「お前見事にスイーツばっかりだな」


「あんただって茶色い物ばっかりじゃない」


 一通り料理の置かれた机を周り、部屋を仕切る様に配置されたテーブルにつくと、お互いのトレーにあるものを見て、思った事を呆れ顔で言い合うアリーと山田。

 アリーのトレーには、何枚もの皿がトレーの縁ギリギリに落ちない絶妙なバランスではみ出して置かれ、それらの皿一杯に色々な種類のケーキがこれでもかと山と積まれている。

 山田のトレーには3枚皿が置かれ、唐揚げと海老フライ、ガーリックソースのステーキとデミグラスハンバーグ、そしてカレーライスといった見事に茶色い物が、こちらはそれぞれ適量置かれている。


「茶色い物は美味いからな。多分古事記にも日本書紀にも載ってるしな、載ってなくても編纂した人は載せたかったはずだ」


「じゃあ、うんこでも食べてなさいよ、カッチカチのを」


「うんこは食いもんじゃね〜!食事時にやめて!カレーもあるの!」


 木目が美しい長方形のテーブルの長辺に、並ぶ様に置かれたベンチシート。その真ん中辺りに陣取る山田。

 その向かい側に、山田から見て右が琥珀、左に碧が座り、アリーがテーブルの上に山田と琥珀の横顔を視界に収める様に陣取っている。琥珀と碧の後ろ側がビュッフェ形式の壁だ。

 山田はまだ子供体型な自分に慣れていないのか、大人だった頃のイメージが抜け切れていないのか、琥珀と碧、特に山田には少しテーブルが高く、座った椅子では足が地につかずプラプラとさせている。

 大人用としては少し小さいが子供用としては少し大きい中途半端なサイズになってしまった。


「あちゃ〜ちょっとデカかったな〜、失敗したかな〜」


  山田の首の付け根辺りにテーブルの縁が来ており、生首が晒されている様な格好だ。

 必然的に肘をついて食べる事が予想され、そのうちに椅子に立ち上がって食べ出すだろう。

  行儀の悪い恰好であるが、指摘したり注意する誰かがいるわけでもなかった。

  元々おっさんである山田が気をつけるべきことなのだが、子供だし誰がいる訳でも無いしと現在の山田はそういった事に頓着しなかった。

  体格的に1番大きい琥珀はまだマシだが、1番体格の小さい山田が必然的に酷い有様になっていた。


「修正すれば良いじゃない」


「まあ、良いよ食いづらいけど食えないわけじゃないし」


 山田は気を取り直す様に琥珀と碧の料理に視線を移す。


「琥珀と碧はバランスが良いな〜」


「ありがとうございます」「ます」


「でも量が尋常じゃないな。もはやその量だとバランスとかよく分からないな」


それぞれ3つのトレーにてんこ盛りにいろんなものを乗せ、手ファンネルに運んでもらった琥珀と碧。お互い料理の隙間から顔を覗かせながら話す。


「すみません、食べられる時に食べておこうと思いまして」「次いつ食べれるか分からないから」


「習性が残っているのかね、まあ、おかわり自由だからね。お、オムレツも取ったのか良いね〜」


 ゴブリンからラブリンというふざけた種族に変化しても、習性はなかなか抜けない様だった。が、食べられる量は以前よりも格段に増えていた。

 山田はその皿の一つに大量に盛られ、もはや黄色と所々赤い色の山となったオムレツ山が目に付いた。


「はい。良い匂いがしたのと、大きさや匂いは違いますが、よく食べていた虫の卵に形や色が似ていたもので、何となく取ってしまいました」


「え、む、虫の卵?そ、そうなんだ」


「はい、基本的に死骸に産みつけられているんですが、時々仲間が体内に卵を産みつけられて、中から食い破られてました。苦くて生臭いんですが、栄養満点なんです」


 嬉しそうに答える琥珀の隣で、真剣な表情で大丈夫か確かめる様にフォークでオムレツをツンツンとしている碧。

 一つづつでは黄色に赤のコントラストが美しいのだろうが、もはや山と化したオムレツ山は拝みたくなる様な気さへしてきた。その山は碧に突かれるたびにプルンと震えている。


「そ、そうなんだ〜。虫を食べる食文化もあるしな〜」


「このご飯粒に似た卵もあって、耳の中や鼻の中、目の中に大量に産みつけられて脳みそを食べられて、のたうち回ってました」


 漫画の様に茶碗にこんもりと盛られたご飯を両手で掲げながら琥珀は満面の笑みで応える。


「そ、そっか〜、それは、気を付けないとね。でも今回は虫的な物はないからね」


「「はい」」


 少し引きながらも自分の頭の中に沸いた勝手な虫のイメージを払拭する様に、気を紛らわす様に、金太郎達へと視線を移す。

 山田側の床には金太郎達がおすわりの姿勢で尻尾を振っているが、金太郎の口から涎が滝の様に落ち、視線は目の前に置かれた山盛り肉まみれのトレーに釘付けだ。


「金太郎は、俺と仲間だな。ヤマブキもバランスが良いな〜、刺身に、お、鮑の踊り焼きもか良いね〜」


 主人に褒められ嬉しそうにするヤマブキ。魔狼たちもヤマブキの真似をしたのか同じ様なメニューになっている。





「それでは今回の優勝者を発表します。今回の優勝者は」


 一通り確認し終えた山田がそう言い目を閉じると、いつの間にか辺りは暗くなり、スポットライトが山田に当たっている、そしてこれまたいつ出したのか手ファンネルがドラムロールを叩いている。ドドンと最後に叩き終えるとー、目を開け口を開く


「あたしです」

「そうですアリーです」


 スポットライトがアリーを照らす


「って何でだよ!」


 照らし出されたアリーは両手を腰に置き胸を張りフヨフヨと飛んでいる。


「あたし以外に誰がいるって言うのよ」


「お前な〜」


と明るさを戻し山田が嗜めようとした瞬間。

ぐごおおおおおおおおおおと凄まじい音がする。


「な、何だ?この音は敵襲か?」


山田はキョロキョロと周りを見渡し、ふと琥珀と碧を見ると顔を真っ赤にしている。


「あ、そ、そうだよな腹減ってるよな」


「すみません」「ません」


 金太郎を見ると涎がナイアガラの滝の様に垂れている。


「あんたが余計な事してるからよ」


「確かに!」






忙しすぎて、ゲボ吐きそうでしたしこれからは血を吐きそうな忙しさになりそうです

あと、全然覚えてないな〜まあいいか

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