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異世界鳥獣人物戯画  作者: エンペツ
18/34

c-17「確認して」

「あいたたたた、特定の人達にとっては見ただけでショック死しちゃう位とんでも無い攻撃だったな」


毟りとられた髪の毛がヒラヒラと舞う様子を見ながら、哀しみと痛みに耐えて<修正>スキルで毟られた部分を治した山田は、この能力も特定の人達からしたら喉から手が出るほど欲しいだろうな、と思いつつそんな事態を引き起こしたアリーを探す。

アリーは何事もなかったかの様にテーブルに戻りケーキを美味しそうに食べている。


「いや、その切り替えの速さは何?」


そんなツッコミもアリーには届かない様で山田もテーブルへと戻り倒れた椅子を直し座ると、アリーがケーキが無くなったと催促する。


「ま~だ食うのかよ」


 わざとらしく呆れたように驚く山田。


「ケーキは別腹よ」


「いや、それは前に聞いたし相変わらずの使い方だけど、今日はもうこれが最後だぞ」


「えええええええ〜ケチ〜ケチケチのケチンボ〜。アホでバカのクソ野郎」


スプーンんでティーカップをカンカンと叩いて講義するアリー


「行儀悪いな〜、ケチじゃありません。何個食べたと思ってるんだよ、これだと一生ケーキを出し続けないといけないやつじゃないか。あと最後はただの悪口」


「じゃあ苺のやつね」


とリクエストされた苺のショートケーキを出してあげるとアリーは、不服そうだがありがとうと言い、心なしかさっきまでよりも味わいながら大事に食べている様にみえる。

そんな様子を眺めつつ金太郎達に目を移すと、リラックスした様子で寝ている。ヤマブキ達が伏せて寝ている様に見えてたまにこちらの様子を伺っているのに対して、金太郎は仰向けに無防備に腹を出してフガフガ言いながら寝ている。


「本当にお前はそれで良いのか」


そんな様子に和みつつ少し落ち着いた山田は一応ステイタスを確認してみる。



名前ー山田貴之

種族ー人?

職業ーアニメーター


《オリジナルスキル》

<作画> <修正> <デザイン>


《スキル》

<観察眼> <審美眼> <真贋> <理解> <分解> <再構成> <分析> <立体・空間把握> <時間感覚> <トレス・クリンナップ> <合成> <模写> <レイアウト> <圧縮> <拡大・縮小> <雑学> <鑑定> <魔力感知>New


《耐性》

<状態異常> <精神異常> <属性>


《称号》

<異世界人> <縁の下の力持ち> <生まれ変わりし者> <絵描き> <職人> <世界樹と繋がりし者> <大賢者の加護 > <金太郎の飼い主>



「お、増えてるな〜分かってたけど、こうやって見ると嬉しいもんだな。酷い目にもあったけど」


「良かったわね」


 ケーキに興味が移っているアリーはそっけなく答える。


「俺ってあれか世界樹の実を食う事で持ってるスキルを解放したり、得たり、更に鑑定スキルを手に入れた時みたいに自然にスキルを得られるってわけか」


「鑑定スキルを得た時?」


山田は鑑定スキルを得た時の状況を話す。アリーは少し考えると


「あんた結界から出る前にお母様から何か貰わなかった?」


山田は世界樹の元で座っている時に、お腹が減って見上げた枝に付いていた林檎と桃が落ちて来た事を思い出していた。


「ん?そういや世界樹の根元にいる時に林檎と桃みたいな果物を食べた気がするな」


「じゃあ多分その果物のどっちかのおかげね」


「え?そうなの?なんだよ、スキルがヌルッと発現したのかと思ったのによ〜」


「残念だったわね」


「まあ、正直どっちでも良いけどな」


「色々まだ使われてない機能があるけど必要になったら開いてあげるわ」


「てか色んな機能が隠されてんのかよ、今やってくれよ」


「嫌よ、面倒くさい」


 ケーキを食べるので忙しいと言わんばかりに味わいながら食べるアリー


「ええ〜、面倒臭いのかよ。ケーキを食いたいだけだろ」


 ケーキをスプーンで掬って口元に持っていく様子をジト目で見る山田。


「やっても良いけど、さっきみたいになるわよ、酸っぱいだけじゃなくて、辛かったり、苦かったり、臭かったり、ゲロだったり、うんこだったり、味はランダムだから一気にやると大変だと思うけど」


「いや、もうなんかおかしい味があるだろ、ゲロとかうんこって何だよ、本物じゃないよな?」


「・・・・・・・・・・」


「なんか言えよ!ゲロやうんこ食って使えるようになる機能って何だよ!」


「やめていただけます?ケーキを食べてるのにゲロとかうんことか」


「お前が言い出したんだろ、美味しいのはないのかよ、甘いのとか」


「あるかもしれないわね」


「なんだよ~かもしれないって、あるって断言してくれよ~そしたらちょっぴり勇気が出るから〜」


「あんたが、とっととお母様の元から離れて行っちゃったんだからしょうがないでしょ、本当はあの場所で色々やるはずだったんだから」


 山田の方を向きスプーンをフリフリ指すアリー


「え?そうだったの?」


「そうよ」


「ええ~そりゃ分かんね~よ~。結構な時間佇んでたと思うけど。だったら今から戻れば良いじゃないか」


「ダメよ結界に入ったらあんたの圧力がなくなって、山田の霊圧が消えたってなっちゃうから。あんたのせいでこの辺の魔物が居なくなってるんだから。本来いるはずの場所の魔獣や魔物が他の魔物の縄張りへ入ってみんな息を潜めてるのよ、あんたがいなくなった途端、至る所で不要な争いが起きるわよ。弱肉強食の世界と言ってもそれはちょっと可哀相よ」


「そうらしいけどさ~、だからこの森はずっと静かなんだもんな」


 山田は何だよ初めから使えるようにしといてくれよあの大賢者め、というかそういうことは最初から言っといてくれよ~とは思うが説明の下手さ加減と時間の無さを思い出し、今更言ってもどうしようもないので、まあいいかと思い直す。


「じゃあ必要になったらで良いか、しかし森って広いんだろ?そんなに密集しているのか?」


「ものすんごく広大よ、場所によってはまだ拡大してるわ」


「だったら大丈夫なんじゃ無いか?」


「そうもいかないのよね~、強い魔物が縄張りを出ちゃって、そこにいた弱い魔物が強い魔物の縄張りに入ったり、、縦横無尽に逃げちゃったり、野次馬根性か遠目にこっちの様子を窺ってるのが集まってきてたり、てんやわんやの大騒ぎよ」


「静かなのにてんやわんやの大騒ぎなのかよ。じゃあ、どうすれば良いんだよ」


その時ヤマブキと魔狼達がガバっと起き上がり唸り声を上げ始める。





明けましておめでとうございます。


投稿も話も遅々として進まないのに、何だかんだブクマというものを外さずにいて下さる方々。忘れているだけかもしれませんが、伏して感謝申し上げます。そんな皆さんの今年一年が良い年になりますように。


今年もよろしくお願いします。

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