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ネタバレ男

作者: シンユウ

僕は今日もコメントをする。みんなが求めているんだ。これでみんなのモヤモヤが解消するだろう。僕はなんていい人なのだ。

僕は推理ものの犯人の名前をコメント欄に書き込み、送信ボタンを押す。いい仕事しました。

ネット上の動画サイトにはコメント欄がある。僕は既にこの物語を読破しているので、最後の展開まで知っている。そう僕はこの瞬間、神になったのだ。まだ、話の展開もわからない愚民どもに僕が教えてやろう。僕は本を買った男。情報強者なのだ。情報弱者など生きる価値なし。僕には金と時間がある。趣味はネタバレだ。本屋に行き、帯を見る。そろそろテレビ放送開始なんて書いてある本を大量に買い、ネタを仕込んでいる。大変な作業ではあるが、これもみんなの為だ。みんなの感謝の声が聞こえてくる。

もしもし。もしもし、聞いてます。なんか声が聞こえるな。感謝の声ではないぞ。僕は声のする方を振り向くとそこには薄気味悪い男が立っていた。

なんで、こんな時間に12時を回っている。幽霊なのか。おい、お前は何だ。僕は気が動転して、答える訳もないだろうに声をかけた。

すると、その男が答えるではないか。私、こういうものです。なぜか名刺を渡してきた。名刺には死神とでかでかと書いてあった。このくだりはいるのか。

なんで、名刺なんか渡すんだ。口で言えよ。僕は無性に腹が立ち、怒鳴り散らした。

まあ、まあ、落ち着いて下さい。私は丁寧をモットーに生きてますので、否、死んでますが。なんかどこかで聞いたことがある下らないジョークを聞かされ、更に機嫌が悪くなった。一体、こいつはなんだ。死神なんている訳ないだろう。そんなことを思っていると。突然、死神がしゃべり出す。

ところが、ちゃんといるんですよ。ただ、人が死ぬ時しか私達は人前に出ないだけです。そういうことであなたにお話があって来たのです。

いいですか。ちゃんと聞いてくださいね。あなたの寿命は一年です。一年後に確実に死にます。

ちょっと待て、なんで一年も先のことを今、言うんだ。こういうのって普通、一週間前くらいに現れて、言うのがセオリーじゃないのか。

僕は死神に文句を言う。いや、そうなんですが、私、ネタバレが趣味なんですよ。なんか、もう知ってしまったら、言うしかないじゃないですか。情報は分ち合わないと。みんな本当は早く知りたいんですよ。自分の物語の結末をちなみにあなたは一年後、この下に埋まっている不発弾が爆発して死にます。

なんで、結末を言うんだ。僕はまだ、死にたくないし、もっといい人生を満喫したいんだ。未来がわかってしまったら、人生なんて面白くも何者でもない。

僕の人生を返せ。後、一年あったとしても、生きる気力が湧かない。この悪魔め。

否否、違いますよ。お兄さん。私は死神で悪魔ではありません。あくまでも死神です。

後、そうそう、無理矢理死のうとしてもあなたの人生は決まっているので、強制的に生かされます。だから、そんな文句言わず、しっかり人生を満喫して死んでください。そう言って、死神は消えてしまった。僕は人生に絶望し、髪の毛が急に白くなり、体が老衰し始めた。ちょうど一年後に死ぬ程度に。

これが僕の物語か。あの死神め。よくもネタバレしやがって。とんでもないやつだ。死んでしまえ。と僕は叫んだ。

その頃、どうみても自業自得。ネタバレ男撃沈!とあの世放送に、死神達が一斉にコメントを送信した。

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