魔神ウガヤ/パイロット版【シナリオ形式】
■解説>
音声付webマンガ用に思いっきりレトロな伝奇冒険特撮巨大ヒーローもの風をめざした原作で、28ページ想定。(もちろんそんなもの誰も描いてくれず、企画流れとなりました。(汗))
■粗筋>
考古学を学ぶ大学院生の奈那子は、皇族の子孫で神鏡を持つ。彼女は伊賀忍者と名乗る陣介に守られているが、悪の火襖一族に狙われている。
その日、刺客は大学の研究室にまで現れた。
■人物>
奈那子:梨礫奈那子。呉意寺の生徒で一応、元皇族の家の出身。小さな「銅鏡」をネックレスにしている。イメージは20代前半でロングの眼鏡っ娘。
呉意寺:呉意寺源五郎。老考古学教授。少しクレイジー。
陣介:横山陣介。通称「風の陣介」。伊賀の忍びと名乗る好青年(野生的な美形(笑))。
灰色忍者:火襖一族の刺客。
丹波:戦国時代の伊賀の土豪。
■巨大生物>
ウガヤ:古代魔神。古墳時代の甲冑のようなのデザインの忍怪=怪獣…ですが、巨大ヒーローのイメージでお願いします。
ジライ丸:灰色忍者が操る、ガマガエルの忍怪。こっちは完全に巨大怪獣です。
テーマ曲ワンコーラス動画 (vo:初音ミク)
https://youtu.be/mS-bGl60fOs
[1]
□
キャプション「天正伊賀の乱|(1581)」
ゴォォォ・・・
砦が燃えている。
戦国時代の合戦の真っ最中。
□
砦の一室。
鉢巻をした白髪で総髪の老将が鎧を脱いで座って、巻き物を見ている。
丹波「…これまでじゃな。」
□
短刀を手に切腹の体勢。
丹波「ウガヤさえ復活すれば織田の軍勢などに…」「これも運命か。」
□ 燃え盛る炎の中、走り去ってゆく忍者(陣介)の後ろ姿。
丹波の声「頼むぞ、陣介…復活まであと四百数十年。」「神鏡を受けついだ方の力になってくれ…」
[2&3]
□
T「魔神ウガヤ ~パイロット版」
[4]
□ 東京。首都高速。
□ 車内。
奈那子が運転中。助手席には陣介(普通の田舎青年という感じ)。
奈那子「まったくぅ…運転もできないなんて。」(溜息)
陣介「……申し訳ありません。」
奈那子「あんな田舎で車が無くてよく生活できたわね?」
□
陣介「用のあるところは走れば1日で行けますから……」
奈那子「東京では走っちゃだめよ?」
□
奈那子「忍者が出現なんて、きっと大騒ぎになるから。」
汗をかいて真剣に
□
陣介「見つかるようなヘマはしません。」
奈那子「見つからなくてもダメっ!」
[5]
□
陣介「…………姫様のご命令なら。」
□
奈那子「その呼び方もやめて! 私は梨礫宮…じゃなくて、梨礫奈那子!」
陣介「……それでも皇族ですよね?」
□
奈那子「お祖父さんのお祖父さんが天皇だったって言っても、パパは普通のサラリーマンよ。わ、私だってただの大学院生なんだからッ。」
陣介「では……奈那子様。」
□
奈那子「それもダメっ!」「普通の友達に見えるよう、呼び捨てにしなさい!」
陣介「呼び捨て…ですか。じゃあ…」
□
陣介(さわやかな笑顔でつぶやくように)「……奈那子ッ。」
□
どきんっっっ!!
奈那子、ハンドルを握ったまま超真っ赤。
[6]
□ 空
ぷぁぁぁん!!
キキキキキキーッ!
声「ばっきゃろー!! 気をつけろい!」
奈那子の声「……………………『様』づけでいい。(涙)」
□ (場面転換)アパートの一室。
二人が立っている。
陣介「この部屋を、私に?」
奈那子「ええ、自由に使ってちょうだい。」
□
陣介「勿体なきこと。私などは奈那子様の部屋の天井裏か床下で…」
□
奈那子「一般人は床下になんか寝ないのッ!」
□
溜息をいてる奈那子と不思議そうに見ている陣介。
モノローグ「陣介は…フィールドワーク先の伊賀で知合った不思議な人。戦国時代から来た忍者だそうで…ウガヤを呼べた私のことを『尊き筋の巫女』とか言うの。」
「黙ってればけっこう……なのにねぇ?」
[7]
□
奈那子、一人で車を運転してる。
奈那子「冗談じゃ無いわよね!」
□
奈那子「陣介に天井裏になんか入られたら、気になって(検閲削除)もできやしな……」
□
ハッ!
奈那子、気づいて真っ赤に。
□
車、汗を飛ばしながら走り去る。
奈那子の声「わ、私ったら、なんてハシタナイことをっ、、、(赤)」
□
電柱の上で見下ろしてる影。(灰色忍者)
ククク…
[8]
□ 大学。
キャプション「翌日---」
□ 考古学研究室。
いろんな時代の遺物とか出土物が乱雑に散らばっている。
奈那子(扉を開けて)「呉意寺教授、つれてきました。」
□
呉意寺「おお、君が刺客から奈那子君を助けたという?」「横山陣介……古文書に名前の残る伊賀の勇士に会えるとは光栄じゃ!」
握手しようと手を出す。
□
陣介「…………」(不審そうに見ている。)
□
奈那子「陣介、握手っていって、右手を預ける挨拶なのよ」
陣介「いやです。」
□
陣介「右手は武器を持つ手……やたらと他人に預けるわけにはいきません。」
[9]
□
呉意寺「ホホホッ! まさに本物の忍者!?」「…そうそう奈那子くん、古事記と伊賀の関係についてまた新しい発見があったぞ。」
□
呉意寺「資料を持ってくる、ちょっと待ってなさい。」
椅子に座った二人を置いて、呉意寺は部屋から出ていく。
陣介「古事記?」
□
奈那子「教授は、|正勝吾勝勝速日天忍穂耳命《マサカツアガツカチハヤヒアメノオシホミミノミコト》や鵜萱耶葺不合命に、伊賀忍術との深い関係があるという説を唱えてるの。」
□
陣介「マサカツアガツ…? ウガヤフキアエズ…?」
□
奈那子、湯飲みを手にして口に近づけながら
奈那子「伊賀の伝承とも何か関係が…」
バッ
急に立ち上る陣介。
[10]
□
奈那子が飲む寸前で湯飲みの上から陣介が手を置いて邪魔していた。
□
奈那子(汗)「……な、なに?」
□
陣介、真剣な表情で周囲に目を配る。
陣介「姫様…」
□
ドキッ
奈那子「は、はい…」
なぜか赤面してくる奈那子。
[11]
□
がばっ!!
陣介、奈那子に抱き着いて床に押し倒す。片腕は奈那子の頭にまわしてる。
奈那子「きゃあっ!?」
□
陣介(目を閉じて絶叫)「わぁぁぁーーーーーーっ!」
奈那子、頭を抱きしめられ、両手で耳を抑えながら抵抗。
奈那子(必死)「待って! あなたにならあげてもいいけど初めてだから乱暴にはしないでぇーーーっ!」
[12]
□ 窓
どがぁあぁあぁあんっ!!
爆発で吹っ飛ぶ窓。
□
パラパラ…
奈那子「え゛……」
背中が真っ黒になった陣介の下で。(陣介は服の下に忍び装束と鎖帷子を着ていた)
[13]
□
二人とも、爆発と転倒で着衣が乱れてる。
陣介(身を起こしながら)「危なかった…鎖を着込んでなかったら殺されてたな。」
奈那子「ば、爆弾?」
□
陣介「耳を抑え口を開いて大きく叫ぶ。爆発時に鼓膜をやられないための正しい対処、よくご存知でしたね。」(ニッコリ)
□
奈那子(身を起こしながら)「どういうこと?」
ボタンの飛んだシャツの胸のところに、ネックレスにされた銅鏡が。
陣介(周囲を探りつつ)「火襖一族でしょう。」
□
奈那子(鏡を見つつ)「また、この銅鏡を狙って…」
陣介「……来ます!」
陣介、どこから出したのか忍者刀の鞘を掴んで下げ緒を口にくわえてる。さらに
上着を脱ぎ…
ドカドカドカッ
[14]
□
消防隊員「消防です! 大丈夫ですか!」
扉を蹴破ってきた消防隊員に、忍び装束の陣介が忍者刀を手に飛び掛かってゆく。
□
奈那子「陣介、ダメっ! それは消防…」
□
ガキィィィッ!
消防隊員と陣介が、歯を剥いて忍者刀で斬り結ぶ。
[15]
□
陣介が飛び離れたところで
消防隊員「ふっ…あの程度の爆薬ではやはりとどめを刺せなかったか。」
□
陣介、奈那子をかばいながら
陣介「火襖一族…貴様らに神鏡は渡せん!」
奈那子、銅鏡をしっかり抱きしめてる。
□
消防隊員、ヘルメットを脱ぐと火襖の灰色忍者に。
灰色忍者「やむをえん。少々強引な手を使おう。」
と、口に巻き物をくわえる。
□
陣介「!」
[16]
□
ドドドドド…
建物が崩れ、巨大なガマガエル|(ジライ丸)が出現。灰色忍者はその背に。
[17]
□ 瓦礫の山。
逃げ惑う人々の中で、膝をついている奈那子と、必死の表情で彼女を守ろうとして
いる陣介の二人。
陣介「火襖忍怪・ジライ丸か!」
キャプション「火遁・水遁・土遁・金遁・木遁の五遁の術のさらに奥の秘伝、それが忍怪操導の術である!」
欄外「危険なので、忍者の修行をしてないよい子は真似をしないでください」
□
奈那子(銅鏡を手に呆然)「あ…うがや…」
□
奈那子(絶叫)「ヴカヤー!!」
[18]
□ 空。
何かが飛んで近づいてくる。
グァァァァァ
□
ウォォォォォン!
飛んできたのはウガヤだった。(音はウガヤの咆哮)
□
ズバァァァン!!
ウガヤがジライ丸の前に着地。
キャプション「梨礫奈那子が神鏡を手に呼ぶとき、古代忍怪『魔神ウガヤ』が
熊野の山中の遺跡で共鳴し、どこであろうと二十秒で飛んでくるのである!」
[19]
□ウガヤの兜の八幡座。
ウィィィン… ヴォォォォ… ゴゴゴゴ
白紙の巻物が開いて、銅鏡を構えた奈那子と陣介の周囲に結界を作る。
声「伊賀流・忍怪操導結界!」
キャプション「頭部に作られた結界の中で、奈那子はウガヤを操導するのだ!」
欄外「危険なので、尊き筋の巫女でないよい子は真似をしないでください」
書き文字「真似できるかッ!」
□
フッ… フッ…
巻き物の紙面に大量の万葉仮名が現れては消え……。
奈那子「いくわよウガヤ。敵は火襖流忍怪・ジライ丸!」
□
くわっ
ウガヤの目が光る。
[20]
□
ガシッ…
ウォォォォン
ウガヤ、ジライ丸に掴み掛かる。
□
ドドドド・・・
ウォォォォン
ウガヤとジライ丸が掴み合ったまま、ビルを崩しながら転倒。
瓦礫が飛び散る
[21]
□ 結界の中
陣介「むう…やはり力任せでは、四つ足の敵には…」
奈那子「ウガヤ、立って!」
□
ジライ丸「しゃぁぁぁぁっ!」
ウガヤから離れたジライ丸が舌を伸ばす。
□
シュルシュルシュル…
瓦礫の中から立ち上ったばかりのウガヤにジライ丸の舌が絡み付く。
□
ニヤッ
灰色忍者が笑う。
[22]
□
バリバリバリバリバリ!
灰色忍者の声「火襖流・忍怪妖術! カミナリ蝦蟇!」
蝦蟇の舌を通して電撃が。
□
ズシィン!
舌に絡み付かれたまま火花を散らし、ウガヤ転倒。
[23]
□ 結界の中。
バリバリバリバリ!!
奈那子「きゃあぁぁぁぁっ❤」
周囲に電撃が走る中、奈那子が陣介に飛びつき、二人とも転倒。
□
結界の中に倒れてる二人。
陣介(優しく引き離して)「この程度の攻撃では結界は破られません、落ち着いて!」
奈那子(なぜか残念そうに)「あん…せっかく……」
□
ウィィィィン
巻き物に万葉仮名の文字列が大量に浮かんでくる。
□
ふたりとも驚きながら、
奈那子「はっ、これは…?」
陣介「奈那子様、ウガヤの必殺技を使える時刻です! 早く呪文を!」
□
巻き物に映し出された「正勝吾勝勝速日」の文字を見ながら
奈那子の声「ええと、マサカツ…」
□
奈那子の声「アガツ…」
ヴィィィィン……
ジライ丸とウガヤが取っ組み合ってる中、周囲がいきなり暗くなってくる。
[24]
□奈那子の声「カチハヤヒ!」
ウォォォォン
グァァァァァッ!
強烈な光が天からジライ丸に落下。
[25]
□
ギァァァァァァ!!
ジライ丸が、断末魔の叫びを上げながら灰色忍者ごと燃え落ちていく。
□
さらに燃え落ちていく。
□
驚いてる奈那子。
陣介「これぞ、伊賀流・忍怪妖術……『勝速日』!」
キャプション「カチハヤヒとは、正午の太陽光を一点に集めて敵を焼き尽くす、ウガヤの必殺技である!」
[26]
□ (場面転換)
ビルの屋上にいる二人。
奈那子「火襖一族は、この銅鏡を奪うまで襲って来つづけるのかしら?」
陣介「伝説の古代忍怪・ウガヤを操導できる神鏡ですから、簡単には諦めないでしょう。」
□
陣介「そして神鏡を使えるのは尊き筋の巫女様だけなのです。だから、奈那子様のこともきっと…」
□
奈那子「私はただの大学院生で、巫女なんかじゃ無いってば!」
陣介「でもウガヤは奈那子様の呼びかけだけに応えます。」
□
奈那子、諦めたような表情で柵にもたれてがっかりと
奈那子「…どうしても、私じゃないとダメなの?」
ふわ・・・
風が出てくる。
[27]
□
陣介「そうです…火襖一族や、その黒幕のやつらにウガヤを悪用されないためにも…」「奈那子様でないとダメなんです。」
パサッ
奈那子に黒い羽織をかける陣介。
□
奈那子、顔を赤らめながら視線を逸らして羽織の襟に手をやり。
□
奈那子(困った顔で)「もう……」
目をつぶり羽織の襟を口元に。(まるでキスするかのように)
[28]
□
奈那子(決意の表情)「わかったわよ! やってやるわよッ!!」
陣介、後ろで笑顔。
□
屋上から去って行く二人。
奈那子「そのかわり、ずっと私のこと守ってよ、陣介!?」
陣介「もちろんです、姫様。」
奈那子「その呼び方はダメっ!!」
陣介「わかりました、……奈那子ッ。」
奈那子「そっ、それもダメ! (以下小さく書文字)たまには言って欲しいけど…(赤)」
キャプション
「『黄泉返るウガヤ』
~「魔神ウガヤ」イメージテーマ
(作詞:竜口喰代/作曲:青木崎仲綱)
♪ 響く木魂 轟く疾風
往古の闇から
遥かな眠り 目覚めついに
いま猛りだし うなる咆哮
森にウガヤ 谷にウガヤ 遠く時を超え
魔神ウガヤ 古代の奇蹟 黄泉返る魂
(二番以下・略) 」
□(小コマ)
呉意寺「わしはどうなったんじゃ…?」(汗)
~~~ パイロット版なのでつづきません
※引用歌詞はオリジナルのもので、実際は本文作者の作詞作曲です;;;
テーマ曲フルコーラス
(vo:波音リツ)
https://utaloader.net/music/20201220212017456911
(vo:キエン)
https://utaloader.net/music/20201225184713573448