剣と魔法と邪龍の下僕
今回長めです。……手が痛ぇ
「…さて、と。こうしていつまでもダベってるのも楽しかったけどね、そろそろ君を器に入れ直さないと君が消えちゃうし。」
『…消える?…器?どういう事だ、何も聞いてない』
「ああ、本来ならその魂の本能に従って天界へ召される所を僕が横取りしちゃったからね、魂は長い時間天界を、神を拒絶すると消えてしまうから…ほら、段々消えかかってるだろ?君。」
言われてふよふよとした自分の尻尾を見てみると、やはり薄く消えかかってる。
『なっ……じ、じゃあ今すぐあそこに行かないと』
「落ち着けって、それにね、あそこの神は文字通り君の嫌いな神様なんだよ。あいつに君を任せても神に不信感を持っている…言うならば堕天した魂である君は絶対に幸せになんかなれない。それが分かっているから僕も君をここに隠したんだ。」
『……』
「今の神はね、例えば…そう、目が悪い人なら目を治してあげる。足の悪い人なら足を治してあげる。…皆が悪だと思う人を罰してあげる神なんだ。
たとえ目や足を治してほしくないという捻くれ者でも。たとえ本当は悪でなくても。それを見てより多くの人が満足出来るように。神の力を感じて貰えるように。信心が集まるようにしているんだ。」
「君が助からなかったのは…それによって面白くない思いを抱く者が、君を助けてそれを喜ぶ者より多かったからだと僕は分析しているよ。神的には実に懸命な判断だと思っているらしいね。」
「ただ神様は一応全ての魂に優しくあろうとしているし、当然君の事件の本当の犯人には厳しい罰を与えるお積りさ。そして大義の為に自らの命を落とした君には優しい来世を送らせてあげようとも思っている。でもさ…」
「その君に優しい来世というのもね、世間一般で優しい来世だと思われているモノを与えればいいと思っているのさ。つまり金持ちで家族に愛されて皆が媚諂う、そんな家に生まれ直させようと考えている」
『……それは』
「捻くれ者で大した欲もない、なのに前世では好き勝手に生きる自由すら与えられなかった、そんな君が本当に望む来世はそんなんじゃないでしょ?」
その通りだ。
「……だからそんな君が本当に望む世界で君が一番望む生き方を神に代わって僕が提供してあげようと思ってさ」
「…もし邪龍なんてレッテル貼られちゃってる奴にそんなことされたくないとか言われたら神のもとに戻そうかと思ってたんだけど…よく考えたらそんな人は邪龍の話をここまで聞いてくれないしね。」
「さて冒頭に戻るけど、神の所に行くにせよ僕のもとにいるにせよ、どちらにしても君は器…つまり肉体に入って」
『転生しなきゃいけない、ってこと?』
「そういう事。さっきも言ったけどそうしないと君は消えちゃうからね、魂のままで永くいるのはそれこそ普通は不可能なんだし。」
『……そうか…それなら』
残らず蒸発してしまった友達を含めないで考えるなら、俺の友達はただ一人、いや一匹か?兎に角邪龍エーレンフリートだけだ。
友達でもあるし同じ境遇の理解者でもある。
別に転生なんてしないでもあの人にお礼を言ってから、それから消えてなくなってしまえばいいという暗い当初の思いはエーレンと出会って消えていた。
よく分からない神様に転生させてもらうくらいなら
『君に頼みたいかな』
そう思うのは必然だった。
「……そっか、そっか、そっか!よし、じゃあ早速器を創らないとね、まずはどこに転生したいか〜…なんだけど、あれ、ここらへんに……」
嬉しそうに笑うとやる気を出したかのように魔法を構築しつつ何かを探すエーレン
「……あったあった。これが転生出来る世界一覧ね、この中から探してくれ」
お菓子に埋もれたあり得ないくらい分厚い本を掻き分けて魔法で出した…さっき俺を掴んで攫ってきた便利な龍の手で持ち上げて見せてくる。
実体のない俺に触れる手だったり実体も無ければ手もない俺が念じるだけでページの動く本だったり…そんなのがそこら中にありふれているエーレンの空間は面白いと思った。
……ただ、別にこんな本を読まなくてももう決めてるんだけどさ。
『何々……アーネリア?』
本の割と序盤で出て来た星、アーネリアについて書いてあるページを見た。
『剣と魔法の世界って感じか』
以下要約すると、
腹黒さと繁殖力、全ての系統の魔法を覚えられる点においてはどの種族にも負けない、兎に角天人とその長達熾天人以外の種族を見下す人間の住まう人間大陸
魔力は少ないものの身体能力がかなり高いのが売りの、獣人…人間に虐げられるケモミミ達が遥か昔に移り住んだとされる獣人大陸
魔力が高いわ魔法を使うセンスに溢れているわでなんだか凄い戦闘狂共、魔人が集う魔大陸
天使っぽく白い翼を持った者達なくせに邪龍に優しい、どちらかというと魔人にかなり近い……ということを人間達は知らないで崇めている、天人とその長達熾天人たちの住処 天大陸
幾重にも張り巡らされた結界で何処にあるか分からない…その美貌も相俟って警戒心は人一倍強い弓と風魔法の名手エルフとその長達ハイエルフの住処 エルフの里
龍か竜と他族のハーフで厚くて硬い鱗と尻尾が特徴のブレスも穿ける種族、竜人族の渓谷
海と共に生き海と共に死ぬ…鱗はあるが竜族のように硬くなく美しい魚のようなものに覆われていて尻尾もある海を本拠地とする、海人族の民
酒がどの種族よりも好きで手先が器用…主に鉱山に住み鍛冶屋を職とする、ドワーフの集落
特定の住処を持たない者と言えばエーレン達、龍…そしてその下位の存在である竜を始めとして数多く存在する。
その中でも意志のない魔物は当然どこの大陸にも居るが天大陸にいる魔物だけは人間の都合で区別されて天妖と呼ばれている。
そしてドラゴンの呼び方は海に居たら水竜 海龍、火山に居れば火竜 焔龍、神秘的な森に漂ってたら風竜 嵐龍、土を走り回って居たら土竜 地竜、天大陸に居たら光竜 輝龍、闇に紛れているなら暗竜 闇龍………結構テキトーだ。
神龍アルブレヒトと邪龍エーレンフリートだけはここから外れた伝説上の存在で一匹しか存在しない。
『凄く面白そうな世界だね』
「…もしかして僕の世界見てる?」
……その一匹邪龍エーレンフリートと目の前で話しているという事が驚きだけど。
「僕の世界か、うん、確かに君の前世の世界には居なかった僕…龍とか竜とか魔法とか色々面白いとは思うけど……君の居たニホンよりは命の価値が軽いんだよね。こう言っちゃなんだけど…あまりおすすめはしないかも。危険な目に遭わせたくはないし……」
『だけどそこに行けばまた君に会えたり話したり出来るんだろ?ならそうしたい…前世で友達1人も継続しないで死んだから正直不安だ。』
「…そう…か、ただ、それには一つ問題があって」
『問題?』
「神でない僕が何の制限も無く器を創れるわけがなくて、一つだけ…制限があるんだ。それは君だけが特別というよりも僕が器を創った全ての魂は邪龍の僕として次の世界に生を受けてしまうということ。
…まあ僕は普通こんなことをしないから十分特別なんだけどさ。
兎に角、もしチキュウみたいに龍も居なければ称号を確認する術もない世界なら邪龍の僕として転生しても何の問題もない。
だけど君が僕の世界に転生するとなれば話は別だ。」
「僕を嫌う人間大陸に居る…天人と人間以外の種族を悪しき者だとして攻撃する勇者
あまり効力もなければ器を創る力すらないけど馬鹿には出来ない、勇者に力と剣を授ける人間大陸で信仰されている女神ティアナ
勇者を背に乗せ僕のトコまで来やがったにっくきクソ神龍アルブレヒト
僕への信仰を色々と履き違え無駄な生贄を繰り返す面倒な邪教信者
こいつらには隠蔽しても称号がバレるし。。」
「あとは、ないとは思うけど…邪龍の僕として生を受けるのにたとえばあの神龍とかと共闘しようとしたら僕が称号の権限を発動して阻止することも出来るから。
……って…ほらね?アーネリアに行きたくなくなったでしょ?」
『…………。。』
そう、哀しそうな目で笑った。
確かにそうだ。
普通に考えれば、そんな称号を持って邪龍の世界になんて行きたいとはとても思えない。
面倒事に巻き込まれる確率は上がるし、なんか無事では済まされないような気もする。
だが…彼は俺の唯一の理解者で。
俺も邪龍と言われて貶されている彼の唯一の理解者なのかもしれない。
そうだとしたら。
エーレンの僕の称号に嫌悪感など全くないし、そのせいで受ける困難も仕方がないと笑って通過出来る気がする。
寧ろ、この称号を胸張って持ってアーネリアでの彼の誤解を解いてやりたいとも思ってる。
だって、俺も邪龍と同じくらい嫌われた死刑囚だから。
エーレンの痛みを理解出来るのなんて俺くらいなもの。
だから、
『いや、それでいい。エーレンの称号持って誇り高くアーネリアに行きたいんだ』
「そうか、…ありがとう。
じゃあ、早く創らなくちゃね、種族はどうする?」
『…人間で』
「本気かい?人間は一番僕のことを嫌いな種族だけど…」
『構わない。それに全部の魔法を覚えられるのは人間だけなんだろ?折角魔法の世界に行くのに努力しても一生使えない魔法があるなんて嫌だ』
「うん…まあ、そうだね、僕は使えない光魔法なんて使いたいとも思えないけど…そういう考え方もあるのか。」
『あ、そういえば魔法ってどのくらい種類ある?』
「えーっと、確かね、」
光魔法…光系竜人族と人間 一般には聖職者と天人と熾天人、天妖にしか使えない。闇系の魔物、魔人全体には弱点となる。
闇魔法…闇系竜人族とら人間、魔人全体、闇系の魔物、そしてごく少数だが堕天人にしか使えない。天人と天妖と聖職者の弱点&穢らわしい魔人が使うという事で一般の人間には敬遠されがちだが中々便利。
水魔法…水系竜人族と海人族と水竜 海龍の得意分野。聖職者でない人間が治癒魔法で多用するのがこの魔法。便利なので生活魔法とも呼ばれている。
火魔法…火系竜人族と火竜 焔龍の得意分野。基本的に攻撃力が高いので主な攻撃魔法だ。
風魔法…風系竜人族とエルフと風竜 嵐龍の得意分野。使いこなせると数キロ先の敵の気配まで察知出来るというがそんな高みまで使いこなせるのはほぼエルフと風竜 嵐龍だけだ。洗濯など便利なので生活魔法と呼ばれている。
土魔法…土系竜人族とドワーフの得意分野。相手の足元を崩すという地味だがかなり有効な手立てで戦闘の役に立っている。土木建築業には必須の魔法だ。
無属性魔法…魔力を放出するだけの魔法とも言えないような魔法。通常の魔法を使う時に起こる、呪文を唱えたり集中する時間が要らないので咄嗟に放てる魔法というのが利点と言えば利点だがやはり地味だし威力に欠けるので誰にも人気がない。
…とはいえ無属性魔法を相殺出来るのは無属性魔法だけなので皆が失念している今、かなりの穴場かもしれない。
召喚魔法…魔物を使役する魔法。魔力以外に体力をも同時に消費する。身の丈よりも強い魔物を出す程その消費率は高くなる。あまりに強い魔物を呼び出し召喚師自体が死ぬという事例もある取り扱いには注意が必要な魔法だ。
「それで、こっちは珍しいけど」
変幻魔法…その昔獣人が人間から逃れる為、目を欺く為に邪龍と協力して必死で開発した獣人独自の固有魔法。耳や尻尾を隠す事が出来る他、幻を作って居ないのに居る風に見せるなどかなり万能。使いこなせば他の種族にも変身出来るようになるらしい。
雷魔法…長年雷を研究して出来た割と新しい魔法。身に纏い攻撃すると相手が麻痺するということで獣人の間で人気が高まっている。
毒魔法…頭の良い人間の涙の結晶。元々は毒は使い方によって薬にも毒にもなり得るという発想を元に造られた魔法だが、敢えて使い方を間違える者達も居て油断ならない。
重力魔法…世界のどこかに居るとされる吸血鬼と熾天人にしか伝わっていない。主な詳細は不明。
精霊魔法…エルフ、ハイエルフにしか伝わっていない。精霊の力を借りる魔法。主な詳細は不明。
空間魔法…神龍、邪龍、そしてそれに認められた者しか使うことは出来ない。主な詳細は不明。
「これで全部かな、空間魔法だけは人間であっても特別な者しか使えないけど…認められた者=邪龍の僕だから君には適正がある。
ただこれは君以外には神龍に認められた…つまり勇者以外は使えない特別で有能な魔法。
人の居る所で無闇に使わないで欲しい。
聞かれても答えるな。
それから、もしその秘密を知られたくなければ…なんて展開に陥っても絶対にそいつの為に力を使うな。
君はあくまで邪龍の僕なのであってそんな奴の手下じゃないんだから。」
「あと、それから、変幻魔法もね。書いてあると思うけど僕が協力したんだから君に授けることが出来るから。ただこれも同じく……」
『心配しなくても人間不信はしばらく治らないから安心してくれ』
魔法で青い粒子のようなものが人型を模っていく。
これが器になるのだろう。
魔法ってのはやっぱり不思議だ。
「家族構成とかはどうしようか?全ての大陸を自由に見て回りたいなら…いや、それは寂しいかな」
『自由があって…あとは……そうだな、子供が邪龍の僕でもあまり迷惑の掛からない家庭なら…って人間なのにこれは無茶だな』
「うーん、難しいね。自由が欲しいということはお金がそれなりにある中流家庭でないといけないけど…それだと明らかに家族に迷惑がかかる……あ、あー………うん、そうだ!!いいよ!いいこと思いついた!ちょっと辺鄙な田舎に住むことになるけど、十分好条件だ!」
『あまり詳しい事聞くとつまらないから聞かないけど…本当にそんな条件に合った家があるのか?』
「ああ!ぴったりだよ、これなら大丈夫。なんの問題もないよ!」
『……信じるよ』
何やら興奮しているので余程好条件だったんだなと独りごちる。
前世の家族には良い思い出がないが…今度こそはと不安を無理矢理飲み込む。
まあ程々に頼ることにしよう。
「魔力は僕と同じく∞で、でも魔法を使う時に少しずつ体力が削られるようにして∞を誤魔化そう。
で、体力は普通の人間より結構多めで。
力は僕基準で凄くいい感じの所まで引き上げて…」
『…ま、待っ、龍基準でとか、机叩いたら机が割れる、みたいなトンデモ人間は止してくれよ…!』
「あ、そうだったね、無意識にドカバキやらかさないようにブーストを…二つ設けようかな、解除するのは一つ目は彼で最終のは僕にしよう。普段は通常で過ごし襲われた時とかは途端に力が増す…これは彼でいいね。で、”彼の”命の危機になると火事場の馬鹿力を起こす…これが僕だ。
さて、容姿はどんな感じがいい?」
『……普通で構わない…』
「…OK、僕の好きにさせて貰うよ。ん〜どうしようかな、君は恐らくあまり人と話さないだろうから黙っていてもおかしくないような〜…元気系の顔は駄目だな、とびっきり愛嬌振り撒く顔も微妙。よし、クールビューティー(笑)でいこう、そして、ああそうだ、黙っていたらなんか怒ってそうな顔とかあまりにも冷たそうな顔ってのも駄目だし、企んでいそうな顔もキャラに合わない…うーん、案外難しいな」
『…普通で、普通でいいから!』
「あー……っと、これをこうして、えーーー、あ、名前!名前どうする?」
『アーネリアでありふれた…俺に合う名前で……』
あまりそういうのを考えるのは得意ではないし、考えに考えたカタカナの名前がアーネリアで浮いてたらしょうもない。
前世の名前なんて論外だし。
「んじゃあ………僕、邪龍エーレンフリートの名前からフリートをあげて……”ヴィンフリート”ね!」
『……ヴィン、フリート…』
与えられた名を噛み締めるようにゆっくりと口に出してみる。
出来たのは案外かっこいい名前だった。
…気恥ずかしいけどアーネリアでありふれてるなら仕方がないか、と笑う。
「うん、うん!中々良い出来栄えだ!自画自賛するのもなんだけど、かなりいいのが創れたと思う、良かったね、ヴィン!」
『そうだな、行くのが楽しみだ』
「……あ、言うの忘れてた!
えーと、邪龍エーレンフリートの僕になる君は、結果的に僕の加護を受けて闇魔法に強くなり…光魔法に弱くなるんだ。」
『つまり闇の攻撃魔法を受けたらダメージ軽減、光の攻撃魔法だとダメージ増加…か?』
大切だから覚えておこう。
「大体合ってるよ。
ただ、攻撃でなくとも光の治癒魔法でも回復しないばかりかダメージを受けるから、注意して!」
『それじゃ…回復したい時はどうする?闇の治癒魔法なんてあるのか?想像出来ないが……もしかして闇の攻撃魔法を放つしかないのか?』
回復したい時に自分に向かって攻撃魔法を放つとか、凄く見られたら目立ちそうだと思いつつ聞くと、エーレンは笑って首を振った。
「いやいや、光魔法や闇魔法以外に…水魔法でも十分な治癒魔法があるから問題ないよ。
というか聖職者や天大陸、魔大陸の奴ら以外は皆水魔法で治癒している世界だから目立たないしね。
闇の治癒魔法はない事はないけど…主に魔大陸で浸透してるからね、人間の器を作るからには人間大陸に器を置いたから…最初は縁がないと思うよ。覚えたかったら変幻魔法を使って魔大陸に行ってくれたらいい。」
『なるほど……あれ?俺ってその、光魔法って使えるのか?…エーレンの称号持ってたら使えなくても仕方ないけど』
「んーやっぱり少し苦手だけどでも、光魔法を使う事は出来るし、その代わりに闇魔法は寧ろ得意分野になるよ。その他も問題ない器を創ったから使える魔法の種類に関しては心配しなくていいよ。」
『そっか、ありがとう。』
良かった…使えないと言われたら観念しようかと思ったけど、使えるならその方がいい。
光魔法って暗い時に明かりを灯したり色々便利そうだし。使えなかったらなかったで火魔法で代用出来るんだけどさ。
「……さて、そろそろ時間だ。そこのワープパネルの上に移動して?向こうに用意した器にワープさせるから。」
そろそろ本気で消えかかってきた身体にハッとして急いでワープパネルの上に浮かんだ。
と、そこで、一番重要な質問を思い出した。
『…そういえばどうやってまたエーレンと話すんだ?空間魔法ってここに来れたりする能力あるんだっけ?』
「空間魔法で来れるんだったら僕は今頃勇者と神龍にボコられてるよ!?…そうだね、僕が呼びたい時に呼ぶからその時に話してくれればいい」
『じゃあ俺の方から行けはしないってことか』
少し残念だが相手は邪龍。
ちょっとくらいは仕方がない。
「そういうことになるね〜…ただ、ある程度闇魔法を鍛えると念話という魔法を覚えられるからそしたら君の方から話しかけてくることも出来るよ。
…ぁあっ、ちょっ消えてる消えてる!じゃ、また後でね!
アーネリアで良き来世を!」
『なっ!……うわぁっ!!』
急いで言うとエーレンはレバーをガチャリと下に下げ手を振った。
それを見た瞬間、視界が白く霞み…やがて意識は沈んでいった。
説明疲れましたねー。
次からはいよいよ異世界ですね。
どんな家族構成になったのか、読んでいただけたら幸いです。m(_ _)m