6/7
その6
綺麗な写真はその日のうちに現像すべきだというのが自論だ。カメラが水浸しになってしまったから、早めにSDカードからデータを取り出しておかないと。
フィルムタイプだったらこんなときどうなっていたか分からない。
最悪、あの綺麗な写真が駄目になっていたら。とても残念でならなかったなと仮定しながら写真を現像する。
色合い、角度、彼女の表情ともにどれもいい写真がプリンターから吐き出される。どうせなら、四つ切サイズで現像したいくらいだ。
ただ、写真部は認められていないし、盗撮と言われてしまったら困ったことに反論できないかもしれないから、大々的に公開することはできない。
どうしよう。
この写真の子は私と同じ進路の決まっていない数少ない同級生だ。変な仲間意識が不思議と彼女に対して湧き上がる。
明日、彼女にこの写真を渡してみよう。
直接渡す勇気は出ないから、下駄箱にでも入れておいて。
こんなに綺麗な写真なら、彼女もきっと喜んでくれるはず。
今一番大事なのは、濡れた制服をどうしようか。
男視点です。