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メール  作者: パイン
1/1

元カノへ

今年の初めに彼女と別れた。


5年付き合った彼女だったが、その頃はお互い、他の人に目が行っていたし彼女から別れのメールが来た時も俺は悪友が企画した合コンの真っ最中で、やっと別れられたと喜んで酒を飲んでいた。


正直その頃は遊びたかった。


けど冬が終わって、春が通り過ぎ、長い夏が終わりかけて、秋が始まるころ、俺はひとりになっていた。


そんな時に車の中から偶然君を見つけたんだ。


声は掛けなかったけど髪の色も服装も随分変わったよね。


ただ勝気なあの目はあの頃のままだった。


そんな時俺の中で何かがはじけたんだ。


君に会いたくて、声をかけたくて、君の誕生日にお祝いのメールを送った。

メールは驚くほどすぐ返ってきて「ありがとう」って書いてあった。


俺は我慢できず電話を掛けた。


けど君は電話には出なかった。


これが答えなのかな?

と考えていたが、恋愛してるときなんて誰もが自己中で周りが見えないものだ、直球で行こうぜと友達に後押しされ、その後1日1人で考えた結果君にまたメールを送ることにしたよ。




Kへ


度々しつこくしてごめんね


昨夜は電話すまないね

電話にでないってコトで改めて気持ち察しました



このメールもシカトしていいから


でも後悔したくないからズラズラ物言わせてください。ワガママ承知です

ホント申し訳ない



あの日のコトがどぅしても後悔して忘れられない。


居なくなってから気がついたよ、Kの大切さを。

あの時は自分に余裕がなかった

ただのエゴイストで、人のコトはさて置いて、Kから離れて独りきりになりたかったんだ


自由になれたって思って、浮かれて遊んだ。


でも大きな間違いで、Kの居ない人生がどんなに苦しく、幸せなどなく、辛く、張り合いのない、くだらない日々だってコトに気がついた



あの時はそんなコトさえわからず、自分勝手に押し切って突き放してしまった。



少しだけ時間あいてから電話したの、覚えてるかな?


あの時Kは『好きな人が出来た。楽しく暮らしてる。親に挨拶しないのはオレとの未来が見えなかったから。もう電話してこないで。別れてよかった。』は、ガツンときたでも真摯に受け止めてたつもり。


もう迷惑だから連絡しないって心に誓ったんだ。でも昨夜連絡しちゃったね



もうKに会えないかもしれないけど、一生忘れられない二人で過ごしたかけがえのないあの時間を、また過ごしていきたい。



もう叶わない恋なのはわかってるけど、それがオレの生きてる意味、すべてなん。


もう一度、Kの瞳にオレが映ってくれる時がきたら、いっぱい話たいコトがある。


前みたいに笑い合って。



もう別々の人生で、オレに一切未来を考えられなければこのままシカトして構いません


少しでも、一言でも電話出来たら…


一度しかない人生の一番の思い出をありがとう、一緒に居てくれてありがとう。

返信なければこれが本当に最後のにする



もう一度、やり直して下さい。


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